小見山峻
写真家 1988年生まれ、神奈川県出身。「現実の出来事に対する視点を記録する」という写真の本質を突き詰め、コンピューターによる合成加工などに頼ることなく、グラフィカルな世界を建築する。
愛用カメラ:Nikon FM2、Nikon F100、Konica 現場監督HG
愛用レンズ:Voigtlander NOKTON 58mm F1.4 SLII N、Voigtlander ULTRON 40mm F2 Aspherical SL II S
Q.作家活動において自身を突き動かすものは何ですか?
A.“何かを遺したい”という気持ち
14歳の時に観た、 円山応挙の水墨画に衝撃を受けた
「作家活動において僕を突き動かすものはとてもシンプルで、それは“何かを遺したい”という気持ちです。それこそが写真の根源だとも思っています。その上で、観て聞いて感じてきた、ありとあらゆるものが今の活動に影響していて、中でも14歳の時に展覧会で観た、江戸時代中期から後期にかけて活躍した絵師・円山応挙の水墨画は、特に強烈に残っています。余白や空間内のリズムが自分にとって非常に衝撃で、まだ何の知識もない頃でしたが、食い入るように観ていたのを憶えています。また、ポップアートを代表する画家・リキテンスタインはじめ、フラットなアート作品がとても好きで、それらの影響もかなり自分の写真に強く表れていると自覚しています。その上で、2019年に京都のアートスペース『haku kyoto』で行った展示、『機械仕掛けの眼差し』は、僕にとって一番のターニングポイント。映像作家である中村壮志さんとの二人展で、ただいい写真を撮るということだけではなく、アートとして写真をどう昇華させていくのかを考えるきっかけになりました」。
ロイ・リキテンスタインをはじめ、フラットなアート作品が好き
小見山さんが作家活動において大切にしているのは、何よりもまず、“自分が楽しむ”ということ。
「自分すら楽しませられないものが、他の誰かを楽しませることはできないと考えています。もちろん、制作の過程には大変なこともたくさんありますが、それらすべてをひっくるめて、自分が楽しめるものを進めていく。楽しめないものを無理してやらないことですね」。
観て聞いて感じてきたあらゆるものが今の活動に影響している
GENIC vol.67【撮影と表現のQ&A】小見山峻/Q.作家活動において自身を突き動かすものは何ですか?
Edit:Chikako Kawamoto
GENIC vol.67
7月号の特集は「知ることは次の扉を開くこと ~撮影と表現のQ&A~」 。表現において、“感覚” は大切。“自己流” も大切。でも「知る」ことは、前に進むためにすごく重要です。これまで知らずにいたことに目を向けて、“なんとなく”で過ぎてきた日々に終止符を打って。インプットから始まる、次の世界へ!
GENIC初のQ&A特集、写真家と表現者が答える81問、完全保存版です。