プロフィール
壹岐倫子
写真家 愛知県名古屋市生まれ。東京を拠点に活動。長年のダンス経験を背景に、写真を“動きの延長”として捉え、身体感覚を通じて可視を超えた存在に触れようとする。多重露光を用い、時間や感覚の断片を重ね合わせることで、レンズを通してしか捉えられない自然の現象を描き出している。森や川、花々などの自然物を撮影しながらも、そのイメージはしばしば抽象画や宇宙の光景のように立ち現れ、見る者に多様な印象と解釈を促す。この「重ねる」行為を通して、人と自然の記憶に潜む見えない真実へと近づく試みを続けている。
本展では、隅田川をモチーフに制作した新作写真シリーズを中心に、服飾作家・奥田早織氏による衣服作品、そして香りの演出を加えた空間を展開します。
私自身、舞踊を通して身体と向き合ってきた経験から、写真を「見るもの」としてだけでなく、身体で感じるものとして捉えてきました。写真、衣服、香りが重なり合うことで、川辺に立ったときの空気や光、水の気配をより立体的に感じていただければと思います。
写真がお好きな方はもちろん、アートやファッション、香りに興味のある方にも楽しんでいただける展示です。それぞれの感覚を頼りに、自由に作品と向き合っていただけたら嬉しいです。
ステートメントと展示作品の一部をご紹介
本作の出発点には、舞踊を通して培われた身体感覚がある。身体は目に見える対象を認識するだけでなく、光や空気、重力、流れといった言語化される以前の作用と絶えず関係を結んでいる。撮影行為は、そのような環境との応答の延長線上に位置している。作品に現れるイメージは、異なる瞬間に生じた光や運動の痕跡が重なり合うことで形成される。単一の時間や視点によって捉えられた風景は解体され、そこには日常的な知覚では捉えきれない複数の時間や運動の層が立ち現れる。眼前を流れる隅田川の水面は、光の反射や都市の気配を取り込みながら、その瞬間ごとに異なる表情を生み出している。重ねられた時間の軌跡は、川そのものを記録するのではなく、変化し続ける世界との関係性を映し出している。本作は、重ねられた時間の軌跡を通して、私たちが世界をどのように認識しているのか、その枠組みに静かな揺らぎをもたらす試みである。
── 壹岐倫子
壹岐倫子 写真展「river,830602」情報
開催日時
2026年6月20日(土曜日)~6月28日(日曜日) 13:00~18:00
入場料
無料
会場
ten tokyo
- 〒135-0031 東京都江東区佐賀2-1-17
- Google Map
行き方・アクセス
<電車>
東京メトロ半蔵門線「水天宮前駅」から徒歩で8分
東京メトロ東西線・都営大江戸線「門前仲町駅」から徒歩で14分
東京メトロ半蔵門線・都営大江戸線「清澄白河駅」から徒歩で15分
オープニングレセプション
2026年6月20日16:00~15分ほど
@yamasakiamiによるパフォーマンスLiveが予定されています。