南 阿沙美
南 阿沙美 1981年生まれ、北海道出身。2014年キヤノン写真新世紀優秀賞受賞。高級感のあるファニーな写真と評され、役者、ミュージシャンの撮影や雑誌等でも活躍中。写真集『MATSUOKA!』『島根のOL』が発売中。
愛用カメラ:Canon EOS 5D Mark III/CONTAX T2/Nikon ニコマートFTN
❝歩いてたらある東京。❞
「東京って、実は特別ではないと思う。都市のイメージの下にある、フィーチャーされなくても既にずっとある景色や住んでいる人たちの妙なエネルギーが街の骨格のような気がする」
自分らしさやテイストを放棄しても残ってしまうものが“自分らしさ”
不自由から生まれる出来事も好き
東京で最初に住んだ街は西荻窪。
「住んでいた時はあまりお店とかへ行かなかったので、駅までのまっすぐな道以外よく知らなかったのですが、輪島功一ジムがあります。引っ越した後ときどき遊びにいくと、自分が以前どんな場所に住んでいたのか後から知る感覚があって面白いです」
都内を歩いていると、いろいろなものが“実際にここで作られている”ということを実感するそう。
「商業の中心というだけでなく、写真やアート作品なども発表する場が多いですよね。それゆえに見てもらうには力が要る場所だとも思う」
写真を始めたのは短大の頃。
「写真とは何なんだ? ということが、今でもわからないから続けていられるんだと思います」
❝今と昔とで、自分が違うから見え方も違う。❞
愛用のカメラは3台。中でもニコマートは初めて買ったカメラで、気がつけば20年使い続けているそう。
「同じ窓を覗いているのに、今と昔とで自分が違うから見え方も違うんです」
時間をかけて同じ被写体を追いかけることも多いという。
「12年撮り続けている親子がいて、もうすぐ子供が母親の身長を越すんです。他にも撮りためているものがたくさんあるので、後がつまらないようにスイスイとアウトプットしていけたらいいですね」
GENIC VOL.55【女性写真家が切り取る東京】
Edit:Yoko Abe
INFORMATION
GENIC VOL.55
テーマは「TOKYO and ME 表現者が撮る東京」