【私が創り出すときめきの世界 #3】ipnotさんの緻密すぎる手法と斬新な着眼点に脱帽!

「好き」という気持ちは、頑張る原動力になる。
「好き」がどんどん膨れ上がると、自分だけの特別が欲しくなる。
「自分だけの特別」を創り上げ、世に放つことで「好き」を伝道させているアーティストたちをクローズアップ。
#3では、刺繍画家 ipnot(イプノット)さんの一途な思い、そして溢れ出る情熱に迫ります。

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ipnot

刺繍画家 2011年にipnot(イプノット)の名で活動をスタート。
最初はミニチュア雑貨やアクセサリーを制作・販売していたが、徐々に刺繍制作へと活動が変化。
フレンチノットへの探究心を模索する実験的な個人プロジェクト「501embroidery」も展開中。

「立体刺繍」

「手のひらほどの実物大の"ピザ"。デザイン考案から完成まで約3ヶ月かけて、アラブでの展示会用に製作したもの」。

“もし、刺繍が生きていたら…そんな自由な刺繍があっても面白い”

飛び出す刺繍!?従来の刺繍の概念を打ち破る、ポップで独創的なipnotさんの刺繍アート。
「幼い頃、祖母の刺繍や刺繍をする手元がとても好きでした。その頃の私にとっては“刺繍=芸術品”のイメージがあり、刺繍は見て楽しむもの。針仕事は苦手で不器用だと思っていたので刺繍をやりたい気持ちはなかったのですが、8年前に偶然、今まで見たことのないざっくりと縫われたラフな刺繍を見かけて目からウロコ状態に。祖母への憧れを一気に思い出し、その足で手芸店へ。今まで感じたことのない楽しさに、すっかり夢中になりました」。

「糸を一捻りさせることで、餠感を出した"ぜんざい"」。

「よりハマったきっかけは、フレンチノットというステッチ技法との出会い。玉止めのような小さな粒状の縫い方で、粒も柔らかいので重ねて陰影もつけやすく、まるで色が混ざったかのように表現できます。その自由度の高さに惹かれ、点描画のように小さな糸の粒を重ねて描く今のスタイルに行き着きました。また、刺繍が平面である必要はないのでは?と思い、刺繍枠から刺繍や糸たちを自由にさせてみたところ、より生き生きとしたものになったのです。もっと新しい表現ができるかもしれないという先が想像できない楽しさも相まって、“立体刺繍”に対する愛は止まりません。刺繍に興味のない人の目にも止まるような作品で、さまざまな角度から糸の世界の魅力を伝えたいです」。

「みずみずしさや甘酸っぱさを表現できるように、下地にさまざまな色を置いた"林檎"」。

Q. あなたにとって、刺繍とは?

趣味であり仕事であり相棒
「私のライフワークです。頭に思い描いても表現することができなかった過去。ペンから針に持ち替えたことで、その表現が一気に可能になりました。刺繍と出会えたことで自分自身を深く知ることができ、人生がより豊かになりました。刺繍のおかげで救われた日々が何度もあります。器用なわけではないけれど、刺繍だと表現できる。この先、ずっと付き合っていくんだろうなと思います」。

「ライティングと実際の炎の煙を用いて、タイミングをみながら撮影した"炎"」。

「"蚊取り線香"の香りが漂ってきそうな色選びがこだわり」。

Q. 刺繍を通して表現したいことは?

誰かの記憶に続くもの
「面白い、すごい、きれいだね、で終わらないものを目指しています。何か得られるものがある作品は心に残っていくものですが、それは技術では表現できないもの。さまざまなアート作品を見るたびに、そのアーティストの脳内を覗いているような気持ちになります。その人の今まで生きてきた道があっての思考から生まれるアートは、その人にしか生み出せない。私にも私にしか出せない表現があり、それが誰かの記憶に続くものになれたらとても嬉しいです」。

「"コーヒー"を注いでいる部分は、理容室のくるくる回転するサインポールをヒントにしました」。

「ライティング撮影で、幻想的な"月"を表現」。

Q. 刺繍をするのに好きなモチーフは?

五感を刺激する 食べ物のモチーフ
「心で五感を感じて味や食感をイメージすることができるフードアートは、とても創造的だと思います。花や景色と同じように、食べ物もとても美しいと感じています。口に入れたら一瞬でなくなって体の一部になっていく、そんな芸術的な哀愁にも惹かれます」。

「縫い進め方を変化させて、よりリアルになった"苺"」。

「撮影中に生まれた"ラーメン"は、初めての立体作品。お腹がすいていたのか、余っていた糸くずが麺に見えてきて…」。

Q. 撮影する際のこだわりは?

作品がもっとも輝く瞬間を撮る
「光が当たる位置によって作品の見え方が大きく変わるので、ライティングに一番こだわって何パターンもさまざまな角度から撮影します。そして大切にしているのは、やはり自分の感覚。何か心にくるものを感じられるまで、撮影を続けます。作品を一番知っているのは私なので、作品がもっとも輝く瞬間を撮影してあげたいと日々思っています」。

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GENIC VOL.56 【私が創り出す、ときめきの世界】
Edit:Satoko Takeda

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