オリンさんにとっての日常とは?
「私にとっての日常とは、“もう一回”がやってこないもの。だからこそ私は今を生きることに楽しさを感じるし、そんな日常を写真に収めています」というオリンさん。 日々の暮らしのなかで思わずシャッターを切りたくなるのは、「二度と見られないだろうと感じたとき。 空は、雲の形や日が沈むまでの色の変化が毎日違うし、今日見つけた花は明日には枯れているかもしれない。 大切な人との時間を収めた写真には、そのときの特別な感情が込められていて、明日同じ写真を撮ろうとしても同じ感情や光景があるとは限らない。 もう一度見たい、と思う瞬間こそがシャッターを切るタイミングだと私は思います」。 そんなオリンさんにとって「日常を撮る」意味とは?「生きた証の綴りだと思っています。 シャッターを切ることは、自分がいるから成立することで、その日の感情があってこそ撮れる写真がある。 それが今を生きた証となり、日々の記録が人生という一冊の綴りになります」。 そんなオリンさんに、“もう一回”がやってこない日常をPEN E-P7で撮り下ろしていただきました。
フリーランスカメラマン・オリンがOLYMPUS PEN E-P7で切り取った日常
夏の訪れを感じる空の下、物語のワンシーンのような光景を
普段から見ている景色にモクモクとした雲が入ると、すぐさまカメラを向けてしまうというオリンさん。この写真もそんな1枚。「青空にモクモクとした雲、緑が溢れる散歩道に自転車が通り、物語が始まる瞬間に見えました。夏の始まりに向かって走っているかのように、自転車が道の真ん中に来るタイミングを狙ってシャッターを切っています」。できるだけ広角で全体の雰囲気を写し出すため、M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8を使用。「自転車と同じ目線のアングルで、真ん中に人が入るように撮影しました。緑いっぱいののどかな景色を、全身で堪能しているかのように表現できたと思います」。
マクロレンズで雨に濡れた花びらの美しさをクローズアップ
梅雨の時期、ある雨上がりの日に、散歩道で撮ったお花。「雨に塗れた花びらがツヤツヤときれいだったので、ぐんと寄って遠目では伝わらない花の美しさを表現しました。優しい光が当たっていたので、自然な姿が撮れたと思います」。この写真はオリンさんがPEN E-P7でもっとも気に入ったという、チルト式液晶モニターを活用して撮影。「撮りたいアングルに合わせて液晶画面を動かせるので、無理な体勢にならずに撮れるのが便利。この花は低い位置に咲いていたので、液晶画面を真上に動かして撮影しました。花びらのツヤ感やカーブ、水滴の輝きを写し出すため、花の真ん中にピントを合わせて、ほぼ真上からのアングルで。レンズはM.ZUIKO DIGITAL ED 30mm F3.5 Macroを使用。マクロレンズで撮ると、肉眼では簡単には見られない細かい部分を写し出せるため、普段とは違う雰囲気の写真になり、対象物についての学びも得られると思いました」。
海外っぽい建物をおしゃれに切り取って旅気分の1枚に
朝のお散歩中、海外にありそうな三角屋根のおしゃれな建物を見つけて撮影。「海外で街歩きしているような雰囲気を表現しました。海外っぽさを強調するために、あえて屋根部分だけを写し、夏空の雲のモクモク感が伝わる位置でシャッターを切っています」。この撮影でもチルト式液晶モニターが役に立ったというオリンさん。「空を見上げると眩しかったので、顔は上げずに画面だけを動かして、確認しながら撮影しました。建物の立体感と奥行きが伝わるよう、斜め下からのアングルで、空と屋根の比率を2:1の構図に。ミニマルに屋根を入れ込むことで、三角屋根への目線誘導を狙っています。M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8を使いましたが、広い範囲を写すことができ、散歩中の景色の撮影に最適でした」。
間接照明のしっとりしたムードで切り取った夜のひととき
自宅で夜、ひと息ついた時間に撮った1杯のコーヒーの写真。こちらはちょっと演出を加えて。「飲み物の周りに小物やお花を添えることで、おしゃれな日常感を出してみました。夜のひとときであることがわかるように、あえて暗めに撮影しています。テーブルのライトのみにすることで、よりナイトタイムっぽさを演出」。こだわったのは構図とアングル。「斜め上からのアングルで、メインのコーヒーを中心に、対角線上に小道具を置くことでバランスを保ちました。 遠すぎず近すぎない、ほどよい距離で撮りたかったので、レンズは M.ZUIKO DIGITAL ED 30mm F3.5 Macroを使用。マクロレンズは今回が初デビューでしたが、被写体とレンズが触れるか触れないかぐらいのギリギリな距離でもピントが合い、繊細な部分まで写し出せるところに魅力を感じました」。
太陽の光でいきいきと輝いて見える造花を自然光でナチュラルに
「見慣れた光景のなかでも、 ポツンと何かが写り込むと絵になるなぁと感じる」というオリンさん。「自宅のテーブルに飾ってあるチューリップの造花も見慣れているはずなのに、そこで作業したり、食事をしたりすると、その場面に合わせた雰囲気が醸し出されて、一つの作品になります」。この写真はお昼どきに撮影。「太陽の光が差し込むなか、花が光合成しているような気がして、シャッターを切りました。まるで生花のように輝いて見えたので、自然な感じに仕上がるように、花が太陽の光で反射しているところを自然光で撮っています」。レンズはM.ZUIKO DIGITAL ED 30mm F3.5 Macro を使用。「テーブルの端に花器を置くことで、目線が花にいきやすいように。真横からのアングルで縦位置で撮ることによって、花のいきいきした感じを表現しました」。
照明のボケ感を味方につけてエモーショナルな雰囲気を演出
