片岡健太(sumika)
神奈川県出身。カメラ歴1年。2013年結成の4人組バンドsumikaのボーカル&ギター。キャッチーなメロディーと、人々に寄り添った歌詞が若者を中心に、幅広い層からの共感を呼んでいる。これまで発売した3枚のフルアルバム『Familia』、『Chime』、『AMUSIC』が、すべてオリコンチャート入りした、今最も目が離せないバンド。6月に個人の初エッセイ『凡者の合奏』(KADOKAWA)を上梓。
愛用カメラ:LEICA Q、富士フイルム NATURA CLASSICA
視点の記憶
「ライブ会場に向かう前の機材車。メンバーのトモくんの背中をパチリ」。
「コロナ禍のステイホーム期間中に、人恋しくなって携帯のカメラフォルダを見返したところ、遊んでいた友達との写真がまったくありませんでした。プライベートで写真を撮る習慣が僕にはなかったのです。魅力的な人たちと会っていたはずなのに、会えない時間が長引くにつれ、会っていた記憶がぼやけていくような感覚に。コロナが少し落ち着いたら写真を撮り始めようと決めました」。
「夏フェスの楽屋にて。メンバーの隼之介(左)とおがりん(右)」。
「『Simple』という曲のMusic Video撮影の合間にLEICA Qでセルフィー」。
写真が覚えていてくれるから、安心して目の前のことだけに集中して生きていける
「アイスが好きです」。
そうして一年ほど前にLEICA Qを手に入れてからは、毎日カメラを持ち歩き、写真を撮る日々になったそう。音楽と写真の表現に違いはあるのでしょうか?
「互いにインプットはバラバラですが、アウトプットするときの考え方は似ている。特に焦点の考え方が、音楽と写真は似ていると思います。僕の写真のテーマは“視点の記憶”。どれだけ忘れないように心がけて生きていても、僕は必ず忘れます。それでも、写真が覚えていてくれるから、安心して目の前のことだけに集中して生きていける。今回選んだ写真も、見返したときに『この日楽しかったなあ』と思い出した写真たちです」。
「初エッセイ用の写真を撮影してくれているフォトグラファー、ヤオタケシくん」。
音楽と写真は焦点の考え方が似ている
「バンドの作曲合宿の休み時間に行った山中湖。車の外にいるのはフォトグラファーの後藤壮太郎くん」。
写真を見ているときは心が穏やかになるという片岡さん。影響を受けた写真集は、濱田英明さんの『ハルとミナ』で、GENICも毎号読んでくれているんだそう。
「GENICは、色々な方の作品や視点を見られるのがとても刺激的です。音楽制作の際にも、多くのインスピレーションを頂いております」と嬉しいお言葉!
「『アンコール』という曲のMusic Videoを撮影してくれた、フォトグラファー・映像作家の増田彩来さん」。
人が恋しくて始めたので、人を感じる写真を撮っていきたい
「撮影がノッてきた、写真家の濱田英明さん。ジャケット写真を撮ってもらいました」。
「離陸前から熟睡している、メンバーの隼之介」。
「まだまだ撮り始めたばかりで、“自分らしい写真”というものは見つかっていないのですが、人が恋しくて始めたので、人を感じる写真をこれからも撮っていきたいです。自然体なポートレートを撮りたいので、人との距離感の作り方をもっと上手くできるようになりたいと思っています。いつか海外で遊んでいるバンドメンバーも撮りたい。写真を始めて、歳を重ねていくのが楽しみになりました」。
「茹だるような暑さに、すっかりやられている犬」。
「ツアーで北海道に行った際に見た夕暮れの写真」。
GENIC vol.64【ミュージシャンや俳優も恋してる「写真の無限なる魅力」】
edit:Izumi Hashimoto
GENIC vol.64
GENIC10月号のテーマは「写真と人生」。
誰かの人生を知ると、自分の人生のヒントになる。憧れの写真家たちのヒストリーや表現に触れることは、写真との新たな向き合い方を見つけることにもつながります。たくさんの勇気とドラマが詰まった「写真と歩む、それぞれの人生」。すべての人が自分らしく生きられますように。Live your Life.