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デジタルクリエイター大石結花が教える「はじめての動画レシピ」vol.4─レンズ交換とLog撮影でつくる、シネマティックな1分動画

デジタルクリエイターの大石結花さんに「はじめての動画レシピ」を教えてもらう全4回の連載。第4回は、レンズ交換をしてのLog撮影です。Canonの最新ミラーレスカメラ「EOS R50 V」は、シーンや表現に合わせてRFレンズを自由に交換できることも大きな魅力。さらに「Canon Log 3」を使えば、撮影後に色や雰囲気を自在に操れる本格的なカラーグレーディングが可能です。今回は、レンズ交換とLog撮影を組み合わせたシネマティックな1分縦動画のレシピをお届けします。ぜひ参考にしてください。
(撮影&テキスト:大石結花 撮影機材:EOS R50 V)

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目次

プロフィール

大石結花

NY在住。東京とシリコンバレーでテック企業に勤務した後、独立。ソフトウェアとハードウェア両方に深い関心を持ち、AIやVRなど新しい技術にも積極的に挑戦するデジタルクリエイター。
YouTubeでは、ガジェットレビューやチュートリアル、Vlogを通じて、テクノロジーを活用したクリエイティブで充実したライフスタイルを提案する。

レンズで表現を変えて、Log撮影をしてみよう!

Vol4 v2

これまで3回の連載で、R50 Vを使ってはじめて動画にチャレンジする方でも、簡単に色々な形式の動画に挑戦できる方法を紹介してきました。今回は更にステップアップできる、レンズ交換とLog撮影・編集について紹介したいと思います。
R50 Vのキットレンズは、本当に優秀で、様々な状況に対応してくれるオールラウンダーですが、このレンズに慣れてきたら、別のレンズに交換してみると、世界の見え方がガラリと変わり、切り取りたい瞬間にも変化があるかもしれません。それがレンズ交換式の楽しさだと思います。
また、今まではカラーフィルターで撮って出しで簡単に動画の色味を変えてきましたが、R50 VではCanon Log 3という本格的なLogフォーマットで撮影できる機能もあるんです!編集の段階で色を調整するステップが入ってくるので少し手間は増えますが、自分の思い描いた雰囲気が再現できた時はたまらなく楽しいですし、日常の思い出を好みの色で残せるなんて、なんて素敵なことなんでしょう。
ぜひこの記事を参考に、チャレンジしていただけたら嬉しいです。

「シネマティック動画」レシピ

材料

カメラ:EOS R50 V
レンズ:RF-S14-30mm F4-6.3 IS STM PZ、RF 50mm F1.8 STM、RF-S 10-18mm F4.5-6.3 IS STM
撮影場所:日中の公園
味つけ:DaVinci Resolveなど動画編集ソフト、お好きなLUT

下ごしらえ

・レンズプランを立てる
 どのシーンをどのレンズで撮るか、あらかじめイメージしておくとスムーズ
・NDフィルター:あるとなお良い

STEP1 シーンに合わせてレンズを選ぶ

レンズを交換すると、撮れる絵がガラッと変化します。同じ被写体と構図でも、レンズが変わると顔の写りも、背景の近さも変わって見えます。ズームレンズも便利ですが、単焦点の50mmは背景のボケ感や圧縮度によって「シネマティックさ」が増します。

14-30mm

RF-S14-30mm F4-6.3 IS STM PZ(キットレンズ)は、広い公園や水辺の全景を収めたい時に。広角の画角で、背景までしっかり映し込みます。14mmから30mmまでズームできるので、ズームをしながらバリエーションを出せます。

50mm

RF 50mm F1.8 STM(APS-C換算 80mm相当)は、ピノ(愛犬)の表情や毛並みをふんわりと切り取れる中望遠レンズ。ディテールの雰囲気を伝えるために使うのもいいし、遠くから望遠レンズのように使うとまるで映画のワンシーンのように被写体が際立ちます。

10-18mm

RF-S 10-18mm F4.5-6.3 IS STMは、超広角のパース感を活かし、環境の様子を映すのに向いています。犬の顔に近づけて撮るのも可愛いし、低いアングルから撮ってみるのも面白いです。

STEP2 フレームレートとシャッタースピードを設定

24fps

シネマティックな映像を撮る際には、実はシャッタースピードの設定がとても重要です。これは1コマ1コマをどれくらいの時間を開けて撮るかを表す数値で、動きのなめらかさや自然さに直結します。もしシャッタースピードが速すぎると動きがカクカクしてぎこちなく見え、逆に遅すぎると全体がブレたように感じられます。このブレ具合は「モーションブラー」と呼ばれ、私たちの目が普段見ている自然な動きに近づけるためにとても重要です。
そこで基準になるのが「180度の法則」。これは映画の撮影でも長年使われてきた考え方で、シャッタースピードはフレームレートの約2倍の逆数に設定するというものです。たとえば24fpsで撮るなら1/50秒、60fpsなら1/120秒に設定します。こうすることでモーションブラーが自然になり、見ていて心地よい映像になりますし、映画のような「シネマティック」な映像を撮影することができます。
動きの自然さを保ちながら適切な明るさを得るには、可能であればNDフィルターを使用すると理想的ですが、持っていない場合はフレームレートを上げることで明るさを抑える方法もあります。