スタジオでもPEN E-P7を使ってみたくなってモデルさんを撮影したというオリンさん。「太陽光が届かないスタジオだったので、照明にはソフトボックスを使用し、柔らかい光が当たるようにしました」。ソフトボックスは、外部フラッシュやライトに取り付け、光をやわらかくしたいときや光を広げたいときに使うアイテム。背景に写っているのはシャンデリアです。「エモーショナルな雰囲気に仕上げたくて、シャンデリアの一部を前ボケにし、モデルさんが放っている輝きに見立てました。彼女のかっこいい感じを引き出したかったので、澄ました表情を狙って撮っています。やや斜め上から見下ろす感じのアングルなので、無理な体勢にならないよう、チルト式液晶モニターを使って単焦点レンズ M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8で広角めに撮りました」。
今、目の前にある夕焼けをアートフィルターで鮮明に記憶
「夏の始めの夕暮れどき、散歩道で見た空を撮影しました。夕焼けは日常的に見られるものですが、今ここに広がる景色のこの色合い、この雲の形は二度と見られないと思って」とオリンさん。「見たままのアングルで縦位置に撮ることで、暮れなずむ空の広さを切り取っています。また、太陽が完全に落ちる寸前は、彩度の強い夕焼けが見られるため、そのタイミングで撮れる時間帯を狙いました」。夕焼け空をよりドラマティックに表現するために使用したのが、オリンさんお気に入りのアートフィルター機能。「ライトトーンがジブリの世界のような優しいふんわりとした色味で気に入ったのですが、この写真ではポップアートを使いました。肉眼で見る夕焼けよりも濃く、鮮やかに写し出してくれるので、より幻想的な写真に仕上がったと思います。レンズは空の壮大さを出すために、標準ズームレンズ M.ZUIKO DIGITAL ED14-42mm F3.5-5.6 EZを使用して、できるだけ広角で撮りました」。
向かってくる赤い電車が夏休みの旅のワクワク感を表現
旅が始まりそうな瞬間を表現したくて撮った1枚。「私の心をワクワクさせてくれるレトロな赤い電車を、夏が始まる7月の景色とともに写し出したいと思いました。これから夏休み、旅が始まる!という高揚感を表現するため、電車が向かってくるタイミングを狙って、2/3が空になるような構図に」。 レンズは標準ズームレンズ M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZを使用。「これ1本でかなり幅広い表現ができます。機能性も高く、サイズが小さくて持ち運びもしやすいのでお散歩にもぴったりの、魅力的なレンズです」。
オリンさんが「OLYMPUS PEN E-P7」を使ってみて感じたこと
日頃からオリンパスユーザーで、PEN E-PL10 を使用していたことがあるというオリンさん。「私自身、見た目の可愛さに惹かれていたことを思い出しますが、これまでのPENは白を基調とした色や女性向けのデザインというイメージでした。今回のE-P7はフィルムカメラっぽい見た目で、男女問わず持ち歩きやすく、より“本格的なカメラ”感が増したように思います」。オリンさんは本体を箱から取り出した瞬間、その軽さにまず驚いたそう。「肩に掛けても気にならない軽さで、持ち運びが便利。そしてこんなコンパクトなカメラなのに、現像したときの画質の良さに驚きと魅力を感じました。写真をスマホに取り込むとよりわかる、きれいな画質!私の撮る作品は色鮮やかさが特徴で、普段は編集時に彩度を足していますが、PEN E-P7の“撮って出し”の鮮やかな色味は、私の作風にもぴったり。機能性も想像以上で、写真の雰囲気を変えられるアートフィルターの種類も多く、シャッタースピードやF値なども簡単に変更できて、臨機応変に撮影ができるのも優秀です。撮りたいイメージに合わせて、フィルター効果を確認しながらタッチ画面で選べるので、初心者の方も写真の楽しさが味わえるカメラだと思います」。
オリン
フリーランスカメラマン 1999年生まれ、鹿児島県奄美大島出身。カメラ歴5年。看護学生時代にカメラを始め、2021年より本格的にカメラマンとして活動開始。心が揺らぐ言葉と写真を組み合わせた「オリンの世界」をSNS中心に発信中。一般の方から企業まで、それぞれの想いに寄り添いながらポートレート、商品、作品撮りなど幅広い分野の撮影を手掛ける。
次は写真作家・高橋伸哉さんの登場です。
オリンさんがE-P7をバトンタッチするのは、写真作家の高橋伸哉さん。オリンさんに高橋さんの印象をお聞きすると…「伸哉さんとはまだ一度もお会いしたことがありませんが、お写真をいつも拝見しています。伸哉さんが写し出す女性のお写真は、ただ女性がポーズをとっているだけではなく、女性しか持っていない美しさや魅力的な部分を引き出しているように感じるんです。女性である私でも気づかない、女性の魅力に気づける伸哉さん。ポートレートを撮っている私にとって、憧れの存在です」とのこと。次回、その高橋さんがPEN E-P7で切り取った日常写真をお届けします!
高橋伸哉
写真作家 1972年生まれ、兵庫県出身。人物、風景、日常スナップ、企業案件などの撮影を手掛けるフリーランスフォトグラファー。旅や写真に関する記事の執筆や写真教室の開催など、マルチに活躍。著書「写真からドラマを生み出すにはどう撮るのか」(インプレス)発売中。
リレーに使用したカメラ「OLYMPUS PEN E-P7」商品情報
「OLYMPUS PEN E-P7 ボディー」
オープン価格
カラー:シルバー/ホワイト
「OLYMPUS PEN E-P7 14-42mm EZ レンズキット」
オープン価格
キット内容:
ボディー(シルバー/ホワイト)
M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ
※装着されるレンズはボディー色ホワイトの場合はシルバー、ボディー色シルバーの場合はブラックとなります。