サステナブルなオーストラリア旅へ。2023年最新レポート「ゴールドコースト＆バイロンベイ」編

クイーンズランド州の南東部に位置する、世界屈指の観光都市「ゴールドコースト」。オーストラリアの中でも人気のビーチリゾートで、サーフィンやボディボードなどを目的に訪れる人も多くいます。ビーチ沿いに林立する超高層ビル群が名物で、どこまでも続く砂浜が魅力の「サーファーズ・パラダイス」は世界的に有名。ビーチだけでなくグルメやショッピングを楽しんだり、テーマパークで遊んだり、少し足を延ばすと大自然を満喫できるスポットがあったりと、見どころも遊びどころも満載です。

世界最大の亜熱帯雨林が広がる「ラミントン国立公園」。ゴールドコーストの中心地からは車で約1時間半、大自然と一体になれるアクティビティが満喫できるスポットで、ラミントン国立公園を含む大森林地帯は「オーストラリアのゴンドワナ多雨林群」として世界遺産にも登録されています。標高約900mのところにあり、着いた瞬間から少し肌寒いと感じるほどの避暑地。日本でいうと、軽井沢と同じような標高です。敷地内にはレストランやショップなどを有するリゾート「O'Reilly's Rainforest Retreat（オライリーズ レインフォレスト リトリート）」もあります。

今回は半日でラミントン国立公園内を巡りながら、歴史や文化、動植物に関することを学べるグッドツアーに参加。ラミントン国立公園は、有袋類、鳥類の種類の多さが国内有数で、野鳥への餌付け体験では、色鮮やかな鳥たちが餌を食べている姿を間近で観察できます。

さまざまなウォーキングコースがありますが、吊り橋が楽しめるツリートップウォークがおすすめ。珍しい植物などを見ながら歩きやすいウッドウォークを歩き進めると、木々の間に架けられた吊り橋に到着です。

1987〜1998年に作られたという吊り橋は、地上約15mの高さに架けられており、全部で9本。鳥になった気分で森の中のさまざまな動植物の観察をしながら、世界自然遺産の森の空中散歩を楽しめます。家族でも参加できるほど、カジュアルなウォーキングコースです。

＜所在地＞QLD Lamington National Park Road
＜駐車場＞あり（無料）

入場無料

＜車＞サーファーズ・パラダイスから約1時間30分、ゴールドコースト空港から約1時間40分
、ブリスベンから約2時間

＜住所＞O'reilly Lamington National Park Road QLD 4275
＜TEL＞+61 7 5544 0644
＜駐車場＞あり（無料）

2022年10月にオープンした「THE LANGHAM GOLD COAST」は、独特な形の外観が印象的なラグジュアリーホテルです。ゴールドコーストのビーチの目の前に位置し、ビーチフロントに直接アクセスできます。

部屋の窓から、ゴールドコーストならではの真っ直ぐ続くビーチラインを見渡すことも。

ホテル内には、7つのレストラン、屋外プールに屋内プール、サウナ、フィットネスセンター、などがあり、充実した滞在時間を過ごせます。また、ホテル棟とは別にレジデンス棟も。

ガーリーな雰囲気のラウンジでいただける、アフタヌーンティーも人気です。

＜住所＞38 Old Burleigh Rd, Surfers Paradise QLD 4217
＜TEL＞+61 7 5638 8888
＜駐車場＞あり

＜車＞サーファーズ・パラダイスから約10分、ゴールドコースト空港から約40分

「バイロンベイ」は、オーストラリア最東端にある小さな港町。オーストラリア最大の都市・シドニーと同じ、ニューサウスウェールズ州内にあります。ゴールドコーストとは対照的に、高い建物や大型ショッピングモールなどはありません。サステナブルとスローの街で、手付かずの自然や美しいビーチが広がり、ゆったりした時間が流れます。ファーストフードのチェーン店がほとんどなく、地元の無農薬野菜などをふんだんに使ったオーガニックレストランやカフェが多い、まさに“オーガニック天国”。お洒落なカフェやレストラン、雑貨屋も多くあり、女子旅に人気のエリアです。
ゴールドコーストからのアクセスは、レンタカーかシャトルバスで。シャトルバスの所要時間は、空港からは約1時間、サーファーズ・パラダイスからは約1.5時間です。ただ、バイロンベイ内は、電車やバスが走っていないので、車か自転車での移動になります。スタイルに合わせてチョイスを。

