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The New Face of Nikon Creators「私と写真」

NikonのZシリーズを愛用し、写真活動を行っている若手のNikon Creators。好きなことや自分の表現を追い求める彼らは、Zを相棒にどのように創作活動と向きあっているのか。そしてカメラを通じて感じた人生の潤い、彩りとは?今回は、カノンさん、Renonさん、Takemura Takumiさん、3名のクリエイターをフィーチャー。相棒のZ機で撮った作品とともに、紹介します。

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目次

「光との掛け合わせでポートレートの表現を追求」カノン

カノン

フォトグラファー 2001年生まれ、大阪府出身。2020年、コロナ禍真っ只中の19歳のときに関西大学フォトグラフィ実習を履修し、カメラの基礎を学ぶ。2021年から2年間、実習のアシスタントを務め、卒業直前の2023年に東京カメラ部10選U-22 2022に選出。大学卒業後、フォトスタジオに就職し、職業フォトグラファーとして働きながら、自身のテーマである『順光ポートレート』に取り組んでいる。

愛用機はZfとZ50II

撮影機材:Zf + NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S

人生で最初に一眼レフカメラをさわったのは中学生の頃。母が買った中古のカメラを、当時好きだった史跡巡りのときに使わせてもらっていました。バイト代を貯めて自分のカメラを購入したのが大学1回生のときです。今は仕事でシャッターを切るほうが多くなっていて、お宮参りの赤ちゃんから成人式を迎える方まで、毎日人生の節目となる記念写真を撮影しています。
Nikonとの出会いは東京カメラ部U-22に選ばれ、モニターをさせていただいたこと。当時使っていたカメラに比べ、圧倒的な色彩の美しさと自身の作品との相性のよさから即、買い換えを決意しました。見た目や軽さを重視してあれこれ迷っていたとき、ちょうどZfが出るという情報を知って、これだ!と思い、発売されてすぐに購入。その後、母と沖縄旅行のときにZ50IIをお借りしました。フレキシブルカラーピクチャーコントロール機能が使えるので、PCでのレタッチ作業が不要なことに惚れ込みました。旅行や作品撮りのオフショット用に購入し、今は2台を使い分けています。

Zfの一番のお気に入りポイントは見た目が可愛いこと!それでいて、写りが抜群に良いというギャップに惹かれます。瞳AFの精度の高さは感動ものです。色も撮った時点でほとんど完成なのではというくらい綺麗なので、悩む時間もレタッチの工程も減りました。一方、Z50IIはやはりフレキシブルカラーピクチャーコントロール機能が最大の魅力で、撮って出しをそのまま友達と共有できることが、めんどくさがりな私にもってこい。もちろん軽さや機動力の高さも気に入っています。
今はZfもファームウェアのアップデートでフレキシブルカラーピクチャーコントロールを使えるようになり、2台の特長を活かして使い分けながら楽しんでいます。

順光と「人間」の掛け合わせで私らしさを表現

撮影機材:Zfc + NIKKOR Z 40mm f/2(SE)

作品づくりで取り組んでいるのは、自身のテーマとしている『順光ポートレート』。なんでもないような場所で光を見つけ、人物と光を効果的に組み合わせた写真が自分らしいと思います。撮ったあとに見返して、いつもいいなと思う写真は、その場でこだわって時間をかけたものより、ふとした瞬間にサッとシャッターを切ったものが多いからです。私にとって写真は自己表現の手段。そして単純に「人間」という生き物が好きなのでポートレートを撮っています。自分の目で美しいと思った光と私が好きな「人間」を掛け合わせたら、どんな化学反応が起きるのか、私がどんな反応を起こせるのか、その可能性を探る作業に面白さを感じています。

Zを使うようになってからは、撮った写真を確認してもらう際の被写体さんのリアクションが良くなりました。撮って出しはもちろん、モニターも綺麗なので、「これいい!」と喜んでもらえますし、背面モニターに映した写真をスマホで撮って帰る被写体さんもいるくらいです。

自分の表現をZと深掘りしていきたい

撮影機材:Zf + NIKKOR Z 40mm f/2(SE)

Zfは作品撮りをするときにしか使いません。逆に言えば制作のスイッチを入れるために必要なもの。Z50IIは旅行やドライブ、野球観戦など、思い出の記録用にしています。レンズはNIKKOR Z 40mm f/2(SE)とNIKKOR Z DX 24mm f/1.7を愛用中です。以前、試用させていただいたNIKKOR Z 24-70mm f/2.8 Sは、制作の際に圧倒的に使いやすく、とりあえずこの1本があれば何とかなる!と思わせてくれるレンズで、サイズ感や重さ、写りの良さなどさまざまな点で気に入ったので、そろそろ手に入れたいと思っているところです。

