齋藤朱門
ランドスケープフォトグラファー 宮城県出身。カリフォルニアに住んでいた2013年、目にした風景写真の臨場感の素晴らしさに刺激を受け、独学で風景写真を学び始める。自身がその時見て感じた自然・風景の素晴らしさを、作品を見てくれる人々にも同じように伝えたい…その想いから現在も国内外で、精力的に自然を撮り続けている。共著に『思い描いた世界観を表現する仕上げの技法 超絶レタッチ術』(インプレス)。
愛用カメラ:Sony α7R V
愛用レンズ:Sony FE 24-70mm F2.8 GM II
Q.齋藤朱門さん、個人的「ベストオブ日本の絶景」写真を見せてください!
A.青森県・美山湖。帰り道に偶然発見した場所で撮った一枚。
"絶景"と言われる場所は、はじめは誰かが思いがけず見つけた、その人だけの美しい風景だったのではないか
「いわゆる"絶景"とは、 "ほかでは見ることができない美しい風景"というイメージ。気に入っている絶景写真はいくつかあって、どれがNo.1というのは決めていないし、自分の趣向や好みの変化で入れ替わることもありますが、今回この写真を選んだのは、偶然発見した、鮮やかで美しい紅葉の完璧な水鏡を見ることができる場所だったから。白神山地での撮影の帰りに、横目に気になる風景が飛び込んできたんです。既に日が落ちつつある時間帯で徐々に薄暗くなってきていたので、急いで撮影しました。もともと白神山地で紅葉を撮りたかったのですが、正直あまり撮れ高が良くなかったので、この場所を見つけた瞬間は大興奮。とにかく時間がなかったので、特別なテクニックや機材は使っていません。三脚を立てカメラをセットし、風が収まり水面が静まり、凪となった瞬間を狙って夢中で撮影した一瞬の一枚です。 "絶景”と言われている場所は、はじめは誰かが思いがけず見つけた、その見つけた人だけの"美しい風景"であったのだと思っています。実は何気ない場所にも、誰も見つけてない絶景スポットはたくさんあるはず。だからこそ、自分だけの"絶景"を見つけてみてほしいです」。
GENIC vol.67【撮影と表現のQ&A】齋藤朱門/Q.個人的「ベストオブ日本の絶景」写真を見せてください!
Edit:Izumi Hashimoto
GENIC vol.67
7月号の特集は「知ることは次の扉を開くこと ~撮影と表現のQ&A~」。表現において、“感覚”は大切。“自己流”も大切。でも「知る」ことは、前に進むためにすごく重要です。これまで知らずにいたことに目を向けて、“なんとなく”で過ぎてきた日々に終止符を打って。インプットから始まる、次の世界へ!
GENIC初のQ&A特集、写真家と表現者が答える81問、完全保存版です。