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【“好き”を極める表現:6】小春ハルカ

好きだからシャッターを切り続け、好きだから自分らしい表現を追求し続ける。そんな“好き”を極めた7人の表現者たちが辿り着いた独自の世界観にフォーカス。見る人の心を動かすトキメキを宿した作品とその想いに迫りました。
第6回は、花や空など、身近にある「心が動かされる瞬間」を撮影するフォトグラファー、小春ハルカさんです。

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小春ハルカ

フォトグラファー 1995年生まれ、群馬県出身。2015年に独学で写真を学び始め、季節の花や何気ない景色などを撮影。2021年からSNSで活動を開始し、花を中心とした幻想的な世界を表現。
愛用カメラ:Nikon Z 6II
愛用レンズ:NIKKOR Z 24-70mm f/4 S、NIKKOR Z 35mm f/1.8 S

風景に溶け込む花々

「偶然見つけた、田んぼの中のコスモス畑。電柱やトラックを入れて、何気ない景色の中で咲いている様子を切り取りました」。

「コスモス畑で夢中で撮影していたら、いつの間にか日が暮れて月が登場。“月と花”という組み合わせが新鮮で、心を掴まれた瞬間」。

「透き通るようなブルーのデルフィニウム。どこか儚くて寂しげな印象を、窓ガラスについた水滴を重ねることで表現。陽が落ちる直前に、多重露出で撮影」。

「鏡に青空を反射させ、覗くようにチューリップを撮影。まるで、2人で仲良く万歳をしているみたい」。

この花はどういう景色を見て、どんな気持ちなのか?そんな想像をしながら、素直に表現する

「秋になると、毎年訪れるコスモス畑があります。一昨年、新しいカメラを購入したこともあり、撮影しに行きました。それまで花をメインに撮ったことはなかったのですが、被写体の選び方や空の色、光の向きなどで花の持つ印象が変わっていくのが楽しくて写真の奥深さを実感。普段見過ごしてしまうような景色の中にもたくさんの美しい発見があることに気付き、花を撮ることに目覚めました。寒い冬を超えて、小さな植物たちが芽を出して花を咲かせる姿には、勇気をもらいます。けっして目立たなくても、気付かれなくても、一生懸命に生きる花の姿は美しくて、なんだかかっこいい。何気ない日常の景色に、溶け込むような花の姿に魅力を感じます。そして、花を撮り続けることで、美しいと感じる以上の“何か”を追求したいと思っています。
花を撮る際にこだわっているのは、花を擬人化すること。この花は今どういう景色を見て、どんな気持ちでいるのか?そんな想像をしながら、その時感じた気持ちを素直に表現します」。

「朝日が昇り始めた頃を狙い、ダイナミックな日の丸構図に。小さくて可愛らしいマトリカリアも、シルエットを重ねることで存在感が増した一枚」。

「キラキラと輝く夕日に、桜と菜の花...天国のような光景に、夢中でシャッターを切りました」。

「一目惚れで購入したガーベラを、優しい夕焼け空に重ねて」。

花や空はずっと同じではなく、この景色は二度と見られない

「花と同様に、空も好きな被写体。空から受けるエネルギーは、私にとって必要不可欠なもの。花や空はずっと同じ状態であり続けることはなく、二度とこの景色は見られないかもしれない。そう思いながら常に心地よい緊張感を持って過ごし、綺麗な花や空に出会うとシャッターを切りたくなります。
私にとって、写真とは“記憶”。写真として残せることで記憶が上書きされず、安心して思い出を増やしながら記憶を重ねられます。その時の感情を忘れたくないから、私は写真を撮り続けています」。

小春ハルカ Instagram
小春ハルカ Twitter

GENIC vol.66【“好き”を極める表現】
Edit:Satoko Takeda

GENIC vol.66

GENIC4月号のテーマは「撮らずにはいられない」。
撮らずにはいられないものがある。なぜ? 答えはきっと単純。それが好きで好きで好きだから。“好き”という気持ちは、あたたかくて、美しくて、力強い。だからその写真は、誰かのことも前向きにできるパワーを持っています。こぼれる愛を大切に、自分らしい表現を。

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