「The Farm Byron Bay」は、食べ物がどのように育てられ、生産されているかを、見たり体験したりしながら学ぶことのできる“参加型”農場です。広大な敷地には農場だけでなくカフェ＋レストランやベーカリー、ショップ、子供の遊び場などもあり、一日中いても飽きることがありません。バイロンベイの市街地からは車で約15分と好アクセス。

ガイドツアーに参加すると、環境の持続可能性と土地の育成を第一に考えていることや、「GROW. FEED. EDUCATE. GIVE BACK.（育てる。飼う。教育する。恩返しをする）」というモットーのもと、農家の人が実際に働いている場所であるということがよく分かります。

広大な敷地を有する畑では、スプレー缶や化学薬品を使用せず、持続可能な農法で食べ物を育てています。野菜や果物のほかにオーガニック農法の花畑もあります。
放し飼いにされている牛や鶏は、敷地内のレストランやカフェ、農産物直売所で肉や卵として食べたり購入したりできます。

カフェ＋レストラン「THREE BLUE DUCKS（スリー・ブルー・ダックス）」で、ここで育てられた食材をありがたくいただきます。ナスのグリルは、お肉はなくてもしっかりボリューミーで満足度の高い一皿。ココナッツソースがとてもマッチしています。
テイクアウトメニューもあり、ベーカリーも併設しているので、敷地内でピクニックを楽しむこともできます。

農産物直売所では、地元産のはちみつやジャム、ソースなどが並んでいるので料理好きの人へのお土産に最適です。

＜住所＞11 Ewingsdale Road, Ewingsdale NSW 2481
＜TEL＞+61 2 6684 7888
＜営業時間＞月～木曜 7:00～16:00、金～日曜 7:00～22:00
＜休業日＞なし
＜駐車場＞あり（無料）

＜車＞サーファーズ・パラダイスから約1時間、ゴールドコースト空港から約40分

＜TEL＞+61 2 6190 8966
＜営業時間＞月曜 8:30～11:00、11:30～14:00
火～木曜 8:30～11:00、11:30～15:00
金曜 8:30～11:00、11:30～15:00、16:30～20:00
土・日曜 7:30～11:00、11:30～15:00、16:30～20:00
＜休業日＞なし
＜駐車場＞あり（無料）

「HUSK Distillers」は、カリブ海の島々でラム酒文化に出会ったポール・メッセンジャーが、家族とラム酒造りをスタートさせたことから始まった蒸留所です。サステナビリティと地元産の原料にこだわって造られたアグリコール・ラムは業界の専門家から賞賛され、数々の賞を受賞。2016年にオーストラリアで「BEST INNOVATION IN SPIRITS（蒸留酒部門ベストイノベーション賞）」を受賞しています。また、世界でも珍しく、二酸化炭素排出量を削減するために、サトウキビの搾りカスをボイラーの燃料として使用し、再生可能エネルギーで駆動させている蒸留所でもあります。
蒸留所の裏側を案内してもらいながらテイスティングを楽しめるツアーが人気で、連日多くの人が訪れます。

ラム酒生産から始まったHUSK Distillersは、ジンの生産も行っていて、鮮やかな青色が特徴の「インク ジン」が有名です。この鮮やかな色は、タイ原産の花「バタフライピーフラワー」から抽出した天然の色素だというから驚き。
インク ジンが面白いのは、トニックウォーターやレモンを入れると化学変化により紫色やピンク色へと変化すること。ほのかに甘みがあるので女性にも飲みやすいジンで、カクテルにもおすすめです。

＜住所＞1152 Dulguigan Road North, Tumbulgum NSW 2490
＜TEL＞+61 2 6675 9149
＜営業時間＞日～金曜 11:00～17:00、土曜 11:00～18:00
＜休業日＞なし
＜駐車場＞あり

＜車＞サーファーズ・パラダイスから約50分、ゴールドコースト空港から約20分、バイロンベイから約45分、ブリスベンから約1時間30分

ツイード川を巡りながら地元の食材を使った朝食をいただける、Tweed Escapes社提供のリバークルーズ。船に乗り込む前には、Biren Cultural Groupがダンスのお出迎えをしてくれます。将来を担っていくであろう少年も一緒に踊っていて、代々受け継がれてきた伝統をとても大切にしているのが伝わってきます。

心躍るダンスに気持ちも高まったところでクルーズ船に乗り込みます。すると目の前には、Blue Ginger Picnicsが用意したとっても素敵なピクニック空間が！そして、新鮮なフルーツやパン、ヨーグルトなどがずらり。マーケットでその時にしか手に入らないジャムなどもあり、朝から幸せいっぱいです。