これからZとともに、広い場所での順光ポートレートや望遠レンズの圧縮効果を掛け合わせた順光ポートレートにトライしたいです。あとは小さな個展をやってみたいです。さまざまなチャレンジや作品発表を経て、いつか『順光ポートレート』が写真の歴史に残るようなジャンルとして確立できるとうれしいなと思います。またその先駆者として、名前が残るように挑戦していきたいです。順光とZはとても相性がいいと感じているので、その挑戦への一役を担ってくれると考えています。

「ミニマルな写真を求めて、日本中を旅する週末写真家」Renon

Renon

会社員 2002年生まれ、滋賀県出身。大学進学後、新しいことをやってみたいという想いと、一眼レフカメラが家にあったことがきっかけで写真を始める。それを機に、日本全国を訪れるようになり、写真にのめり込む。さまざまなジャンルを撮影するが、メインはミニマル写真。

愛用機はZ8

撮影機材:Z8 + NIKKOR Z 28-400mm f/4-8 VR

家に誰も使っていない一眼レフカメラがあり、スマホでは撮れないような写真を撮ってみたいと思ったことが、写真を始めたきっかけのひとつです。初めてNikon機にふれたのは、東京カメラ部U-22 2024に選出されたとき。Z8とZ6IIIを続けてお借りする機会があり、手ブレ補正やAFなどの技術、描写、性能、すべてに感動しました。特にフレキシブルカラーピクチャーコントロール機能は、グレーディングなどの編集技術がなくとも、クオリティの高い動画が作れることが素晴らしかったです。その後、卒業旅行でアイスランドに行き、その際、手持ちのカメラを持参しましたが、Zシリーズを試用したときのような撮影の楽しさがあまり感じられず、これはもうZを買うしかないと。それでZ8とZ6III、どちらにするか悩みに悩み、Z8を購入しました。

最も気に入っているのは、持っていると安心するグリップ力。見た目も好きですし、操作もしやすく、4軸チルト式画像モニターなのもお気に入りです。機能面ではAFと手ブレ補正をとても重宝しています。吹雪の中、望遠で撮っても全くブレていませんでしたし、いつもピントが合ってほしい!と思うところに合ってくれるので、本当に助けられています。また、悪天候に強い堅牢性にも安心感があります。ヒョウが降りつけ、ほぼ目が開けられないような状態の鳥取砂丘でも問題なく撮影できたときには、頼もしく感じました。逆光耐性の強さも感動ものです。Z8の機能・性能に不満な点がないからこそ、撮影が非常に楽しいのだと思います。

自分らしいと感じるのはミニマルな写真

撮影機材:Z8 + NIKKOR Z 28-400mm f/4-8 VR

社会人になってから、週末は日本全国に写真を撮りに出かけることが多いです。普段、外出するときは必ずといっていいほどZ8を持ち歩いています。カフェに行けば、テーブルか椅子にそっと置いていますし、歩いているときに「今すぐ撮りたい!」と思うことも多いので、いつも肩からかけています。青が印象的な写真、モノクロ写真、鳥のシルエットをよく撮っていて、仕事の関係で建物の写真を撮ることも。そのほとんどがスナップ感覚で、偶然撮れた唯一無二の写真が好きです。一方であえてつくられた瞬間を切り取ることや、まるで絵画のような写真を撮ることも面白いと思っています。

なかでも一番自分らしいと思うのはミニマルな写真です。ミニマル写真を撮るときには、瞬時にいろいろな焦点距離で撮りたいので、NIKKOR Z 28-400mm f/4-8 VRのレンズがとても重宝しています。このレンズに出会ったとき、ここまで便利なズームレンズは初めてでしたし、400mmでこのコンパクトさなのか!と驚きました。描写もよく、400mmにズームしてモニターを見ても、被写体にしたいものが全然ブレていない。素晴らしいです。

インドアな自分を外に連れ出してくれたのはZ

撮影機材:Z8 + NIKKOR Z 28-400mm f/4-8 VR

今はZ8を持っている!という事実がとにかくうれしいです(笑)。レンズは今のところNIKKOR Z 28-400mm f/4-8 VRのみなのですが、広角レンズもほしいですし、単焦点レンズもほしいです。以前、試用したNIKKOR Z 50mm f/1.8 Sはコンパクトで描写力も素晴らしく、あの感動は今でも忘れられません。カフェでも撮りやすいくらいの標準レンズもほしいなと思っています。

