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ペルーを巡る、時を超える旅へ。3名のフォトグラファーが切り取った“心に残る”絶景7選

インカ帝国の史跡マチュピチュやクスコの街並み、チチカカ湖の浮島など、ペルーには、訪れる人を惹きつける景色が数多くあります。本記事では、3名のフォトグラファーの、心に残った7つの絶景スポットを紹介しながら、ペルーの多彩な表情をお届けします。雄大な自然、歴史の息づく街、現地の人々の暮らし。写真を通して旅するように、ペルーの魅力に触れてください。

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目次

ペルーってどんな国?自然と多様な文化、古代文明が息づく国

photo:Shota

ペルーの基本情報

南米西部に位置するペルーは、アンデスの雄大な山々、神秘的なマチュピチュなど、大自然と古代文明が共存する国です。リマを含む25の県、それぞれに異なる文化や景観を楽しめます。

日本からの直行便はなく、アメリカやメキシコを経由して首都リマへ。乗り継ぎを含めるとおよそ24〜30時間の旅となります。

・人口:約3,400万人(日本の約4分の1)
・面積:日本の約3.4倍
・言語:公用語はスペイン語。観光地では英語が通じる場所もありますが、地方ではスペイン語や先住民言語(ケチュア語・アイマラ語)が主流です。
・民族構成:先住民、ヨーロッパ系、アフリカ系、アジア系(日本人移民の子孫を含む)など多様で、民族衣装や祭りに文化が息づいています。

ペルー観光のベストシーズンは?

観光におすすめなのは乾季の5〜9月。特に6〜8月は晴天が多く、マチュピチュやナスカの地上絵観光にぴったりです。一方、11〜3月は雨季で山岳地帯では雨が増えますが、緑が鮮やかに輝き、雨季ならではの美しい景色が楽しめます。

ペルー旅で快適に過ごすためのポイント

・標高3,000mを超える高地(クスコ、プーノやチチカカ湖など)では高山病のリスクがあります。無理をせず、こまめな休憩と水分補給を。
・通貨はペルー・ソル。為替は変動するため、出発前に最新レートを確認しましょう。記事内の料金は便宜上、2025年8月時点の為替レート(1ソル=約40円)で計算しています。

写真で旅するペルー。3名のフォトグラファーが魅せる世界

本記事では、3名のフォトグラファーがそれぞれの視点で切り取ったペルーの魅力を、7つのスポットとともにご紹介。彼らが旅のなかで見つけた「とっておきの瞬間」をお届けします。

Kohki Yamaguchi

コンテンツクリエイター/フォトグラファー
東京を拠点に活動する写真家・映像作家。シドニー大学で視覚芸術を専攻し、2017年に文学士号を取得。ポートレート、風景、都市景観、建築、ストリート、ライフスタイルなど多岐にわたるジャンルを撮影する。SNSでは多くのフォロワーを有し、東京最大級のInstagram写真コミュニティ「DiscoverTokyo」も運営。多くの依頼を受け、2019年にはTEDxスピーカーとして登壇するなど、幅広く活動中。愛用カメラはライカM11。レンズはズミクロン35mm f2 v4。

Shota

会社員/フォトグラファー
大学卒業後、大手旅行代理店に勤務。その後、フィリピンへの語学留学やオーストラリアでのワーキングホリデーを経て世界一周の旅へ。旅をきっかけに写真活動を始め、帰国後には東京・大阪で写真展を開催。これまでに訪れた国は45か国に及ぶ。現在は会社員として働くかたわら、フォトグラファーとして活動し、旅で培った視点を生かして風景や建築物などを撮影している。

なおの歩き方

旅するフォトグラファー
世界25か国以上を旅し、風景や人々の暮らしを撮影。SNSを通して旅の魅力を発信している。2024年より「わたしってかわいい!」をテーマにフォトグラファーとして活動開始。カメラ歴は約10年。Sony RX100Vを愛用。

1. マラスの塩田(Salt Mine of Maras)|ペルーの古代塩田

古代の塩づくりが描く美しい幾何学模様

photo:Kohki Yamaguchi
ドローンで撮影したマラスの塩田

photo:Kohki Yamaguchi
段々畑のように広がるマラス塩田の中で作業する人々

photo:Kohki Yamaguchi
段々畑のように広がるマラス塩田の中で作業する人々

これまで塩がどのように作られているのか全く知りませんでした。ペルーにその製法で有名な場所があると聞き、インターネットで調べて写真を見てみたところ、ビジュアル的にもとてもインパクトがあり、実際に見てみたいと思いました。
撮影は主にドローンによる空撮を中心に、70〜200mmでタイトなカットも取り入れました。やはり上空からの映像のほうがインパクトがあるため、ドローン撮影をメインに行いました。