クルーズ中はオーストラリアの先住民アボリジナルの人々にまつわるガイドがあり、伝統的に食べてきたブッシュフードを披露してくれます。たくさんの種類のブッシュフードを一度に味わえるという、貴重な体験ができます。

＜住所＞62 Soorley Street, Tweed Heads South NSW 2486
＜TEL＞+61 422 405 011

「Tweed Regional Gallery & Margaret Olley Art Centre」は、ツイード地域のアボリジナル文化を重んじることを掲げて作られた美術館で、彼らの文化にまつわる興味深い展示が積極的に行われています。また、オーストラリアを代表する画家、マーガレット・オリーの作品を見ることのできる美術館でもあります。

建築家バド・ブラニガンが設計した建物は木が随所に使われていて温かみを感じます。どの窓からも美しい景色が望め、気持ちの良い時間を過ごせます。屋外にも作品があり、散歩しながら鑑賞できるようになっています。

ギフトショップにはオーストラリアのアーティストの作品が並び、ここでしか出会えないものもたくさん。

美術館に併設されたレストラン「Apex Dining」。天気のいい日は、景色の良いテラス席で気持ちの良い風を感じながらのランチがおすすめです。たくさんの食材が入ったサラダボウルは、満足感がありながらもヘルシーな一皿。

＜住所＞2 Mistral Rd, South Murwillumbah NSW 2484
＜TEL＞+61 2 6670 2790
＜営業時間＞水～日曜 10:00～17:00
＜休業日＞月～火曜
＜駐車場＞あり

入場無料

＜車＞サーファーズ・パラダイスから約50分、ゴールドコースト空港から約30分、バイロンベイから約40分

美しい海岸線と長距離にわたる白浜で有名なキングスクリフビーチで、手つかずの湿地帯やマングローブの中を見られる「Watersports Guru カヤック体験」。朝の気持ちの良い光と澄んだ空気の中、カヤックをスタートします。

少し漕ぎ進めると、マングローブが見え始めます。都会からこんなに近くの場所にマングローブを見られるスポットがあるなんて驚きです。折り返し地点付近では一度カヤックをマングローブに停め、透き通った川でスイミング。泳いでいる魚が見えるほどの透明度の高さです。

移ろう川沿いの景色を眺めながら、ただカヤックの上でボーッと過ごす時間はとても贅沢でスペシャル！このカヤック体験はサクッとできるのに自然を満喫できるのでイチオシです。

＜住所＞Sutherland Street, Kingscliff NSW 2487
＜TEL＞+61 430 082 890

店名の「GALLURA」は、イタリアのサルディーニャ島にある町の名前。店名の通り、陽気な南イタリアのような雰囲気の中、オーストラリアとサルデーニャ島の両方から調達した質の高い食材を使った、新鮮なシーフード料理や手打ちパスタなど、本格的なサルディーニャ料理がいただけます。
店内の壁には、タコの大きなイラストが。シーフードが豊富な南イタリアでは、タコを使った前菜はメジャーな料理です。

サフランのリゾットには生のツナが添えられていて、この組み合わせは絶品！ワインリストには、サルディーニャ島のワインがあるので、お店の人に料理に合うものをセレクトしてもらうのがおすすめです。

＜住所＞1/20 Stuart Street,Tweed Heads NSW 2485
＜TEL＞+61 7 5536 2011
＜営業時間＞水・木曜 17:00～21:00
金・土曜 12:00～14:30、 17:00～21:00
日曜 12:00～15:30
＜休業日＞月・火曜
＜駐車場＞あり

ホテル「Raes on Wategos」にある人気レストラン「Raes Dining Room」。バイロンベイとその周辺地域から調達した、新鮮な最高級の食材を使用し、地中海の影響を受けたモダンなオーストラリア料理を提供しています。
店内は白を基調とした内装にウッドやラタンなどナチュラル系の家具が配置された、温かみのある空間。窓が全開で半テラスのようになっており、海から波の音が聞こえてきて、心地良い時間を過ごせます。

イカ墨が練り込まれたタリオリーニは、ほぐされた蟹とシャンパン＆蟹から作ったソースを絡めて。イカ墨のコクとソースのクリーミーな風味の相性は抜群です。

＜住所＞6-8 Marine Parade, Byron Bay NSW 2481
＜TEL＞+ 61 2 6685 5366
＜営業時間＞ランチ 12:00～
ディナー18:00～until late
※朝食は宿泊客のみ利用可
＜休業日＞ランチ なし
ディナー 日曜
＜駐車場＞あり

