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「ヴィム・ヴェンダースの透明なまなざし / Wim Wenders’s Lucid Gaze」が東京 中目黒で開催

ヴィム・ヴェンダース「ユニゾン」1991、紙、HDプリント 36.4×51.5 cm ©️Wim Wenders/Kazutomo

ヴェネツィア国際映画祭やカンヌ国際映画祭での受賞など、国際的に活躍する映画監督ヴィム・ヴェンダースの最新作「PERFECT DAYS」の公開に合わせ、「ヴィム・ヴェンダースの透明なまなざし / Wim Wenders’s Lucid Gaze」が東京 中目黒のN&A Art SITEで2024年2月1日(木)~3月2日(土)に開催。30年の時をこえた作品が展示されます。
ドキュメンタリー「ヴィム・ヴェンダース イン 東京」の展示会場での上映、東京都写真美術館での「夢の涯てまでも ディレクターズカット 4Kレストア版」上映など関連イベント情報も。

  • 開催期間:2024.2.1 ~ 2024.3.2

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ヴィム・ヴェンダース(Wim Wenders)プロフィール

©️ Peter Lindbergh

ヴィム・ヴェンダース WEB

1945年ドイツ・デュッセルドルフ生まれ。ミュンヘン大学で映像制作を学び、1967年から映画監督としての活動を開始する。長編映画デビュー作『ゴールキーパーの不安』(1971)で第32回ヴェネツィア国際映画祭国際映画批評家連盟賞を受賞。その後も『ことの次第』(1982)でヴェネツィア国際映画祭金獅子賞、『パリ、テキサス』(1984)でカンヌ国際映画祭パルム・ドール、『ベルリン・天使の詩』(1987)でカンヌ国際映画祭監督賞、『ミリオンダラー・ホテル』(2000)でベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞と、国際的な活躍を続ける。大の親日家でもあり、1985年には、小津安二郎監督へのオマージュ作品『東京画』を製作。最新作『PERFECT DAYS』(2023)では、主演を務めた役所広司がカンヌ国際映画祭最優秀男優賞を受賞し、国内外から注目を集めている。
写真家としても、ポンピドゥーセンターでの『Written in the west』展(1983)を皮切りに、ビルバオ・グッゲンハイム美術館(2002 スペイン)、上海美術館(2004 中国)など、世界各地の美術館で展覧会を開催。2022年には第33回高松宮殿下記念世界文化賞(演劇・映像部門)を受賞。

ドイツを代表する映画監督ヴィム・ヴェンダースの写真家としての一面

ヴィム・ヴェンダース「Evening, Near Santa Fe, New Mexico」1983、31×37 cm

ヴィム・ヴェンダース「Sun dries, Las Vegas, New Mexico」1983、紙、ダイトランスファープリント、31×37cm

現代ドイツを代表する映画監督であり、写真家でもあるヴィム・ヴェンダース。本展では、本人が「究極のロードムービー」と称する『夢の涯てまでも』(1991)のクライマックスシーンから生み出された、鮮烈な色彩の電子絵画作品「Electronic Paintings」(1991)に加え、『パリ、テキサス』ロケ時にヴェンダースが撮影し、写真家としての才能を知らしめたアメリカ中西部の風景写真「Written in the west」(1983)シリーズが展示されます。
本展は、「恵比寿映像祭 2024『月へ行く 30 の方法/30 Ways to Go to the Moon』の地域連携プログラムです。

『夢の涯てまでも ディレクターズカット 4Kレストア版』© Wim Wenders Stiftung 2015

NHK編集室で「夢のシークエンス」を制作するヴィム・ヴェンダースとショーン・ノートン 1991 撮影:御影雅良

映画『夢の涯てまでも』のシーンで、主人公の盲目の母親は、最新鋭の機械を通して、主人公が世界中を旅しながら撮影したイメージを脳内で「見る」ことになります。そのクライマックスとなるシーンは、1990~91年に東京のNHK編集室において、当時の最先端映像技術であったハイビジョン(Hi-Vision)で制作され、ヴェンダースによって「夢のシークエンス」と名付けられました。ヴェンダースは制作の過程で、8ミリフィルム、16ミリフィルム、ビデオ画像、写真、ドローイングなどのアナログデータをデジタルデータに変換したときに、見た事もない絵のような幻影を偶然発見します。これらのイメージに主演俳優らの写真を撮影・合成し、鮮烈な視覚表現を作り上げました。その「動く絵画」の中からヴェンダース自身が静止画像を取り出し、画像・色彩を操作しながら、当時最先端の印刷技術で高精細に出力した作品シリーズは「Electronic Paintings」と名付けられました。

ヴェンダースは「我々が行ったのは、ひとつの画像(フレーム)を構成している何百万という画素(ピクセル)の電子媒体を、自由に解き放してみようという試みだった。もし画家と同じように、自らの自然と湧き上がる意思で、絵筆やチョーク、絵具を使うように電子媒体をコントロールした場合どうなるかという実験だった。」と書いています。会場で同時に展示する本映画制作当時の貴重なドキュメントからは、当時の画期的な制作の様子や時代背景を窺うことができます。