── kohki yamaguchi

ペルーのマラスの塩田(Salt Mine of Maras)は、標高3,000m以上のアンデス山脈の斜面に、約3,000の塩田が規則的に並ぶ、伝統的な塩づくりの場所です。3,000年以上の歴史があり、塩分を多く含んだ湧き水を引き込み蒸発させる製塩法が、今も受け継がれています。世界的に注目される文化的景観です。ウルバンバの町の近くにあるこの塩田は、後ほど紹介するセイクリッド・バレーの中に位置しています。

マラスの塩田 基本データ

住所|ペルー、マラス村、ウルバンバ近郊
営業時間|6:00~18:00
 ※日によって異なる場合あり。事前の確認推奨
休業日|年中無休
料金|入場料 20ソル(約800円)

行き方・アクセス

クスコからオリャンタイタンボまで電車移動(約1.5時間)、オリャンタイタンボからは乗合バンやタクシーで約60分

2. セイクリッド・バレー(Sacred Valley)|ペルーの聖なる谷

インカ遺跡と町を巡れるフォトジェニックな谷

photo:なおの歩き方
多彩な市場と伝統文化が息づく町、ピサック

photo:なおの歩き方
マチュピチュへ向かう鉄道の出発地として知られる町、オリャンタイタンボ

photo:なおの歩き方
古代インカの農業実験場であった、モライ

クスコからマチュピチュへ向かう途中にあるセイクリッド・バレーには、いくつもの見どころがあります。ピサックやオリャンタイタンボなどの町では、観光地化されすぎていないローカルな雰囲気に触れ、現地の人々の暮らしぶりを垣間見ることができました。そこで印象的だったのは、伝統工芸品の鮮やかな色や、街の人々が身にまとう美しい伝統衣装です。また、完璧な円を描くモライも見応えがあり、インカ文明の技術と造形の美しさに圧倒されました。クスコに行く前は知らない場所ばかりでしたが、セイクリッド・バレーはペルーで一番好きな場所になりました。

── なおの歩き方

セイクリッド・バレー(Sacred Valley/聖なる谷)は、ペルーのクスコからウルバンバ市、オリャンタイタンボ付近まで続くウルバンバ川沿いの谷。古代インカ文明の農業と交易の中心地であったこの地域には、村や遺跡が点在しています。標高差を利用した段々畑や、多様な気候を生かしてさまざまな作物が育てられ農業実験場であったとされるモライなど、今もインカ文明の知恵を感じられる場所です。

セイクリッド・バレー(聖なる谷)基本データ

住所|ペルー、クスコ地域、ウルバンバ渓谷一帯
営業時間|8:00~17:00(各遺跡により異なる)
休業日|なし(年中無休)
料金|共通入場券 130ソル(約5,200円)
※2日間有効で、ピサック遺跡、オリャンタイタンボ遺跡、チンチェーロ遺跡など聖なる谷の主要史跡やクスコ市街のサクサイワマンで使用可能

行き方・アクセス

クスコからウルバンバまでバスや乗合バンで約1時間、ウルバンバから各遺跡や町へは乗合バンやタクシーで移動

3. マチュピチュ(Machu Picchu)|ペルーの世界遺産

古代インカ遺跡の天空都市

photo:Shota

マチュピチュ遺跡は、人生で一度は訪れたかった憧れのペルーの地です。ずっと憧れていた遺跡を実際に目にして感動。霧の中から徐々に姿を現す遺跡の神秘さに鳥肌が立ちました。遺跡の石を丁寧に手入れする人の姿も印象的で、この景色が守られているありがたさを感じ、未来へずっと残ってほしいと強く思いました。

── Shota

photo:なおの歩き方

一生に一度は訪れたい世界の絶景として憧れていた、ペルーのマチュピチュ。目の前に広がる光景は、まるでRPGの世界に迷い込んだようでした。500年以上前に築かれた文明とは「信じがたいほど神秘的」で、ただただ立ち尽くして見入ってしまいました。
入場制限のあるマチュピチュで、2日かけて一番人気の朝6時のチケットを勝ち取り入場したものの、早朝の青白い光に浮かぶ姿は、一瞬で雲の中へ。周りの観光客が諦めて続々と帰るなか、背後のワイナピチュ山と共に撮るため3時間粘りました。そして、ついに現れた瞬間を逃さずシャッターを切った、奇跡の一枚です。
※現在は入場規制があり、滞在は最大2時間まで。

