【表現者が撮る東京 #14】@i_dauyu

GENIC編集部

様々な分野で活躍中の写真を愛する表現者たちが捉えた“東京”をクローズアップ。
#14では、赤い傘とミニマルを好み、雨の日を撮り続ける、i_dauyuさんの伝えたい東京、そして東京への想いに迫ります。

i_dauyu

i_dauyu 1997年生まれ、埼玉県出身。慶応義塾大学在学中に、サークル仲間の影響で写真に興味を持ち、iPhone撮影に没頭。2017年12月より、祖父から譲り受けた一眼レフカメラで撮影するようになり、カメラ歴は約3年。Instagram、Twitterへ積極的に作品を発表しながら、撮影依頼にも応じている。

❝雨が似合う東京❞

札の辻交差点付近で撮った写真。「東京タワーの存在感や車の往来などを入れつつ、一人の通行人が強調されるようなタイミングで撮れているところが気に入っています」。

「深く考えずに撮ったものですが、見返していたときに傘の黄色いドット柄と地面の点字ブロックがリンクしていることに気づき、すぐさまLightroom で現像。結果的に思い入れの深い写真に」。

❝雑踏から"ミニマル"を探す…それは東京を舞台に宝探しをしているような感覚❞

東京に住んだことはないものの、中学から都内の学校に通い、思い出や愛着のある場所ばかりだというi_dauyuさん。
「自分の中の東京は人が多く、とにかくごちゃごちゃしたイメージ。そんな中に埋もれるようにひっそりとシンプルでミニマルな瞬間や場所が隠れていることに惹かれます。
看板やネオン、電信柱など視覚情報で覆いつくされているところが被写体としての魅力ですね。 そういう部分ばかりだからこそ、シンプルな部分を見つけたくなる。まるで東京を舞台にした宝探しのような感覚です」。

「田町駅周辺に黒の縦線の入った白壁や四角いタイルで舗装された通りがあり、いい傘が来るのを待っていたら、偶然にもすぐ、壁とリンクした模様の傘を持った人が現れ、思わずシャッターを切りました。東京のごちゃごちゃの中から見つけられたミニマルな瞬間です」。

お気に入りの撮影スポットは週3、4ペースで通学していた田町駅周辺。
「札の辻交差点あたりから見る東京タワーがすごく好きです。はっきりと全貌が見えるわけではないのに、しっかりと存在感があるのがいい。また、夕暮れ時になると大勢のサラリーマンや学生が帰っていき、歩道橋の真下ではたくさんの車の往来があり、その後ろを田町-品川間を行き来する電車たちがすごい音を立てて過ぎ去っていく。ここに来るたびに東京が凝縮された場所のように感じます」。

雨と光が混ざり合い、美しい瞬間が生まれる

「田町で大理石風の縁石とオレンジ色の強い街灯の光を見つけて、雨と光の組み合わせを狙ったところ、水滴に街灯の光が映って、雨と光の相性の良さを表す一枚に」。

「2019年4月30日、平成が終わる日でした。人出がかなり多く、傘がスクランブル交差点に密集している様子が東京ならではな感じがした覚えがあります」。

そんなi_dauyuさんが雨の日の東京を撮り続ける理由とは?
「雨によって見慣れた景色に彩りや輝きが増し、その場所の魅力を再発見することができるからです。色とりどりの傘で溢れた交差点、雨に溶けだした街の光や濡れた窓越しに見る街並み。東京が雨に濡れることによって美しいと感じる瞬間を、写真で表せたらと思います」。

「雪の予報の日、学校終わりにワクワクしながら渋谷へ。たまたまスクランブル交差点を見下ろせる展望スポットにいて、雨交じりの雪が積もった窓越しに撮った一枚。数枚しか撮れず、ピントも合っていませんが、そのおかげで雪に渋谷の街が溶けていくような感じがより出たかなと」。

赤い傘はi_dauyuさんの写真のアイコンのひとつ。「池袋で高い建物から横断歩道を見下ろせる場所を見つけたので、構図を決め、赤い傘を持った人がいい点に来るのを待って撮影」。

i_dauyu Twitter
i_dauyu Instagram

GENIC VOL.55【表現者が撮る東京】
Edit:Yuka Higuchi

GENIC VOL.55

テーマは「TOKYO and ME 表現者が撮る東京」

Amazonへ

おすすめ記事

【表現者が撮る東京 #1】龍崎翔子(ホテルプロデューサー)

【写真を通して伝えたいこと #1】市川渚(クリエイティブ・コンサルタント)

前の記事