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プロフィール

横山創大
フォトグラファー 1988年生まれ、広島県出身。都内スタジオ勤務を経て横浪修氏に師事し、2017年に独立。雑誌、カタログ、広告などで幅広く活動中。2024年に写真集『REMIND』を刊行。
愛用カメラ:PENTAX 67
愛用レンズ:smc PENTAX67 90mm F2.8
Q. ポートレート撮影における、自分なりのこだわりは?
A. 「記録する」という意識で、客観的に撮る。
目の前の空間、目の前の人物をありのまま撮りたい。


「実家に帰るたび、庭先で両親を撮っています。上の写真を撮った1~2年後に、下を撮りました。繰り返すことで時間の存在がより可視化され、写真の面白さを改めて感じています」。
「写真=記録という考えが、まず、僕の中にあります。だから、ポートレートを撮ることも、僕にとっては記録を残す作業。誰かの内面を写したいというわけではなく、その人のありのままを撮りたい。そこに僕の主観は必要ないので、冷静にニュートラルな気持ちで撮ります。もちろん、仕事ではさまざまな現場があるので場合によりますが、被写体に対してあまり下調べはしないです。先入観を持たず、目の前の空間、目の前の人物を撮りたいと思っています。家族や友人などに対しても、客観的に、俯瞰で眺めているような感覚でシャッターを切ります。どんな相手に対しても、適切な距離を置くことを心掛けています。その結果、相手も自分も無になった瞬間を切り取ることができれば、その時のそのままを写した記録になる。そこに写真の原点というか、面白さを感じます。僕にとって写真は、時間への抵抗手段であり、日々の出来事や出会ったものを忘れないために記録し、保存する家族のアルバムのようなものかもしれません。何年か後にその一枚を見返した時、撮った僕自身も撮られた相手も、こんな時があったと懐かしむことができたらいいと思って撮っています」。
写真とは、失われていく時間を保存し、記憶を呼び覚ます装置のようなもの。




「同級生に子供が生まれたことをきっかけに、同じ子供のポートレートを毎年撮るプロジェクトをやっています。今のところ60人くらいを撮影」。




「地元が同じ友達と、上京して2年くらい一緒に住んでいました。4人の共同生活の写真を、当時よく聴いていたTHE BLUE HEARTSの『チューインガムをかみながら』の曲名をタイトルにしてブックにまとめ、師匠の横浪さんにアシスタントの面接の際、見てもらいました」。
GENIC vol.73【Portrait Q&A】Q. ポートレート撮影における、自分なりのこだわりは?
Edit:Satoko Takeda
GENIC vol.73

2025年1月号の特集は「Portrait Q&A」。ポートレートの答えはここにある
人にカメラを向けるからこそ、迷いはなくしたい。自分の写真をちゃんと好きでいたい。そのためにどうするか?「答え」はここにあります。写真家や俳優、モデルなど41名が答えた、全45問のQ&A特集です。