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フォトグラファーが行く、モロッコ旅行記-第1回 首都ラバト。旧市街の要塞カスバと未完成のハッサンの塔

全5回の連載「フォトグラファーが行く、モロッコ旅行記」(7泊10日)。フォトグラファー安藤マミコが、モロッコ政府観光局のプレスツアーで訪れた街や名所をレポートします。
第1回は首都ラバト。要塞の町ウダイヤのカスバ、未完成の巨大ミナレット・ハッサンの塔、ムハンマド5世霊廟、ブー・レグレグ川のボートライド。そして街角で出会った猫たちまで、世界遺産都市ならではの魅力を、フォトグラファーならではの視点とコメントでお届けします。

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目次

モロッコを旅したフォトグラファー 安藤マミコ

安藤マミコ

フォトグラファー 埼玉県出身。二児の母。結婚・出産後かねてからの趣味だった写真を本格的に始め、活動を開始。現在はポートレートを中心に、メディア、広告、ファッションなど活動の幅を広げている。
愛用カメラ:Sony α7 IV、Nikon New FM2、CONTAX T2
愛用レンズ:AI Nikkor 50mm f/1.4S、Sony Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA

モロッコってどんな国?

モロッコ王国(Kingdom of Morocco)は北アフリカの西端に位置し、大西洋と地中海に面した国で、アラブ、ベルベル、ヨーロッパの影響が交わる多彩な文化が息づいています。 公用語はアラビア語とアマジグ語(ベルベル語)で、都市部ではフランス語も広く使われています。一方で、観光地やホテルでは英語が通じる場面も多く、旅の中でさまざまな言語に触れることになるでしょう。

イスラムの祈りが響く街角に、ヨーロッパの影響を受けたカフェやアートも街に溶け込むモロッコは、伝統と現代が調和する国です。

ラバトとはどんな場所?モロッコの首都であり世界遺産の街

第1回はラバト(Rabat)。モロッコ北西部、大西洋沿岸のブー・レグレグ川の河口に広がる都市で、王宮や官庁が集まる政治の中心地。落ち着いた空気が流れる街で、2012年には都市全体が世界遺産に登録されました。近代的な新市街には行政機関や大通りが広がる一方で、旧市街(メディナ)には歴史的な建築が数多くあり、伝統的な暮らしが息づいています。

モロッコ旅行の始まり。カサブランカから首都ラバトへ

今回のモロッコ旅行は、日本からエミレーツ航空(Emirates Airline)を利用してカサブランカへ。主要な玄関口となるカサブランカ・ムハンマド5世空港(Aéroport Mohammed V de Casablanca)に到着し、そこから首都ラバトへと旅が続きます。

エミレーツ航空の機内では、ライトが時間帯に合わせて色を変え、夜になると星空が現れる演出がありました。とても幻想的で美しく、ドバイへ向かう途中にその雰囲気を感じられたのも嬉しいポイントでした。

ラバトに残る要塞の街、ウダイヤのカスバを歩く

城壁沿いの石畳から見上げる、ウダイヤのカスバの眺め。

ラバト観光の見どころの一つが、要塞の街ウダイヤのカスバ(Kasbah des Oudayas)。カスバとは敵の侵入を防ぐためにつくられた城壁に囲まれた地区のことです。

ウダイヤのカスバ入り口付近にある重厚な門を、内側から撮影した一枚。

ウダイヤのカスバへと続く道。

ウダイヤのカスバ内に広がる、白壁が美しい静かな通り。

大西洋沿いの穏やかな景色をつくり出している、白い壁に茶色の扉や窓が続く街並み。歴史的には要塞として築かれましたが、今では静かな住宅街として人々の暮らしが息づいています。

ウダイヤのカスバ内にある水飲み場。モロッコの伝統的なタイル細工「ゼリージュ」が施された、カスバを象徴する美しいスポットの一つ。

最初に訪れたときは、モロッコらしい建物の細部や、細い路地を行き交う人々の姿から、この場所で暮らす人々の日常が感じられました。翌朝、お店が開く前の静かな時間に再び歩いてみると、白い建物や大きな扉、タイルの装飾がより際立ち、同じ場所でもまったく違う表情を見せてくれました。

世界遺産ラバトのランドマーク、ハッサンの塔とムハンマド5世霊廟

ハッサンの塔(Tour Hassan)は、12世紀に建設が始まった未完成の巨大なミナレット。ミナレットとは、イスラム教徒が礼拝を行う宗教施設であるモスクに付属し、祈りの時間を告げるための塔のことで、イスラム都市を象徴する存在です。

塔の前に並ぶ石柱は、かつて巨大モスクの一部として建てられたものです。当時は木の屋根が架けられていましたが、ポルトガルとの戦いの時代に利用されたり、さまざまな不運が重なって失われ、今では柱だけが残っています。長い歴史の中で姿を変えながら、静かにラバトの時代の移り変わりを伝えています。

そのすぐ隣には、現国王のおじい様にあたるムハンマド5世とその息子たちの遺体が安置された、白亜の美しい霊廟が佇んでいます。イスラム圏では、尊敬される王や聖者のために壮麗な建築が築かれますが、この霊廟はその代表例として広く知られています。

ムハンマド5世霊廟のそばにある、タイル装飾が美しい沈み込み式の噴水広場。上から見下ろした一枚。

霊廟の入り口を守る、王室親衛隊の騎馬衛兵。赤・白・緑の正装が気品を放つ。

敷地内のモスクには今も多くの人が集まり、建物に入りきらない人たちは広場で祈りを捧げていました。入り口には騎馬の衛兵がいて、写真も快く撮らせてくれました。

ラバトのブー・レグレグ川で楽しむボートライド

ブー・レグレグ川(Bou Regreg)でのボートライドへ。やわらかな光に包まれた水面と川沿いの街並みが織りなす景色は、ラバトならではの体験です。かわいらしい青のボートに揺られ、穏やかな川から眺める街並みは、旅をやさしく彩ります。

ボートの上から眺める崖の上の街カスバの全貌は、とても静かで美しいものでした。日が暮れるにつれて変わっていく空の色と、川の揺れが重なり合い、おしゃれで心地よい時間を過ごせました。

番外編:モロッコの街角で出会った猫たち

ウダイヤのカスバ内でお昼寝中の猫。

ラバトの街角でも、旅の途中でふと目に留まるのは猫たちの姿。モロッコの道中では至るところで猫が暮らしていて、街の風景の一部として溶け込んでいます。

ハッサンの塔の広場付近でお散歩中の猫。

モロッコの街では、まるでみんなで猫を飼っているような雰囲気があり、どこを歩いてもたくさんの猫に出会えます。幸せそうにくつろぐ姿や懐っこさに、出会うたびに心が和みました。猫好きには本当に魅力的な国です。イスラム圏では猫がこんなにも敬愛され、共に暮らしているんだと実感しました。

もっとモロッコの魅力を知りたい方は、モロッコ政府観光局の公式Instagramもチェックしてみてください。

モロッコ政府観光局【公式】 Instagram

協力:モロッコ政府観光局 / Special thanks to The Moroccan National Tourism Office

「フォトグラファーが行く、モロッコ旅行記」全5回。モロッコの旅をたどる

このフォト旅行記は全5回。ラバトからマラケシュまで、モロッコ各都市の記事もあわせてご覧ください。

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