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プロフィール
キム・サンイン(Kim Sangin)
アーティスト 1995年、アメリカ・ミシガン州生まれ。幼少期より韓国で生活し、活動している。写真を愛した父と、収集を楽しんだ母の影響を受け、特定の物を観察し収集することを中心に表現を展開し、それらを写真という形で表してきた。現在は、収集されたイメージの表層を越えて、それらが「収集者」によっていかに再解釈され得るかを考察している。同時に、イメージがどこから来て、どこへ向かうのかを見つめ直しながら、それらを織り合わせる試みを続けている。写真のための本ではなく、「本のための写真」という概念を通して、新たな表現の可能性を探求している。
ステートメントと解説、展示作品の一部をご紹介
『Nancy』は、愛が崩れ去ったあとにも残るものは何か、という問いから始まる。
愛はどのような形であれ人生を支える力だと信じていた。しかし、突然立て続けに起こった出来事は、その信念を揺るがせる。誰かに「あなたらしく振る舞って」と言われた瞬間、かつて誰かに言われた「まるで誰かを演じているみたいだ」という言葉を思い出す。では、本当の私は何なのだろうか。その根源的な問いを投げかけながら、これまでの記憶をたどり直していく。それらは本当に私自身のものだったのか。それとも、「愛」という名のもとに誰かに寄りかかりながら、自らを定義していたにすぎなかったのか。そうして私は、夢のように遠く古い物語の中をさまようことになる。
『Nancy』は、私が最初に真似をした、かつて誰かが名乗っていた名前である。幼い頃、自分を紹介するとき、私はよく「私はNancyの──です」と口にしていた。『Nancy』はその記憶を出発点とし、未だ解決されない出来事の中で、「私は誰なのか」という問いをたどり直していく。
── キム・サンイン
キム・サンインは、韓国 ソウルを拠点に国内外で活動する若手アーティストです。収集されたイメージや記憶を手がかりに、展示と並行して写真集やアーティストブックの制作にも重要な実践の一つとして積極的に取り組んでいます。
タイトルにある「Nancy」は、幼い頃の作家が初めて真似をした、かつて誰かが名乗っていた名前です。その名前を手がかりに、過去の記憶や感情を見つめ直しながら、自分という存在がどのように形づくられてきたのかを探ってきました。「愛が失われたあとに残るものは何か」という問いから始まった本作では、自身の記憶をたどりながら、「私は誰なのか」という根源的な問いに向き合っていきます。
本作は、失われた愛についての物語であると同時に、他者との関わりのなかで形づくられる自己の輪郭を見つめ直す試みでもあります。作家自身の記憶や経験から出発した本作は、ひとりの物語にとどまらず、「私は誰なのか」「私を形づくっているものは何か」という誰もが抱えうる問いへと静かにひらかれていくのです。
── キム・サンイン 個展「Nancy」 プレスリリースより
キム・サンイン個展 「Nancy」情報
開催日時
2026年6月13日(土)~6月28日(日)13:00~19:00
休廊:月、火
入場料
無料
会場
PURPLE
- 〒604-8261 京都市中京区式阿弥町122-1 3階
- Google Map
行き方・アクセス
<電車>
京都市営地下鉄烏丸線「烏丸御池駅」出口4-1から徒歩で約7分
京都市営地下鉄東西線「二条城前駅」出口2から徒歩で約4分
京都市営バス9・12・15・50・67・101系統「堀川御池」から徒歩で約3分
キム・サンイン 写真集 『Nancy』情報
定価:4,180円(税込。本体3,800円)
仕様:ソフトカバー
サイズ:20×30cm
発行:FF Seoul
表紙にはさまざまな古い白い布が用いられ、一冊ずつ作家自身の手によって仕上げられています。答えのない問いを抱えながら、自分という存在を見つめ続けたプロセスそのものが収められた写真集です。