写真は私を外に連れ出してくれる存在です。写真を始めるまでは、スポーツもせず、オーケストラでヴィオラを弾くだけのインドアな人間でした。しかし、今ではいろいろなところに行きたい気持ちが強く、撮影したい場所が日本全国にある。海外にもたくさん行きたいと思っています。カメラを始める前なら行くこともなかったような場所に訪れるきっかけができて、楽しいです。Zを愛用するようになったからにはモチベーションを高く持ち、動画にも挑戦していきたい。そして、好きな写真を撮り続けるために仕事を頑張ろうと思えることも、いい循環だと感じています。写真を通じて出会った人、美しい風景、写真を続けていてよかったなと思うんです。これからも日常の何気ない瞬間や、ふと心が動いた場面を、私らしく切り取っていきたい。Zシリーズは自分の生活を彩るものとして、これからもずっと寄り添ってくれると思います。

「合成写真や特殊な技法にトライして、独自の表現を楽しむ」Takemura Takumi

Takemura Takumi

マーケター 2000年生まれ、愛媛県出身。大学入学をきっかけにサイクリングや登山の虜になり、美しい風景を形に残したいと思い、カメラを購入。その後、合成写真や特殊な撮影技法に興味を持つようになり、さまざまな作品を作成するようになる。

愛用機はZ7

合成写真
撮影機材:Z7 + NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR

大学2回生の春、サークルの先輩が旅先で撮影していて、思い出を形に残せるってすごく素敵だなと思い、写真を始めました。三脚を購入して初めて星を撮影したときは、すごく興奮したのを覚えています。ファーストカメラはNikon D750です。登山やサイクリングに持参するつもりだったので、堅牢性に定評のあるNikonを選択しました。家にカメラが届いたときのワクワクは今でも忘れられません。昼ごはんのチャーハンを何枚も撮影しました(笑)。

その後Z7を購入したのは、登山中の撮影が増え、少し軽いカメラに変えたいなと思ったことと、当時参考にしていた風景写真家が使用していたことから。そして挑戦してみたかった表現のために、高画素機が必要だったからです。僕はカメラ自体が大好きで、それはファインダーを覗くことやシャッターを切ることが大好きだからですが、Zシリーズに変更して最も感動したのがEVFの美しさ。ファインダーを覗くのが楽しいというのは、非常に魅力的なポイントです。

Z7のお気に入りの理由は、なんでも撮影できる万能さと、表現を自由にしてくれる高画素機であること。僕は合成作品を撮ることが多いので、多重露光やインターバルタイマー機能を活用していますが、作品を制作する上で高画素であることが何よりも役立っていると感じています。また、撮影の環境を選ばないことも頼りになり、雪山に持って行った際、−20℃でも長時間撮影ができたことには驚きました。Zレンズの性能もとても高く、愛用中のNIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR Sでマクロ写真を撮影すると、その優れた描写力を実感します。

撮った写真に想いを重ねてオリジナルの作品に

撮影機材:Z7 + NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR

趣味の登山で、自然そのままの美しさを捉えるような写真を撮りながら、自分の考えや想いを形にするような写真を作成しています。普段出かけるときもカメラは常に持ち歩き、合成作品のために、日常に潜んでいる素材を集める気持ちで写真を撮っています。自分の考えていることや体験してきたことは、写真のオリジナリティにつながるのかなと思っていて、たとえみんなと同じ被写体を撮影したとしても、そこに自分の思考をのせることができれば、自分ひとりだけの写真になる。それこそが「自分らしい写真」なのかなと思います。

私にとっての写真の魅力は、自分の考えていることをすぐに形にできること。そして何度でも挑戦できて、実験できることも面白いなと思っています。実際、Z7を愛用するようになってからは、思いついたことは全部試してみようという風にマインドが変わり、ブレ表現を生かしたICM(Intentional Camera Movement)写真や特大のパノラマ写真にも挑戦してきました。これまで5年間撮り続けてきて、写真を通じて日本中に仲間をつくることができたことも、楽しさのひとつといえるかもしれません。

もっと自由で、創造的な写真人生をZと

合成写真
撮影機材:Z8 + NIKKOR Z 24-120mm f/4 S

今後はAF機能に優れたカメラにステップアップしたいなと思っていて、Z5IIとZ8のどちらかでずっと迷っているところです。どちらもフレキシブルカラーピクチャーコントロール機能が搭載されているので、写真表現の幅が広がりそうだなと期待しています。レンズはS-Lineの望遠レンズがほしいです。自然の一部を切り抜くような写真が大好きなので、僕の作風と相性のよさそうな高性能レンズを検討しています。
これから撮るジャンルを広げたり、自分の作風を深めたりする中で、眼前の被写体の美しさを引き出すことができるZは、僕の表現により欠かせない存在になっていくと考えています。Zとともにもっと自由に、もっと創造的な写真人生を送っていきたいです。

撮影機材:Z5II + NIKKOR Z 24-120mm f/4 S

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