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プロフィール
haruna kikuchi
フォトグラファー 1992年生まれ、北海道出身。東京都在住。趣味で始めたフィルムカメラをきっかけにフォトグラファーとして活動するように。現在はウェディングフォトブランド「MYTHEL」のディレクターも務め、ウェディングやファッションなど人物撮影を中心に幅広く活動している。
質感まで伝わるような繊細な描写
私は普段、ウェディングの前撮りやファッション広告などの撮影をしています。プライベートでも人物を被写体として撮影することが多く、被写体とコミュニケーションを取りながらの撮影スタイルがとても好きです。
以前から、富士フイルムのカメラはビジュアルがとても好きでした。そもそも私が写真にのめり込むきっかけとなったのがフィルムカメラ。それだけに、Xシリーズのフィルムライクなビジュアルにずっと憧れを抱いていました。「次に手にするなら絶対に富士フイルムのカメラ!」と思ってはいたものの、なかなかタイミングや仕事の都合上、手を出せずにいました。そのため今回の「GFX100 II」が、初めて使う富士フイルムのカメラです。
実際に使ってみると、それはもう感動的でした。手触りや質感まで伝わるような繊細な描写が素晴らしく、そのときの温度までも写真から感じられるような写り。光の微細な変化もしっかりと写し出してくれます。今回の作品に写っているのは友人なのですが、久しぶりに会うと髪の毛をとても綺麗に伸ばしていて、会った瞬間にその髪の美しさを写したいと思いました。そして実際に撮ったときの、繊細な描写と光の陰影はとても綺麗で、感動しました。
そしてやっぱり、フィルムシミュレーションが最高です。撮影中に仕上がりイメージを確認しながら設定を試せる点が魅力で、フィルムカメラで作品撮りをする際にどのフィルムを使うか考える過程に近い感覚を味わえます。フィルムカメラが好きな自分の撮影スタイルに、とても合っていると思いました
私は作品撮りをする際、テーマやイメージをある程度考えてから撮影することが多いのですが、イメージ段階でフィルムシミュレーションを設定することで、撮影をしながら、より目指す表現へと近づけていくことができます。「もっとこんな風に撮ってみよう!」など、イメージもどんどん膨らんでいきました。
普段、プライベートで撮影した写真は編集する時間が取れないことが多いのですが、フィルムシミュレーションは撮って出しでもとても美しい仕上がりなので、プライベートでもどんどん撮影したくなります。と同時に、いろいろなフィルムシミュレーションを使用する中で、自分の作品の幅が広がっていくのを感じました。旅先でのスナップ写真とも相性が良さそうで、いつか旅に持っていきたいと考えています。
My favorite フィルムシミュレーション
1:モノクロ+Ye
私は写真表現において“柔らかさ”を大事にしているのですが、モノクロ+Yeは締めるところはしっかりと黒で締めることで、表現したい柔らかさの部分を浮き立たせてくれると感じました。また、黒のグラデーションをとても美しく繊細に表現してくれる点も、とてもありがたいと感じました。
2:SEPIA
今までSEPIAで写真を撮影したことがなかったのですが、だからこそ今回、あえて挑戦してみようと思いました。結果、昔の映画を見ているような気持ちになれる、ノスタルジックな仕上がりがとても気に入りました。
haruna kikuchiさんが恋したフィルムシミュレーションの特徴
1:モノクロ+Yeとは?
「モノクロ」は、モノクロ写真のモードです。通常のモノクロに加えて、コントラストを高める「イエロー(Ye)フィルター」はヒトの眼が眩しいと感じやすい黄色を吸収することができるため、自然にコントラストを強調します。モノクロは少し硬めのほうが好き、もしくはハイライトの冴えを強く見せるためグレーからシャドウがわずかに濃いめのほうがいいという場合に便利なルックです。
2:SEPIAとは?
時間が経ち、色あせた写真を再現したモードです。レトロ感やノスタルジックな雰囲気を演出したい場合に適しています。
haruna kikuchiさんが使用したカメラ
GFX100 II
圧倒的な画質とシステム機動性に加え、新たに高速性能と動画性能を手に入れたGFXシリーズのフラッグシップモデル。アルゴリズムの改良により進化した顔・瞳AFに加え、動物・鳥・車・バイク・自転車・飛行機・電車・昆虫・ドローンを検出する。高速連写性能も進化し、従来のGFXシリーズでは撮影が難しかったスポーツ分野においても決定的瞬間を逃すことなく力を発揮してくれる。忠実な色再現性とメリハリのある階調表現を持ち合わせた「REALA ACE(リアラエース)」が加わり、フィルムシミュレーションも全20種にパワーアップ。