相沢 亮
フォトグラファー 埼玉県出身。早稲田大学大学院中退後、2017年にカメラに出逢い、2020年より東京を拠点にフリーランスフォトグラファーとして活動中。メーカーとのタイアップ記事、企業案件や広告撮影、雑誌への寄稿・執筆等、活動の幅を広げる。近年、地方創生や観光 PR に力を入れる。来春に単著出版予定。
愛用カメラ:Nikon Z 7Ⅱ
愛用レンズ:NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR / Z 50mm f/1.8 S
Magic hour 少しだけ、特別に変わる時間
心が少しでも傾いた瞬間を大切に、自分なりの視点で
「ドライブに行った明け方、お台場のビーチから撮影したレインボーブリッジです。ちょうど満月が沈む頃で、この日は空気が澄んで美しかったので、望遠寄りにして月の存在感を出しています」。
ドラマティックな風景写真が魅力的な相沢さん。昨年からは、空にフォーカスした写真をよく撮るように。
「あまり街中に出かけられなくなって、ふと空を見上げた時になんだか綺麗に感じたんです。月、雲、虹などは、日常の景色にアクセントを加えてくれると思います」。
撮影した写真はオールドテイストに仕上げることが多いのだそう。
「見た景色が強く思い出に残るような気がして。撮影の際は、人を撮る時にライティングするように、風景においてもその色味を引き出してくれる自然光を大事にしています」。
「色のグラデーションのバランスを見せたかった一枚。飛行機がアクセントに。街を象徴するタワーは撮りたくなる被写体です。これは東京タワーをあえて上だけ写すことで、ありきたりにならない構図を探りました」。
今、目の前の景色とは、一期一会。日記のように記録していきたい
相沢さんにとって、写真は日記のような存在。
「カメラはなるべく毎日持ち歩き、自分なりの視点で撮るようにしています。心が少しでも傾いた瞬間を大切にして、とにかく納得するまで写していますね。思い付いた時には、自分の写真を見ながら過去を振り返るということもやっています。10年経つとまた振り返り方が変わるんじゃないかと思うと、それも面白いですね」。
「仕事で大分へ行った際に、帰りの飛行機から撮影した夕焼け。空気が澄んでいて下に島が見え、非日常感と同時に、旅の終わりを感じられる一枚です」。
「去年の6月ごろの東京の風景。サイド光が差し込み、街の立体感が映画の一部のような美しさでした。カメラのファインダー内にグリッドを表示させることで、常に構図が安定するようにしています」。
GENIC VOL.60 【エモーショナルな日々】
GENIC VOL.60
特集は「とある私の日常写真」。
当たり前のようでかけがえがなく、同じ瞬間は二度とないからこそ留めておきたい日常を、表現者たちはどう切り取るのか。フォトグラファーが、クリエイターが、私たちが、それぞれの視点で捉えた日常写真と表現、そしてその想いに迫ります。