── なおの歩き方

photo:Kohki Yamaguchi

ペルーといえばやはりマチュピチュ。ここはまさに「絶対に訪れるべき場所」だと思います。朝早くから撮影を始めたことで、時間とともに変わる天気や光を楽しみながら撮影できました。近くの街で購入したポンチョを使い、動きを取り入れて連写することで、写真にストーリー性が生まれ、より印象的で面白い作品になったと感じています。

── kohki yamaguchi

マチュピチュ(Machu Picchu)は、標高約2,400mの高台に築かれたインカ帝国の遺跡です。見どころは、段々畑や、接合材を使わずに積み上げられた精巧な神殿群などの石造建築。切り立った山々に囲まれ、雲の合間からのぞかせるその姿は「空中都市」と呼ばれます。500年以上前に築かれ、1911年に発見されて以来、世界遺産としてペルーを代表する観光地となりました。

マチュピチュ 基本データ

住所|ペルー、マチュピチュ郡、アグアスカリエンテス村、マチュピチュ遺跡
営業時間|6:00~17:30(入場時間は事前に公式サイトなどで確認推奨)
休業日|年中無休
料金|入場料 約152ソル(約6,000円)
 ※入場料は、ルートの種類や訪れる時期によって異なる

行き方・アクセス

クスコのサン・ペドロ駅からアグアスカリエンテス駅まで電車で約3時間半、そこからバスで約30分でマチュピチュ遺跡に到着

4. ワカチナ(Huacachina)|ペルーの砂漠に浮かぶオアシス

砂丘に囲まれた小さな町

photo:Kohki Yamaguchi

photo:Kohki Yamaguchi
中央に写るのがワカチナ・オアシス

ペルーの砂漠の真ん中にある小さな村というユニークなロケーションに惹かれ、訪れてみました。広大なエリアだったため、できるだけ高い場所まで登ってサンセットを撮影。人物を入れないと写真が単調になりがちで少し苦労しましたが、砂漠ならではの幻想的な景色をしっかり撮影できました。

── kohki yamaguchi

ペルー南部にあるワカチナ(Huacachina)は、砂漠に囲まれた小さな村。天然湖を中心にヤシの木と建物が寄り添い、「砂漠の楽園」と呼ばれるオアシス(ワカチナ・オアシス)を形づくっています。周囲を高さ最大約200m級の砂丘が取り囲み、夕暮れには砂丘の頂から湖と村の幻想的な景色を一望できます。

ワカチナ 基本データ

住所|ペルー、イカ県、ワカチナ村
料金|無料(村内は自由に散策可能)

行き方・アクセス

リマからイカまでバスで約4.5〜5時間、イカのバスターミナルからはタクシーで約15分

5. チチカカ湖(Lago Titicaca)|ペルーの世界一の標高を誇る高地湖

神秘の高地湖と浮島で暮らすウロス族

photo:Shota

photo:Shota

photo:Shota

ペルーにある世界一高い湖、チチカカ湖に浮かぶ島で、独自の文化を守り続けるウロス族の暮らしを実際に見てみたくて訪れました。葦(あし)で作られた家や舟が生活に根付いていて驚くと同時に、ウロス族の方々がとても温かく迎えてくれたのが印象的でした。浮島を歩くと足元がふわっと沈み、まるで生きている島に立っているような感覚に。自然と共に生きる暮らしを間近に感じられた、貴重な体験でした。

── Shota

チチカカ湖(Lago Titicaca)は、琵琶湖の約12倍もの広さを誇り、標高約3,800mに位置する、南米最大にして世界一の標高を誇る湖です。湖には、かつて外敵から身を守るために築かれたという、水辺に生える葦(あし)で作られた人工の浮島が点在。現在も先住民ウロス族が浮島で生活し、独自の文化を受け継いでいます。ペルー南部にあり、ボリビアとの国境にもまたがっている湖です。

チチカカ湖 基本データ

住所|ペルー、プーノ県、プーノ市周辺
料金|無料(一部の島や観光地は別途入場料あり)
※チチカカ湖は自然景観のため、営業時間や休業日の設定はなし

行き方・アクセス

クスコからプーノまでバスや列車で約6〜10時間、プーノからチチカカ湖の観光スポットへは船やツアーでアクセス

6. ウマンタイ湖(Laguna Humantay)|ペルーの秘境

エメラルドグリーンに輝くアンデスの氷河湖

photo:Shota

photo:Shota

ペルーで現地の人におすすめされ、美しいエメラルドグリーンの湖を見たくて訪れました。高地の険しい道のりですが、雄大な山々や澄んだ空気に包まれて、息を呑むほどの感動を覚えました。標高の高い道を息を切らしながらゆっくり登ると、霧がスッと晴れてエメラルド色の湖が目の前に。疲れも吹き飛ぶほどの美しさでした。写真では伝えきれないほど、道中の景色も圧巻の、特別な場所です。

