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プロフィール

花盛友里
フォトグラファー 大阪府出身。2009年にフォトグラファーとして活動を開始。雑誌や広告を中心に活躍中。2014年に『寝起き女子』、2017年『脱いでみた。』を発表。女の子の「ありのままの姿」を切り取った作品で注目を集める。2020年に『脱いでみた。』シリーズ第2弾となる『NUIDEMITA-脱いでみた。2』を発表するなど作品づくりを続けている。2021年にアンダーウェアブランド「IKKA」を立ち上げるなど、幅広く活躍。
愛用カメラ:Nikon D4S
愛用レンズ:AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G
- Instagram @yurihanamori @familyphoto_hanamori / WEB
Q. はじめましての人を上手く撮るための3つのコツは?
A. ①カッコつけないあいさつ ②自分に置き換えて考える ③撮影中の空気を大切にする
「大丈夫!」と思ってもらえるように

「とくに一般の方を撮るときは、相手はとっても緊張して来ているので、最初のときに“この人なら大丈夫”と思ってもらえるようなあいさつを大切にしています。心からの笑顔、声のトーン、目を見る・見過ぎない…そして何より、“カッコつけないこと”を心がけています。あいさつした後は、どこを見てあげたらいいか、逆に見ない方がいいか、全部、自分が逆の立場なら?と考えながら動くことを意識的に。私自身、撮られるのがすごく苦手なので、撮られるときにどうされたいか、何が嫌かなどを常に自分に置き換えて考えるようにしています。例えば、『はい、撮りますよー』と言われるとすごく緊張しちゃうから、話しながらシャッター切ってしまって、いい笑顔が撮れたら、それを見せることもします。私もこんな表情ができるんだ!と思えると、みんなどんどん変わっていきます。あとはもう、撮影中の空気を大切にすることです。撮る側が緊張するとお互い負の連鎖に陥ってしまうので、私は固くならずに、めっちゃ楽しいよね!という雰囲気を崩さないようにしています」。

「例えば荷物を持ったまま部屋に入ってきたのを見て、暑いかな、歩いて来たのかな、車かな、涼しくしてあげるのがいいかな、それとも暖かくしてあげるのがいいかな…など、相手に気づかれないように、さりげなく気にしてあげることもとても大事だと思っています。絶対そうは見えないようにしつつも、最初から最後まで気を張って撮り続けています」。


「撮る人だという気持ちを脱ぎ捨てて、撮られている側の気持ちに限りなく近づくことで、ポートレートは上手くなると思っています」。
毎回 “その子史上一番かわいい!” を撮れるように心がけています

作品はすべて、一般の方をモデルとしている『脱いでみた。』より。「被写体となる人がどう感じているのか、今どうしたらうれしいのか、嫌なのか、どんな表情だったらその人らしさを出せるのかなどを瞬時に感じながら撮影するポートレートは、これまで自分がしてきた失敗や後悔、成功、喜びなど、すべての経験や思いが役に立ちます。ポートレート撮影は人生の集大成。このときのためにすべてがあったんだな、と思える時間です」。
GENIC vol.73【Portrait Q&A】Q. はじめましての人を上手く撮るための3つのコツは?
Edit:Chikako Kawamoto
GENIC vol.73

2025年1月号の特集は「Portrait Q&A」。ポートレートの答えはここにある
人にカメラを向けるからこそ、迷いはなくしたい。自分の写真をちゃんと好きでいたい。そのためにどうするか?「答え」はここにあります。写真家や俳優、モデルなど41名が答えた、全45問のQ&A特集です。