さらに本展では、映画『パリ、テキサス』撮影時の⽶国ロケハンでヴェンダースが撮影したアメリカ中西部の風景写真「Written in the west」シリーズを展示します。アメリカ中西部の荒涼とした砂漠に点在する、人々に忘れ去られたような商業施設、澄み切った空には、ヴェンダースが捉えた「世界の涯て」が映し出されています。

今回、映画『夢の涯てまでも』のアソシエイト・プロデューサー御影雅良がコレクションし、30年以上保管していたヴェンダースの署名入り「Electronic Paintings」(A/Pポートフォリオ)及び、「Written in the west」シリーズから出展が可能となりました。

ヴィム・ヴェンダースの透明なまなざしは、映画の制作時から30年以上を経た現代社会において、テクノロジーから生み出される表現とは何か、そして、これから歩む未来を生きるための新しい視点を提示してくれます。

ヴィム・ヴェンダース「少年」1991、紙、HD プリント 36.4×51.5cm ©️Wim Wenders/Kazutomo

「世の中、大いに変わったよね。あの頃は、僕たちが最初にハイデフィニション・デジタル・アートの出現をこの目で、あそこのNHK編集室で目撃したのだよ。覚えているだろう。」とヴィム・ヴェンダースは、私の問いかけ(そろそろ「Electronic Paintings」の展覧会をやらないか)にすぐに応えた。

2022年5月のある日のこと、新作映画『THE TOKYO TOILET』(現『PERFECT DAYS』)の制作発表会があり、ヴィムから連絡があって私たちは32年ぶりに再会した。ほぼ2時間に渡り旧交を日本酒で温めて、話は多岐に渡った。大きな場所でやるにはもっと考えないと、今のデジタルが当たり前な世代には「伝わらない」かも、という懸念が彼にはあった。しかし、まずは小さな空間で33年前の始まりの姿を観てもらう事に意味がある、と理解を示してくれた。私は、今回展示するヴィムの作品群は、日本で生まれたテクノロジーを使ってアートを作り上げた美術史に残る傑作だと思っている。

御影雅良(『夢の涯てまでも』アソシエイト・プロデューサー)

ヴィム・ヴェンダース「Billboard painter's studio, Glendale, California」 1983、紙、ダイトランスファープリント、31×37cm

「ヴィム・ヴェンダースの透明なまなざし / Wim Wenders’s Lucid Gaze」情報

開催日時

2024年2月1日(木)~3月2日(土)12:00~17:00
休業日:日、月、祝日
※本展は「恵比寿映像祭 2024『月へ行く 30 の方法/30 Ways to Go to the Moon』の地域連携プログラムです。

恵比寿映像祭2024 公式サイト

入場料

無料

会場

N&A Art SITE
〒153-0051 東京都目黒区上目黒1-11-6

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行き方・アクセス

<電車>東急東横線・東京メトロ日比谷線「中目黒駅」から徒歩で約5分

関連イベント

「夢の涯てまでも ディレクターズカット 4Kレストア版」上映

© Wim Wenders Stiftung 2015

「恵比寿映像祭2024『月へ行く30の方法/30 Ways to Go to the Moon』」地域連携プログラムの一環として、2月20日(火)から3月1日(金)(2月26日、2月29日を除く)、3月20日(水・祝)の計10日間、東京都写真美術館にて『夢の涯てまでも ディレクターズカット 4Kレストア版』を上映。

© Wim Wenders Stiftung 2015

上映期間

2024年2月20日(火)~3月20日(水・祝)
休映日:2月26日(月)、2月29日(木)、3月2日(土)~3月19日(火)
上映時間:12:50~17:50 ※2月22日(木)、2月23(金・祝)、3月1日(金)は15:50~20:50

料金

当日券(座席指定券)大人 2,200円 
※当日券は美術館開館と同時に、東京都写真美術館1F受付にて販売。各種割引及び前売券はありません。

会場

東京都写真美術館 1F ホール
〒153-0062 東京都目黒区三田1丁目13−3 恵比寿ガーデンプレイス内

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ドキュメンタリー「ヴィム・ヴェンダース イン 東京」上映

1990~91年に東京を訪れたヴェンダースが、NHK編集室において当時の最先端映像技術であったハイビジョン(Hi-Vision)を用いて制作した「夢のシークエンス」の制作ドキュメンタリーを「ヴィム・ヴェンダースの透明なまなざし / Wim Wenders’s Lucid Gaze」開催期間にN&A Art SITEにて上映。

上映時間

12時の開廊と同時に上映開始 (1時間3分毎にループ上映)  

「夢の涯てまでも ディレクターズカット 4Kレストア版」BIS ANS ENDE DER WELT - Director’s Cut

監督・脚本・原案:ヴィム・ヴェンダース
脚本:ピーター・ケアリー
原案:ソルヴェイグ・ドマルタン
撮影:ロビー・ミューラー
編集:ペーター・プルジゴッダ
録音:ジャン=ポール・ミュゲル
美術:ティエリー・フラマン
出演:ウィリアム・ハート、ソルヴェイグ・ドマルタン、サム・ニール、ジャンヌ・モロー、笠智衆
1994/ドイツ・フランス・オーストラリア/カラー/ヨーロピアン・ビスタ/287分

  • 【お問い合わせ先】
  • エヌ・アンド・エー株式会社
  • nanjo.com
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