── Shota

ペルーにあるウマンタイ湖(Laguna Humantay)は、標高約4,200mのアンデス山中にある氷河湖。トレッキングコースの終点に位置し、山道を登る道中では氷河の地形や奇岩の景観も楽しめます。エメラルドグリーンに輝く湖と、時折姿を現す氷の壁が織りなすこの地形は、学術的にも高く評価されています。地元の人々にとって神聖な場所として、大切に守られてきました。

ウマンタイ湖 基本データ

住所|ペルー、クスコ地域、ソライパンパ村
料金|入場料 約20ソル(約800円)
※ツアー代金に含まれることが多い

行き方・アクセス

クスコから車で約3時間のソライパンパ村まで移動し、そこからトレッキングで約1時間半〜2時間(標高約3,900mから4,200mへ登る)。途中で乗馬オプションもあり

7. クスコ(Cusco)|ペルーの古都

インカの足跡と美しい教会が彩る街角

photo:Shota
クスコのラ・コンパニーア・デ・ヘスス教会

photo:Shota
クスコのアルマス広場

ペルーのクスコは、マチュピチュへ向かう旅人が立ち寄る“始まりの街”でもあります。旧市街地を歩くと、石畳の感触や教会の鐘の音、街角の香りに心がおどり、美しい建物に目を奪われました。夕暮れにはライトアップされたアルマス広場が幻想的に輝き、昼と夜で異なる表情に魅了されました。

── Shota

photo:なおの歩き方
太陽神殿の上に築かれた、クスコのサント・ドミンゴ教会回廊

ペルー・クスコの街歩きで外せない歴史的スポットのひとつ、インカ時代の太陽神殿の上に建つサント・ドミンゴ教会に偶然出会い、思わず足を止めました。インカ文明とスペイン文化が融合した石造りと、手入れの行き届いた庭園の美しさが印象的。夕方の傾く太陽の影を追いながら夢中でシャッターを切っているうちに、一日中歩き回った疲れもすっかり忘れてしまいました。

── なおの歩き方

photo:なおの歩き方

ペルー南部のアンデスにある町、クスコ(Cusco)は、かつてインカ帝国の首都だった町。標高約3,400mに広がる街並みには、石を精巧に組んだインカ建物と、スペイン植民地時代の建物が混ざり合い、「生きる博物館」とも呼ばれます。日常の暮らしが息づく、狭い石畳の路地や市場、サント・ドミンゴ教会やアルマス広場など、徒歩で観光できる範囲に見どころがたくさん。古代と今が交わる、文化と歴史の町です。

クスコ基本データ

住所|ペルー、クスコ県、クスコ市
主な観光スポット|
アルマス広場
サクサイワマン遺跡(入場料 セイクリッド・バレーも含めた共通入場券で130ソル)
クスコ大聖堂(入場料40ソル)
12角の石
コリカンチャ(太陽の神殿跡、入場料20ソル)

行き方・アクセス

クスコ空港から市街地までタクシーで約25分

たくさんの人に伝えたい、心に残るペルーの魅力

ペルーではさまざまな風景が心に残っています。特に、マチュピチュを包む朝霧の神秘さには、ただただ夢のような気持ちになりました。目の前に広がる景色は、どこまでも驚きと感動に満ちていました。

── kohki yamaguchi

インカの歴史を肌で感じ、湖や山々の自然に圧倒され、人々の温かさに触れる。ペルーは、古代文明と日常が共に息づく、特別な国でした。

── Shota

遺跡、カラフルな山、水色の湖、砂漠、アマゾンまで、ペルーはまるで宝箱のような国。人々の優しさやカラフルな文化、美味しいグルメも心を惹きつけ、気づけば1ヶ月半も滞在していました。

── なおの歩き方

歴史や自然の壮大さ、人の温かさ、カラフルな文化やグルメまで。ペルーはまだ見ぬ新しい魅力に出会える場所。
写真で心がときめいたなら、ペルーの地でそのときめきはもっと大きな感動に変わるはず。あなたの旅の行き先に、ペルーを加えてみませんか?

@visitperu.jp ペルー政府観光庁Instagram

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