藤代冥砂の写真集「高雄物語」発売記念 写真展が東京 神保町で開催中。ざらざらとした風景と湿度のあるヌードが混ざり合いつつ、スタイリッシュな仕上がりに。

2014、2016、2017年に台湾南部の都市高雄で主に撮影されたもので構成された「高雄物語」。

“撮って出しだけが新作の条件でもないのだけど、「高雄物語」の女の子たちには、いいタイミングかなと思った。私の写真は時代とくっついてないらしく、古くも新しくもない。ただ、ある。写真はそれでいいと20代の早くから気づいていて、自分の撮りたいものを文脈とか現代美術だとかに付き合わずにやろうと決めていた。だから、これからもただの写真をやると思う。それしかできないしね。作業着を持っていない職人みたいなところはあるけれど、職人でもない。門外漢がまあまあうまく撮ってるなといったところだと思う。最近はヌードを撮っていない。いつか撮るかもしれないし、わからないが、この「高雄物語」が出せたので、まあいいかと思っている。「高雄物語」は、小さくてカラフルで軽い本だ。中身も軽い。多くの人に見てもらえたら嬉しいです。”

── 藤代冥砂（Instagramより引用）

「藤代のカメラ前に立つモデルの女性たちは、全体的に快活で、しっかりとした目的意思が感じられた。彼女たちは、日本人のモデルとは少し違っていて、素朴な生命力に満ちているように藤代には映っていた。元々、どんな現場でも出たとこ勝負な撮影をする藤代だが、高雄での撮影も、ロケ地やモデルも含め、初見でどんどん撮っていった。それは台湾の、高雄の街が持つ、熱量への反応でもあった。」

（写真集「高雄物語」紹介文より引用）

2024年3月29日（土）～5月12日（日）12:00～18:00
休廊日: 月・火

無料

SUPER LABO STORE TOKYO
〒101-0064 東京都千代田区神田猿楽町 1-4-11

＜電車＞
東京メトロ半蔵門線、都営地下鉄新宿線・三田線「神保町駅」A5出口から徒歩で5分
JR「水道橋駅」東口から徒歩で8分

若い頃から約60か国を旅した脚力と好奇心は、いつしか他者と独特の異邦人的な距離感を育み、90年代の豊かなファッション写真を通過したことで、日本のヌード写真文脈とは異なる速度と軽やかさを得ています。
本作は造本やレイアウト、色彩に至るまで、紙の本として魅力的な仕上がりに。「写真は、出来るなら小さくレイアウトしたい」というのが藤代冥砂の第一の希望であり、それは写真をただ自動的に立派に見せようとするのではなく、今回は上等な消費物に留めたいという感覚があります。結果、亜熱帯の風土からも、ヌードからも、少しずれたユニークな一冊に仕上がりました。