JURI
モデル、会社員 神奈川県出身。3年前より被写体としての活動を始める。企業広告やアーティストのMV出演、鯨井あめ著 『晴れ、時々くらげを呼ぶ』(講談社)の表紙モデルの他、『なんでもない日常に物語を CURBON写真の教室』(インプレス)、Nikon WEBメディア『NICO STOP』、Oppo WEBメディア『Oppo Cafe』などのモデルも務める。
ポートレートモデルとしての表現
「衣装は決まっていたものの、どんな雰囲気の写真にするのかは事前に決められていなかったので、当日撮影しながら徐々に2人でイメージを固めていきました。増田さんとは何度か撮影していて、この日の撮影もお菓子を食べたり、雑談をしたりしながらのんびりと撮影を楽しみました」。
被写体になることで新しい自分に出会えました
ポートレートモデルを始めたきっかけは失恋だというJURIさん。
「かなり落ち込んでいたのですが、あるとき“もういいや、ひとりで自由になったし、やりたいことをとことんやろう”と吹っ切れたんです。もともと踊ったり歌ったり演技したり人前で表現することが好きだったので、自分を表現する活動に色々と挑戦し始めたのですが、その1つの活動が被写体になることでした。ポートレートモデルは、過去の嫌な思い出はもちろん、いろんな経験を表現に変えてプラスにできるのが魅力です。さまざまな価値観を持った人と出会ったり、つながりができたり、自分の知らなかった自分に出会うことができました」。
目指す世界を一緒に創るために事前共有は大事
「普段自分の家でくつろいでいるような日常のイメージで、と伝えられて。衣装は夏の部屋着っぽいシンプルなものを自分で用意しました。ヘアメイクも普段のナチュラルメイクで仕上げています」。
JURIさんへ質問
Q1.被写体として気を付けていることや、意識していることは?
「体調とコンディションが良い状態で撮影日を迎えられるように気を付けています。撮影前日に夜更かしをしない、お酒を飲まない、スキンケアを丁寧にするなどです。礼儀とマナーの部分も意識しています。報酬をいただく場合の撮影も、そうでない場合も信頼関係の上に成り立っていると思うので、時間を守る、連絡を返す、約束を守るといったところは徹底して行うようにしています」。
Q2.フォトグラファーがこうしてくれるとやりやすいということは?
「どんな作風の写真を撮りたいのかを、事前に教えていただけると挑みやすいです。私は、被写体=フォトグラファーの表現したい世界を創る演者、という風に感じていて、目指す世界を表現するにはどうしたらいいか?ということを考えながら、動きや表情を作っています。撮影日までにそれを踏まえてイメージを膨らませたいので、事前の共有はとても大切だと思っています。あとは、どんな風に写っているのか不安な気持ちがあるので、撮影の際は“すごくいいよ!”など前向きな声がけをしてもらえると嬉しいです」。
「服装は事前にいくつか写真を送って決めました。街を散歩しながらいくつかのポイントで撮影するラフな雰囲気でした。自分の笑顔に自信がなく、笑った写真を撮られることが苦手だったのですが、とても自然で楽しそうな笑顔で、客観的にいい顔の写真だなと思いました」。
Q3.困るオーダーは?
「今までとくに困ったことはないのですが、例えば何も指示がなく、ただただポーズを変えて写らなければならないという状態は困るだろうと思います。あとは、依頼いただくときに“撮らせて欲しいです!”“モデルになってもらえませんか?”だけよりは、熱意のあるメッセージがあると嬉しいです」。
Q4.ギャランティは?
「作品撮りに関しては基本相互無償で受けていますが、カメラマンの厚意で謝礼や交通費をいただく場合もあります。飲食代や小道具代なども、その都度相談しながら決めることが多いです」。
「自宅で撮影させて欲しいというオーダーで、服装に関しても普段着用している部屋着でした。ヘアメイクもいつも通りのナチュラルな感じでと事前に打合せ。自宅で撮影をしていたときに、『ちょうど夕日がきれいだろうから、ちょっと外でも撮ろうか』と提案いただいて撮影した写真です」。
GENIC VOL.59 【あの人の表現に近づく! ポートレート撮影Q&A】
Edit: izumi hashimoto
GENIC VOL.59
特集は「だから、人を撮る」。
最も身近にして最も難しい、変化する被写体「人」。撮り手と被写体の化学反応が、思ってもないシーンを生み出し、二度と撮れないそのときだけの一枚になる。かけがえのない一瞬を切り取るからこそ、“人"を撮った写真には、たくさんの想いが詰まっています。泣けて、笑えて、共感できる、たくさんの物語に出会ってください。普段、人を撮らない人も必ず人を撮りたくなる、人を撮る魅力に気づく、そんな特集を32ページ増でお届けします。