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【写真家が撮る 愛しの我が子:5】川原崎宣喜

写真を撮ることを生業とする写真家が、もっとも近くにいる存在である「我が子」にカメラを向ける時。どんな衝動にかられ、どんな想いでシャッターを切るのか?まさに撮らずにはいられなかったその瞬間の写真を、7名の写真家に見せていただきました。
第5回は、写真家の川原崎宣喜さんです。

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川原崎宣喜

写真家 1992年生まれ、大阪府出身。関西学院大学教育学部臨床教育学科卒業後、2017年、スタジオ勤務、カメラマンアシスタントを経て独立。雑誌やWeb媒体を中心に幅広いジャンルの撮影を手がけている。
愛用カメラ:Leica M10、Contax T3
愛用レンズ:SUMMICRON-M F2.0/50mm

愛おしいから、撮る

「マタニティフォトを残しておきたいという妻のリクエストもあり、自分なりに撮ってみました。父親になることは嬉しいことでしたが、それよりもずっと強く責任感を感じました。そういう気持ちも表現できたらと思いながら、自宅の3階で、綺麗な光が入る午後に」。

「我が子が産まれた日、2時間だけ面会の時間。妻の隣に新しい別の命があることが、臍の緒一本で命が続いていたことが、当たり前だけどとても不思議だなぁと思っていました。普段は同じシチュエーションで何枚もシャッターを切らないですが、ドキドキ、そわそわした気持ちで35mmを一本分撮影していました。"写真は全て今しかない"よく聞くセリフだしわかっていることですが、それをひしひしと感じながら」。

偶然性のある写真にたくさん出会えることが我が子を撮る魅力

「愛おしいから撮る。仕事以外で人を撮りたくなる理由はいつも同じかなと思います。まだまだ小さい子供ですから、思うようにコントロールできません。その分偶然性のある写真にたくさん出会えることが我が子を撮る魅力かもしれません。私は妻と母を撮り続けていますが、今の息子はそれよりももう一歩分くらい近い距離感で撮っている気がします。ただこれから成長していくとともに、その距離は少しずつ少しずつ離れていくのだと思います。息子と自分の写真、ともにこれから先の変化が楽しみです」。

川原崎宣喜 Instagram

GENIC vol.66【写真家が撮る 愛しの我が子】
Edit:Megumi Toyosawa

GENIC vol.66

GENIC4月号のテーマは「撮らずにはいられない」。
撮らずにはいられないものがある。なぜ? 答えはきっと単純。それが好きで好きで好きだから。“好き”という気持ちは、あたたかくて、美しくて、力強い。だからその写真は、誰かのことも前向きにできるパワーを持っています。こぼれる愛を大切に、自分らしい表現を。

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