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【撮影と表現のQ&A】鎌田風花/Q.花を情感豊かに切り取るには?

さまざまな写真家、フォトグラファー、クリエイターが登場するQ&A企画。
「知ることは次の扉を開くこと」。
今回は、透明感のある優しい表情の花写真が印象的なフォトグラファー、鎌田風花さんに質問です。

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鎌田風花

フォトグラファー 1990年生まれ、大阪府出身。一般企業の会社員を経て、家族写真の撮影をきっかけにフリーランスのフォトグラファーとして活動を開始。現在は広告撮影や、写真セミナーの講師なども務める。
愛用カメラ:Nikon Z7II、Nikon Z fc
愛用レンズ:NIKKOR Z 50mm f/1.8 S/Z 28mm f/2.8/Z 24-70mm f/2.8 S
https://www.hummingbird.photo

鎌田風花 Instagram
鎌田風花 X

Q.花を情感豊かに切り取るには?

A.花とじっくり向き合い、魅力的に写る光や構図を探す

撮影機材:Nikon Z fc × NIKKOR Z 28mm f/2.8

「花壇とベンチを水平にして、2分割に。斜光が美しく、影の入り方も意識」。

「写真を見て、優しい気持ちになれるような花の写真を心がけています。花にはそれぞれの特徴や魅力があるので、撮る時には花とじっくり向き合うことが大切。この花はどう撮れば素敵に写るだろうと考えて、光や構図などを意識しながら時間をかけて撮影します。季節や時間帯によっても花の表情や写真の雰囲気は異なるので、さまざまなシチュエーションでたくさんの花を撮影することが、花を魅力的に撮ることにつながると思います」。

【Point:01】主役となる花を決める

「ただ闇雲に花を撮ると、主役がいないぼんやりとした写真になってしまいがち。まずは、軸になる花を決めることが重要です。私の場合は、他の花より背が高い、一本だけ違う方向を向いている、色が違う...など、他の花と異なる部分がある花を主役にすることが多いです」。

撮影機材:Nikon Z7 II × NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

「ネモフィラ畑で、他の花より頭ひとつ背の高い一輪を発見。青い空と青い花が被らないように雲を背景に撮影」。

【Point:02】光と構図を意識して、撮りたいイメージに近づける

「撮りたい花を見つけたら、どんな風に切り取るかを考えます。花との距離感や切り取り方で、写真の雰囲気は大きく変わります。さらに光の当たり方も意識すると、より自分の撮りたいイメージに近づけることができます。たとえば順光で撮影すると、花の色がはっきりと写って明確な一枚に。逆光の場合は、ふんわりと優しい雰囲気になります」。

撮影機材:Nikon Z fc × NIKKOR Z 28mm f/2.8

「幻想的な雰囲気になるよう、コスモスを逆光で撮影。より光を柔らかくするために、tokyographerのレンズフィルター OPF550-Sを使用」。

【Point:03】ボケ感を取り入れて、花を際立たせる

「F値が小さいボケやすいレンズで撮影すると、花が際立つ一枚になるのでおすすめです。花と背景が離れるほどボケ感は大きくなるので、カメラ、花、背景の距離感を意識して撮影します。また、前ボケを作るとより印象的な雰囲気を演出できます」。

「ガクアジサイのガクの部分がとても美しかったので、目一杯寄って撮影。寄ることで背景がしっかりボケて花が強調され、花の質感まで伝わります」。

撮影機材:Nikon Z fc × Ai-S NIKKOR 50mm f/1.4

「フィルム写真のようなボケ感が欲しい時は、マニュアルレンズの50mmで。背景の木々に当たった光が玉ボケとなり、千日紅が映えるキラキラとした一枚に」。

GENIC vol.67【撮影と表現のQ&A】鎌田風花/Q.花を情感豊かに切り取るには?
Edit:Satoko Takeda

GENIC vol.67

7月号の特集は「知ることは次の扉を開くこと ~撮影と表現のQ&A~」。表現において、“感覚”は大切。“自己流”も大切。でも「知る」ことは、前に進むためにすごく重要です。これまで知らずにいたことに目を向けて、“なんとなく”で過ぎてきた日々に終止符を打って。インプットから始まる、次の世界へ!
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