60fps

24fpsで撮影したカットは、そのまま24fpsのタイムラインに配置し、自然な動きのまま使用しましたが、60fpsで撮影したカットは、24fpsのタイムラインに配置する前にフレームレートを変換し、スロー動画にしました。ドラマティックに見せたいピノの表情のアップや、私と一緒に歩いている部分は60fpsで撮影したものです。R50 Vの撮影ならスロー&ファストモードを使えばその場でスロー撮影ができる利点がありますが、これまでの連載でスロー&ファストモードをご紹介してきたので、今回自分で設定する方法もご紹介しました。

STEP3 Canon Log 3で撮影してみよう

vol. 4 color grade

Log撮影やカラーグレ-ディングにはじめて挑戦する方に分かりやすい例えは「塗り絵」です。すでに色が塗り込まれている状態のところに、別の色を載せようとすると思い通りに行かないけれど、薄い色の上に色を載せたり、薄い色をより濃くしたりすることで、好みの色味に塗れるイメージができると思います。Log撮影からのカラグレはそれにとても近く、薄い塗り絵の土台から色を載せたり濃くしたりしていくことで、理想の雰囲気に近づけていく作業です。

これまでの連載ではカラーフィルターを活用して、撮って出し前提で撮影してきましたが、今回は自分でカラーグレーディングを行うために、カラーモードで「カスタムピクチャー」を選び、あえて映像が薄く記録されるCanon Log 3を選択しました。広いダイナミックレンジ(約800%)で、明暗差の大きい屋外撮影でも階調豊かに記録でき、Cinema Gamutに対応しているため色補正の自由度も高く、後から雰囲気を自在に変えられます。

TIPS! DaVinci Resolveでカラグレ

カラグレは映像制作の中でも奥が深く、プロの現場では非常に高度な作業です。しかし、Vlogであればそこまで身構える必要はありません。特に1分程度のショート動画は、長さが短く取り組みやすいので、練習や試行錯誤にもぴったりだと思います。私は普段DaVinci Resolveを使っていますが、Final Cut Pro、Premiere Proなどの編集ソフトでも同じことが可能です。DaVinci Resolveは、カラータブひとつで色調整のすべてを完結できるところが気に入っています。
私のワークフローは、まずタイムライン全体にACES Transformという変換ノードを適用し、Canon Log 3という撮影時の薄い色味から標準的な色と明るさであるRec.709という規格に変換します。さらに自作のLUT(カラーフィルターのようなもの)を適用して、全体の雰囲気を整えます。その後、各クリップごとに明るさやコントラストなどを微調整し、最終的な仕上がりに近づけていきます。

メッセージ

4回にわたってお届けしてきた「はじめての動画レシピ」を最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます。
この連載を通して、EOS R50 Vを使った動画制作の面白さや、レンズ交換・Log撮影・カラグレなど、ちょっと踏み込んだ表現方法にも気軽に挑戦できることを感じていただけたなら嬉しいです。動画制作は、正解がひとつではなく、自分だけのスタイルを見つけていく過程そのものが楽しみのひとつです。今回のレシピをきっかけに、日常のワンシーンをもっと自由に、もっと自分らしく切り取ってみていただけたら嬉しいです。

撮影に使ったカメラ EOS R50 V

被写体を美しく際立たせる大きなボケ表現や、スロー&ファストモーション動画、映画やドラマ、 MVなどで使用される雰囲気のある映像表現を手軽に撮影できる「シネマビュー」など、本格動画性能が詰め込まれたエントリー機。2か所の動画撮影ボタンや動画モードダイヤル、低速と高速のなめらかなズームレバー、ライブ配信ボタンなどの各種操作ボタンが配置され、快適な撮影の実現へと導きます。グリップや三脚穴の配置など縦位置の撮影もしやすく、縦フォーマットであるスマートフォンやSNSとの親和性が高いこともうれしい点です。
また、キットレンズRF-S14-30mm F4-6.3 IS STM PZは、EOS R50 Vのために開発されたズームレンズで、RFレンズで初となる、なめらかな「電動ズーム」を搭載。画角は常用しやすい広角~標準域をカバー。レンズ単体で約181gという軽さを誇り、カメラとセットでも約551g(バッテリー、カードを含む)。片手でもさっと構えて撮影でき、速く正確なAF機能もあいまって、撮りたい瞬間を逃しません。

EOS R50 Vはこちらから

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