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【独自の作風で素肌を表現 This is My World:8】アマザキヒナ

自分なりのテーマを持って「素肌」を撮影するフォトグラファーたち。どんな経緯で、どんなものに惹かれ、自らの表現に辿り着いたのか?たくさんの想いをのせて作品を創り上げる、彼らの「マイワールド」へ足を踏み入れてみて。
8人目は、生命力あふれるヌードを激写する若手写真家、アマザキヒナさんです。

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アマザキヒナ

写真家 2001年生まれ、大阪府出身。2020年から展示活動を始め、様々なグループ展に参加。オフライン写真コミュニティ「PiXCypher」運営。写真にまつわるイベント「梅田アートウォーク」や「千扇PHOTOMEET」を主催した。2022年1月には、初となる個展「ゆれる鼓動」を開催。
愛用カメラ:FUJIFILM X-T3
愛用レンズ:XF27mmF2.8 R WR

美しくて、暖かくてあたたかくて、少し恐ろしい“混じり合う肌と白”

「女性たちが横並びに寝ているのですが、身体の特徴が様々で素敵だと思って」。

肌にクローズアップして撮影する理由は、毛や肌のキメの質感に生命力を感じるから

美術系の高校へ進学し、しばらくは自分の世界にこもって人物の絵画や彫刻をよく作っていたと話すアマザキさん。
「当時の先生から『何にでも興味を持たないとつまらない大人になっちゃうよ。もっと他人と関わって踏み込む勇気を持ったほうがいい。』と言われたことがきっかけで、人を撮ってみたいという想いから写真部に入り、写真に真剣に取り組むようになりました。今では、人の肌にクローズアップして撮影することが多いのですが、植物や動物を撮るときも同じで、毛や肌のキメの質感に生命力を感じるんです」。

「女性たちがぐるぐると歩きまわっている姿を、スローシャッターを使用し、肌色と白色の境界線が曖昧になるように撮影しました」。

「ガラスの前ボケと後ろに並んでいる女性たちが対比になっているところが構図のこだわり」。

誰かに消費されるヌードではなく、誰かの心に寄り添うためのヌードを撮影していきたい

「今回の写真は、今までしたことがなかった複数人の撮影に挑戦した作品。顔も体も性格も肌の色も人それぞれ違う、だけど同じ模様のペイントをしているという5人の女性を撮影しているうちに、私の目には1つの大きな生き物のように見えて、自分が捕食されそうな気がして。白く流れる線と重なり合った肌を見ていると、美しくて、あたたかくて、少し恐ろしくも感じました」。
そんなアマザキさんが人物を撮っていて喜びを感じるときは?
「被写体になってくれた方が私の写真を見て『自分を好きになれた』と言ってくれたとき。自身も含めルッキズムに縛られている人はたくさんいるんですが、私が撮影した写真のおかげで苦しみが少しでも軽減されるならとても喜ばしいことだと感じます。これからも、誰かに消費されるヌードではなく、誰かの心に寄り添うためのヌードを撮影していきたいと思っています」。

「女性2人が寄り添った1枚は、偶然剥がれたペイントが肩と肩を繋ぎ、皮膚のような質感で面白かったので思わずシャッターを切りました」。

Information

Zine『ゆれる鼓動』

出典: amazakihina.stores.jp

『胎内に還りたい』という感情から生まれた、子宮にいた頃に想いを馳せた作品群。78ページフルカラー。AM H STOREにて販売中。価格:¥3,000(税込)

アマザキヒナ Instagram
アマザキヒナ Twitter

GENIC vol.62【独自の作風で素肌を表現 This is My World】
Edit:Yoko Tadano

GENIC vol.62

テーマは「素肌と素顔を写す」。
人の美しさを大切に写しとった「素肌」と「素顔」の世界をお届けします。「性」ではなく「生」を感じる、神秘的で美しい森に迷い込んでしまったような写真たちと、そこにある撮り手の想いに迫ります。

GENIC公式オンラインショップ
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