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大橋愛の写真集「umbilical cord」の発売記念写真展が、BOOK AND SONSで開催。生死について「見たい」という目の欲望に、素直に応える形で描く

大橋愛の写真集「umbilical cord」の発売を記念した写真展が、東京 目黒のBOOK AND SONSで2025年3月6日(木)〜3月25日(火)に開催。会期中、ワークショップや、インディペンデント・キュレーター 菊田樹子とのトークイベントも予定。

  • 開催期間:2025.3.6 ~ 2025.3.25

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目次

プロフィール

大橋愛

1974年、神奈川県生まれ。
1995年、東京綜合写真専門学校卒業。主な個展に「お裁縫箱」 (2023年、KANZAN gallery、東京)「arche」(2019年、POETIC SCAPE、東京)、「イヤーンの村」(2014年、銀座フォト・プロムナード、東京)、「piece」(2013年、FOIL GALLERY、京都/hpgrp GALLERY 、東京)、「UNCHAINED」(2008年、FOIL GALLERY、東京)など。写真集に『arche』(2019年、poetic scape)、『piece』(2013年、 FOIL)、『UNCHAINED』(2008年、FOIL)、『Longe daqui』(2004年、新風舎)がある。

作品の一部と解説

掌に収まるほどの写真集だが、開けばそこに広がる世界は壮大かつ深遠だ。3億年前から積み重なる地層、高い塩分濃度のために魚も生息できない湖、解体された猪の内臓、赤い布の上の今にも泣き出しそうな嬰児―大橋愛が、多岐にわたる場所で10年の歳月をかけて撮り下ろした119枚の写真。付されたタイトルは「へその緒(umbilical cord)」という。

「気になるものを撮り集めておく」※1ことから始まったこのシリーズは、近年の大橋の関心が「命」へと向けられてきたことを顕にした。「死の縁から生を、生のそばから死を覗く」※2試みである「piece」から12年。生死について、写真家の思考はより深められ、さらに言語化や可視化が難しい領域に分け入ったようだ。

しかし、作品は難解になるのではなく、むしろ見る者に開かれたものになった。これまで数多の表現者が扱ってきたこの普遍的なテーマを、大橋は重々しく語るのではなく、「見たい」という目の欲望に素直に応える形で描こうとしている。昆虫の羽を透過する光や瑞々しい水滴、または亜鉛の結晶と桜が類似形である不思議も、その欲望の強さを反映するかのように視覚にダイレクトに訴えかける。単眼的になりがちな物語化、説明的な記録になることも、写真家は慎重に避けた。起承転結はなく、どのページからスタートしても成立するほど全ての写真は等価であり、スマホでスクロールしていくような気軽さで頁を捲ることができるよう造本されている。繰り返されるモチーフ、形や色。どこかで見た風景のようにも思える。走馬灯のように現れては消えていく一見ばらばらなイメージは、しかし、さまざまに連鎖している。東京を照らす日差しも、9100km離れた地層に降り注ぐ陽光も、その光源は一つなのだ。

さらに言えば、これは単純な生命讃歌ではなく、命を持つことの怖さもまた浮き彫りにしている。自分の命を輝かせるためには別の命を奪い、食さなければならないという事実に納得できる答えはあるのだろうか。そもそも誰もが生まれてきたいという意志の元に、生まれてきた訳ではない。いわば与えられてしまった命を大切にしなくてはならない理由というものに、腑に落ちる説明は可能なのだろうか。

この作品は、こうした問いに正答を示すものではない。しかし、大橋が長きにわたり、海をも越えて懸命に掴み取ってきた写真が生み出すレゾナンスは、生命が誕生した遥か昔から、気が遠くなるほど繰り返されてきた「生まれる」という奇跡の連なりに、私たち誰もが繋がっていることを静かに伝えている。「へその緒」を断たれた時、私たちは目に見える唯一の絆を失い、不確かな時空に放り出される。存在の有無さえ曖昧な繋がりをたぐり寄せながら、「命」の連鎖の中に自らを位置付けていくことこそ、生の肯定に他ならないのだ。

インディペンデント・キュレーター 菊田樹子
※1 大橋愛との会話より
※2 『piece』(フォイル/2013年)プレスリリースより

イベント情報

『自分の匂いを知る』

スタイリスト 阿部澄江と、調香担当 つうによるPAVOの二人を迎え、自分自身を「香り」という視点から見つめ直すワークショップを開催。自分だけの「life」アロマスプレーが作れます。

開催日時

2025年3月16日(日)
一部:14:00~14:40/二部:16:00~16:40

会場

BOOK AND SONS
東京都目黒区鷹番2-13-3キャトル鷹番

参加料金

4,400円(税込)

定員

各回6名 
※オンラインストアより要予約

『自分の匂いを知る』 ご予約はこちら

大橋愛×菊田樹子トークイベント

写真家 大橋愛と、インディペンデント・キュレーター菊田樹子によるトークイベントを開催。

開催日時

2025年3月22日(土)16:00〜17:00
※15:30開場

会場

BOOK AND SONS 1F
東京都目黒区鷹番2-13-3キャトル鷹番

参加料金

無料

定員

15名 
※オンラインストアより要予約

大橋愛×菊田樹子トークイベント ご予約はこちら

大橋愛 写真展「umbilical cord」情報

開催日時

2025年3月6日(木)〜3月25日(火)12:00〜19:00
水曜定休
※本展には一部、性的な表現を含む作品が展示されています。入場に際して、事前にご了承ください。

入場料

無料

会場

BOOK AND SONS

BOOK AND SONS

  • 〒152-0004 東京都目黒区鷹番2-13-3 キャトル鷹番
  • Google Map

行き方・アクセス

<電車>
東急東横線「学芸大学駅」から徒歩で3分

大橋愛 写真集「umbilical cord」情報

発行年:2025年
価格:3,850円(税込)
サイズ:H105mm x W148mm x D12mm
製本:ツインリング製本 132ページ
備考:限定300部
出版社:Self Published

大橋愛 写真集「umbilical cord」の詳細はこちら

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