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飾らない暮らし くさのしほ | 連載 Every day,Greatest day 子どもたちの日常

大人にとっては当たり前の日々も、小さな世界で泣いて、笑って、一生懸命生きている子どもたちにとっては、毎日が最高の日。我が子の意外な表情、愛らしい仕草、ふと気づく成長......日常にある尊い瞬間を抱きしめるように写真に残す7名の作品をご紹介。全7回の連載、第7回はフォトグラファーのくさのしほさんです。

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目次

プロフィール

くさのしほ

フォトグラファー 1994年生まれ、千葉県出身、東京都在住。5歳と0歳の女児の母。2022年頃より、出張フォトグラファーとして活動を行っている。
愛用カメラ:FUJIFILM X-T5/X-E4、Canon Autoboy S II
愛用レンズ:XF35mm F1.4 R、XF23mm F1.4 R

うちの子紹介

現在5歳の長女なこは、喜怒哀楽が前面に出るような子で、2歳のイヤイヤ期は絵に描いたように地べたに寝転んで大泣きしたタイプ(笑)。大変だけどそれがとても可愛くて、できるだけそのままを撮りたいと思っています。次女あやめ(0才)は、よく寝て、よく飲んで、今のところとてもお利口さん。お姉ちゃんが騒いでもきょとんとしています。

飾らない暮らし

日常に転がっているなにげない瞬間がきっと未来の自分の宝物に

「産後、退院してすぐの頃に撮った写真。妊娠中たくさん我慢してくれた長女に妹を会わせてあげられたこと、想像以上に妹を可愛がってくれたこと、うれしかった思い出が蘇ってくる大切な一枚」。

「ママの代わりにお世話をしたい!そんな長女が可愛くてシャッターを切りました。ふたりともパジャマ姿なところなど、母である私だから撮れた写真でお気に入り」。

「泣いている妹を抱っこして泣き止まそうとしてくれている一枚。カメラを向けるとうれしそうにこっちを見てくれて、本当に可愛い!」。

「久しぶりに隣でお昼寝してくれたのがうれしくて撮影。赤ちゃんの頃から変わらない寝顔が愛おしくて大好きです」。

「ふたり同時に泣いているのが珍しくて慌てて撮りました。そっくりな泣き顔が愛くるしい!」。

楽しく子育てできているのはカメラのおかげ

実はカメラを始めたばかりの頃はおしゃれな写真に憧れて、流行りの映えスポットでちょこんと娘を座らせてみたり、お花畑をバックに歩かせてみたり、撮るために出かけることのほうが多かった気がします。あるとき撮りためていた写真たちを見返して、残したいのは本当にこういう写真なのだろうかと疑問を抱くようになりました。毎日見る子どもたちの寝顔、育児に手一杯で荒れたリビング......日常に転がっているなにげない瞬間が未来の自分の宝物になるのではないか、そう気づいてからは、飾らない日々の写真を残しておこうと思うように。毎日子どもと一緒にいるとつい忘れてしまいがちですが、子どもとの暮らしというのは、すごく尊いものだと思うのです。おむつ替え、ご飯を食べさせてあげること、一緒にお風呂に入ること。ずっと続くわけではなく、終わりがあって、しかも気づけばいつの間にか終わっている。そう考えるとやはり、未来の自分のために写真を残しておきたい。正直、子育ては大変で、毎日同じようなことの繰り返しだし、自分の思い通りにはいかないし、面倒なことばかり。だけど、ぐちゃぐちゃの泣き顔も、撒き散らされたティッシュペーパーの残骸も、泥だらけで帰ってきても、この瞬間を残しておこうとカメラを手にすると、なんだかクスッと笑えて気持ちが晴れるんです。長女が生まれて5年間、楽しく子育てできているのは間違いなくカメラのおかげ。それが私にとって「暮らし」を撮る一番の魅力です。

GENIC vol.74 Every day, Greatest day 子どもたちの日常

GENIC vol.74

2025年4月号の特集は「It’s my life. 暮らしの写真」。

いつもの場所の、いつもの時間の中にある幸せ。日常にこぼれる光。“好き”で整えた部屋。近くで感じる息遣い。私たちは、これが永遠じゃないと知っているから。尊い日々をブックマークするように、カメラを向けてシャッターを切る。私の暮らしを、私の場所を。愛を込めて。

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