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プロフィール

大石結花
NY在住。東京とシリコンバレーでテック企業に勤務した後、独立。ソフトウェアとハードウェア両方に深い関心を持ち、AIやVRなど新しい技術にも積極的に挑戦するデジタルクリエイター。
YouTubeでは、ガジェットレビューやチュートリアル、Vlogを通じて、テクノロジーを活用したクリエイティブで充実したライフスタイルを提案する。
- Instagram / Threads / YouTube @yukaohishi @yuka
旅の思い出を撮ってみよう!
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私は、YouTubeなどで誰かのVlogを見るのも、自分がアップするのもとても好きです。見ているだけでも一緒に時間を過ごしているような感覚になるのが楽しいですよね。YouTubeを始めて9年くらい経ちましたが、たまに昔の自分のVlogを見返すこともあります。
今回、スペイン・マドリードへ初めて訪れたのですが、スペインは7年前にバルセロナに行ったことがあり、その時にもVlogを撮っていたので、久しぶりに見返してみました。SNSにアップしなかったとしても、将来お金に変えられない貴重な財産となるので、動画作品として旅の思い出を残しておくことは誰にでもおすすめです。当時はCanonのEOS-1D X Mark IIというすごく大きなカメラを持ち歩いていたのですが、今ならR50 Vのようなコンパクトなカメラで身軽にVlogできることが改めて嬉しいですね。
今回は、気軽に挑戦できる旅Vlogのレシピをご紹介します。
「旅Vlog」レシピ
材料
カメラ:EOS R50 V
レンズ:RF-S14-30mm F4-6.3 IS STM PZ
撮影補助機材:ミニ三脚
撮影場所:旅行先
下ごしらえ
・C1に基本の設定
・S&Fの設定
STEP1 旅Vlog用のカメラセットアップ

旅Vlogは、今まで紹介したおうちでの撮影と違い、慣れていない場所で撮影することが多いので、気をつけた方がいいポイントがいくつかあります。まず第一に安全であること!自分や周りの人に迷惑をかけず安全に撮影すること、カメラが盗まれたりしないようにすることが必要です。
次に重要なのは、Vlogに気を取られすぎて「今」を楽しめなくなったら元も子もないということです。あくまでもVlogは、私にとっては楽しかった思い出を切り取る行為です。目的と手段を見失わないように。カメラのセットアップはなるべく事前に済ませ、持ち物は最小限に留めます。この日はミニ三脚と、カメラだけで出かけました。
STEP2 オリジナルの設定をモードダイヤルに登録
旅Vlogはとにかく機動力が命。パッと撮ってパッとカメラを仕舞いたいので、撮影のうち95%は、何も考えずに自分好みの設定で撮れるよう、モードダイヤルのC1にカスタム設定を登録して、瞬時にその設定を呼び出せるようにしておきました。私は4K24fps、4:2:2 10bit、ピクチャースタイルはオートからちょっとだけシャープネス、コントラスト、色の濃さ、色あいをカスタムしたものを設定しました。
STEP3 撮影してみよう

お出かけ中だとなかなか光のコントロールが難しいですが、明るすぎる時は日陰で撮影したり、室内に入ったら窓の位置を意識してカメラの向きを決めるなど、できる限り光を味方につけるようにするといいと思います。他にもVlogを撮影する際に気をつけているポイントを紹介します。
1.食べ物を美味しそうに撮影する
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料理やテーブルのディテールは30mm側にズームして撮影すると、シズル感が増し美味しそうに見えます。食べ物をナイフでカットするところを入れたりすると、動きも出てより魅力的になります。
2. 感想や解説を織り交ぜる
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綺麗な街並みや食べ物など、補足的な映像素材としてB-roll(ストーリーの核となる映像素材をA-rollといいます)を取り入れることは前提としつつ、さらに、時々自分が映って感想や解説のシーンを撮影して織り交ぜると、視聴者への情報量も増えるし、自分ならではの視点を残せると思います。今回は外部マイクを使いませんでしたが、編集でノイズを減らすなどして聞きやすくしています。
3. スローを効果的に使う
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スローは使いすぎるとちょっとくどいので、スパイスのように時折混ぜるのがおすすめです。「ここはスローにしようかな」と思ったら、パッとモードダイヤルを切り替えて「スロー&ファストモーションモード」で撮影開始できるよう、よく使うスローモード(私の場合は60fps)に設定しています。
ダイジェスト動画を作ってみよう
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横位置動画のダイジェストとしても、縦位置ショート動画としても活用できるダイジェスト動画。
今回は、3分割、画面いっぱい、横動画の縦位置切り出しを織り交ぜて作ってみました。一つ一つのカットは短くていいので、縦横を撮っておくとダイジェストが作りやすくなります。
TIPS!「置き撮り」のススメ

カメラを自分で持って撮影する「自撮り」の他に、カメラをどこかに置いて撮影する「置き撮り」も時折混ぜると、クオリティがワンランクアップすると思います。
自分の目線だけでなく、他者からの目線を加えると、今いる環境の雰囲気を伝えることにも効果的です。
カメラが盗まれたり、落ちたりしないように細心の注意を払って、撮影に向いている場所を探してみてくださいね。
メッセージ
いいVlogを作るには全てをずっと撮り続ける必要はありません。一つ一つのクリップが長すぎるとテンポが悪くなるので、私はB-rollは1クリップにつき5秒程度しか撮影していません。なので撮影するのも速いですし、自身や一緒にいる人にあまり負担をかけずに撮影できています。また、特に「オチ」がなくてもいいので、とにかく旅行を楽しみながら、楽しい瞬間を切り取るように意識してみてください。
撮影に使ったカメラ EOS R50 V

被写体を美しく際立たせる大きなボケ表現や、スロー&ファストモーション動画、映画やドラマ、 MVなどで使用される雰囲気のある映像表現を手軽に撮影できる「シネマビュー」など、本格動画性能が詰め込まれたエントリー機。2か所の動画撮影ボタンや動画モードダイヤル、低速と高速のなめらかなズームレバー、ライブ配信ボタンなどの各種操作ボタンが配置され、快適な撮影の実現へと導きます。グリップや三脚穴の配置など縦位置の撮影もしやすく、縦フォーマットであるスマートフォンやSNSとの親和性が高いこともうれしい点です。
また、キットレンズRF-S14-30mm F4-6.3 IS STM PZは、EOS R50 Vのために開発されたズームレンズで、RFレンズで初となる、なめらかな「電動ズーム」を搭載。画角は常用しやすい広角~標準域をカバー。レンズ単体で約181gという軽さを誇り、カメラとセットでも約551g(バッテリー、カードを含む)。片手でもさっと構えて撮影でき、速く正確なAF機能もあいまって、撮りたい瞬間を逃しません。