i_dauyu
フォトグラファー 埼玉県出身。大学在学中に趣味でカメラを始め、卒業後はフォトグラファーとして活動中。カメラ歴は約5年。YouTubeで、写真を撮るときの視点や構図の決め方などを動画で発信中。
愛用カメラ:Sony α77、Sony α6000、SIGMA fp、 iPhone12mini
愛用レンズ:Carl Zeiss Vario-Sonnar T* DT 16-80mm f/3.5-4.5 ZA、SIGMA fp 45mm F2.8 DG DN
Q.雨の日を素敵に撮るコツは?
A.雨に対してのネガティブな気持ちを上回る、写真への熱意が大切
「駅前に照明がスポットライト的な当たり方をしている部分があり、3分割構図を意識して撮影。かなり暗めにして非現実な雰囲気にし、ちょうど通りかかった赤い傘の人をアクセントに」。
F値を絞り、傘を持つ人と背景の両方にピントを合わせる
「傘を持つ人と街の風景を組み合わせて撮りたいことが多く、その場合は全体にピントが合うようF値を7.1〜9.0くらいまで絞ります。雨の日は光が暗くなりがちなので、明るさを確保するのにISOを上げますが、日中であれば基本的にノイズが気になることはないため、適正な露出になるように上げて撮影します。夜であればノイズが出やすい状況が多いので、できるだけ絞らないで撮る時も。または、夜の暗い雰囲気や、雨の少し不気味な感じを生かすために、そのまま暗く撮る場合もあります」。
「建物が歪まないよう水平・垂直を意識。雨で濡れたアスファルトの反射も面白かったので、広角めで撮りました」。
雨粒や水たまりなど、雨の要素を効果的に入れる
「カラフルな傘を入れると、何でもない風景がそれだけで印象的になることがあります。また、雨に濡れたガラス越しで撮ると、雨ならではの雰囲気を演出できます。その場合は、ガラスの奥に何があるか着目することが肝。夜であれば、窓ガラスの奥に光が来るようにすると、光が玉ボケして幻想的になります。僕が好きな要素は、赤い傘、雨に濡れたガラス、傘が密集した横断歩道、水たまり、公衆電話ボックス、構造の面白い建築物と水たまりの反射、水滴...」。
「傘を持つ人が真ん中でメインとなるよう、オレンジに光る水滴や窓の結露とのバランスを見極めているのがポイント」。
いい写真を撮りたい気持ちと、忍耐力が重要
「普通の傘をさし、特に雨よけのような道具は使いません。雨に濡れるのが嫌、外に出るのが面倒くさいというネガティブな気持ちを上回るような、写真を撮りたい熱意と、雨でもいいタイミングを待てる忍耐力が重要。撮影場所にこだわりはなく、近所を歩いてその時の感動や思いつきを大切にします。気分的にも、水が降っているという物理的にも、雨=ブルーという印象があるため、写真編集でも少しブルーがかった雰囲気にしています。また、雨はあまり関係ないですが、意図がない限り水平・垂直をきっちり守り、建物が極力歪まないよう意識しています」。
「渋谷の大きなデジタルサイネージ広告が、水たまりに反射。映像の色味によって水たまりの色合いが変わるので、色数が多い広告の瞬間をひたすら待って撮影」。
GENIC vol.67【撮影と表現のQ&A】i_dauyu/Q.雨の日を素敵に撮るコツは?
Edit:Satoko Takeda
GENIC vol.67
7月号の特集は「知ることは次の扉を開くこと ~撮影と表現のQ&A~」。表現において、“感覚”は大切。“自己流”も大切。でも「知る」ことは、前に進むためにすごく重要です。これまで知らずにいたことに目を向けて、“なんとなく”で過ぎてきた日々に終止符を打って。インプットから始まる、次の世界へ!
GENIC初のQ&A特集、写真家と表現者が答える81問、完全保存版です。