【たいせつな人、たいせつな時間：４】加藤光

フォトグラファー 愛媛県出身。1児の母。10年前に中判フィルムカメラを使い始めたことがきっかけで本格的にカメラを始める。趣味で投稿していたインスタグラムが話題となり、フリーのフォトグラファーに転向。現在のフォロワー数は10万人を超える。企業の広告や海外観光局のPR撮影など、旅を切り取る撮影を中心に幅広く活躍。雑誌『Hanako』にて旅のページを連載中。
愛用カメラ：Sony α7 IV
愛用レンズ：NOKTON classic 40mm F1.4 S.C、FE 35mm F1.4 GM

「朝の光が娘の顔を照らして綺麗だったので、家事を中断してあわてて撮影した1枚。いつもは娘がいたずらするので近寄らない猫の小雨ちゃんが、寝ている娘には近寄ってきます。小雨ちゃんと久しぶりの2ショットが撮影出来ました」。

「猫の小雨ちゃんと暮らし始めたことと、娘を出産したことがきっかけで写真がこれまでより身近になった」という加藤さん。かつては仕事やプライベートで遠くに撮影しにいくことが多かったけれど、今は家の中で撮影することがメインになったそう。
「娘と愛猫の寝顔や、何気ない瞬間に見せてくれる表情が愛おしくて、愛おしくて、毎日飽きることなく撮り続けています。目まぐるしく過ぎ去る日々の中でふと写真を見返すと、ついこの前のことなのに忘れてしまっている”大切な瞬間”がたくさんあることに気がつくんです。娘の成長を実感したり、記憶の中にある愛おしい姿が鮮明に蘇ったり。何気ない毎日こそ大切にしたい。そんな思いで日々の娘を写真に残しています」。

「やっとお座りが出来るようになった娘。すぐに後ろに倒れて頭を打つので頭ごっつん防止に、お気に入りの猫のクッションリュックを背負って。まだ娘が動かなかったので、小雨ちゃんも安心して目の前で遊んでいて、後ろ姿がリンクしていた、今となっては貴重な写真」。

「娘が動き回る前まではマニュアルフォーカスレンズでしか撮影したことがなかったんですが、動くようになってからはピントを合わせるのが難しくて、Sonyの純正レンズを購入しました。とろけるようなボケ感で、立体的に撮影出来るのがお気に入りで愛用しています。こどもや猫って、自分の思い通りの所に立ってくれませんし、突然シャッターチャンスがくるんです。だから今は家ではレンズカバーを外した状態で常に近くに置いています。“心が動いた瞬間”をすぐに切り取れるように」。

「旅先ではホテルの鏡越しに2ショット写真を撮るのが定番。わたしは撮影することが多く、娘との2ショット写真がほとんどないので記念に撮影しています。どんどん大きくなる娘を片手に、もう片方の手でマニュアルレンズのピントを合わせて撮影するのが厳しくなってきました。ずっと撮り続けている構図の写真なので、見返すと娘の成長がよくわかります」。

「旅行中に急に歩くようになった娘。ひとりで行きたい所へ行ける喜びで、嬉しそうにお花を摘んで歩いていましたが、たまたま転ぶ瞬間が撮れました。ルンルンとスキップをしてるような、変な格好になっているのがお気に入り（笑）」。

「産まれたばかりのころからお散歩で植物にたくさん触れてきたからか、お花が大好きな娘。この日もお花を真剣に研究していました。西日が綺麗にさした、夢中になっている横顔がお気に入り」。

「初めて浮き輪をつけて、ひとりで湯船に入ったので記念に撮影。水面からぷっかり出ているむちむちな足と、しっかり浮き輪を握りしめている手が可愛い１枚」。

「毎日毎日ずーっと一緒にいた娘。保育園に入ったら、平日にふたりでランチすることもなくなるのかと急に思い、名残惜しくなって。ふたりでランチする時間が大好きでした」。

GENIC vol.65 たいせつな人、たいせつな時間
Edit：Izumi Hashimoto