Tweed Coast （ツイードコースト）のカバリタ・ビーチの前にあるホテル「Halcyon House」 。

青と白を基調としたクリーンなカラー使いとパームツリーのコンビネーションが、ビーチフロントステイの気分を上げてくれます。プールサイドでカクテルを飲みながら、ゆったりとした時間を過ごすのも◎。

オーストラリアを拠点に活動するインテリアデザイナー、アンナ・スピロが手がけた部屋は、全室異なるデザイン。アンティーク家具や布張りの壁、飾られているアート作品、鮮やかなファブリックなども部屋によって違います。

ベッドサイドには、ゲストの滞在中のスケジュールがプリントされたカードが！スペシャルな演出に驚きます。

目の前のビーチはホワイトサンドビーチで、歩くとキュッキュッと音が鳴るほどの細かい砂。サンセット時にピンクに染まった姿も美しいです。

ホテル内にあるレストラン「Paper Daisy」では、地元産の食材にこだわるモダンオーストラリア料理が味わえます。レストランも客室と同じくアンナ・スピロが手がけていて、現地の雰囲気を感じることのできる居心地の良い空間。店内からはホテル内のプールを見下ろすこともできます。

オーストラリアではスーパーマーケットでも売られているカンガルーのお肉。日本では馴染みがなく少し勇気がいりましたが、折角なのでトライ！カンガルーのお肉はヘルシーで臭みがなくさっぱりしていて、タルタルも食べやすかったです。

Halcyon House内にはトリートメントスパ「Halcyon Spa」があり、オーストラリアの100％自然成分ブランド「Sodashi（ソダシ）」を使った施術を受けることができます。まずはスチームサウナに入って心身ともにリラックス。潤いをチャージして身体も温まってきたところでマッサージをしてもらいます。

ホテルの部屋同様に各部屋違うデザインで、待合スペースもとってもレトロかわいい。
マッサージに使用するオイルは、3種類から目隠しで好きな香りをチョイス。直感でピンときたものを選びます。マッサージの強さも希望を確認してくれるので、自分が心地良いと思える強さで施術してもらえて大満足です。

施術後はテラスにあるデイベッドで、お茶を飲みながらゆっくり。心身ともにリラックスしながら贅沢時間を。

＜住所＞21 Cypress Crescent, Cabarita Beach NSW 2488
＜TEL＞+61 2 6676 1444
＜駐車場＞あり

バイロンベイの中心街から車で約5分のところにあるホテル「Crystalbrook Byron」。街から近いのにもかかわらず、亜熱帯雨林に囲まれています。自然をバックにプールサイドでゆっくりする時間は最高です。

エントランスを抜けると亜熱帯雨林に入り、設置されたウッドボードを部屋まで歩いて行きます。道中イグアナに出会ったりワラビーが駆け抜けていったり、ホテルの敷地内とは思えない体験も。

ホテル内のレストラン「FOREST（フォレスト）」は、ホテルから車で3時間以内の地域で生産された地元食材を使用。バーでは地元食材を使用したカクテルや、サステナブルワイン、オーガニックワインなどが楽しめます。

客室はレジデンスタイプでとても開放感があり、キッチン付きのリビングルームにベッドルーム、大きなバスタブのあるバスルームなど、十分すぎる広さ。備え付けの洗濯機では、旅行中の溜まった洗濯ができるので便利です。
オーストラリアは基本どのホテルもアメニティ類はエコを意識していて、シャンプー類も全て大きなボトルに入っています。必要以上の物が設置されておらず、宿泊していて気持ちが良いです。

テラスや窓からは広大な亜熱帯雨林を眺められます。朝は窓から木漏れ日が差し、鳥たちの鳴き声がBGMに。ゆったりとした時間が流れ、日々の忙しさを忘れさせてくれます。

＜住所＞21 Cypress Crescent, Cabarita Beach NSW 2488
＜TEL＞+61 2 6676 1444
＜駐車場＞あり

美しいビーチで遊んだり、おしゃれなカフェを巡ったりするのは、ゴールドコーストとバイロンベイでの定番の楽しみ方。そこからもう一歩踏み出したい人は、ツアーに参加して、現地の人から直接色々なことを教えてもらったり、ローカルな体験をしてみてはいかがでしょうか。これまで見えていなかった面が見え、新たな魅力に気付けるはずです。先住民の歴史や文化について知見を広げられたり、国を挙げて持続可能な社会の実現に向けて取り組んでいることを強く感じ、将来の地球環境について考えるきっかけになったりも。旅をしながら学び、考え、新しい世界と自分の発見ができます。
2023年最新のオーストラリアレポート、次は美しい自然の魅力にあふれる「タスマニア」編です。