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【#とある私の5ルール:3 】市川渚

表現者たちそれぞれの、日々の“決めごと”。
毎日の生活の中で、これだけは譲れない。そんな自分だけの決めごとは、誰にでもあるもの。では、こだわりが強いクリエイターたちのマイ・ルールとは?
彼らが切り取る写真とともに、それぞれの日常に迫ります。
今回は、卓越したセンスが光るデジタルファッショニスタ、市川渚さんです。

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市川渚

クリエイティブ・コンサルタント 1984年生まれ、千葉県出身。ファッション関連のコンサルティング、コラム執筆、モデルなど多岐にわたって活動。YouTube「Nagisa Ichikawa」で、日常と旅に関してゆるく発信中。
愛用カメラ:Sony α 7 Ⅲ
愛用レンズ:ZEISS Batis 2/40 CF、TAMRON 28-75mm F/2.8 Di
III RXD (Model A036)、SIGMA 65mm F2 DG DN | Contemporary

こだわりを追い求めて

ファッションとテックに精通するクリエイターとして、こだわりあるライフスタイルを送る市川さん。「日常のベースとなる趣味趣向や思考は、夫と暮らすようになったという変化を経ても、おそらく20年くらい変わっていないかと思います。日頃から大切にしていることは、自分の発言や行動、表現行為に真摯に向き合うこと。今回挙げた5つのルールは、思考や身の回りのモノ、コトに対し、自分なりのこだわりを追い求めて過ごした結果、気づいたら出来上がっていたものたち。これらのルールは相互に作用して、写真、文章、動画など私自身のアウトプットの要所要所に生きていると思います」。

Rule01:持ち物は白かシルバーで揃える

「20年弱前にiMac G4という真っ白なMacを買ってもらってから、デスク周りのものを白で揃え始めたのがきっかけ。身の回りのものは白かシルバーしか買わないようにしています。白かシルバーがない場合は、自分で塗ったり貼ったりすることも。汚れやキズが目立ちやすい色なのでケアには気を使いますが、そんな手のかかるところも含めて好きです」。

「俯瞰で物を撮影する時は、グリッドを程よく崩しながらリズム感を大切にしつつ、テトリスのような感覚で並べています」。

Rule02:一度、自分でとことん考える

「情報過多な現代。新しい情報に対してアンテナを張っておくことも大切ですが、情報に振り回されてしまうのはもったいない。何か新しいインプットがあったら、すべてを真に受けず、まずは自分自身でとことん考えたり、調べたりするようにしています。その上で自分がどう思うか、どう受け入れるか、そんな自問自答を繰り返すことが、生きていく上での自分の”軸”を作ることにつながっているのかな、と思います」。

「自宅で撮った一枚。光の入り方がきれいなので、自宅では朝7時~9時くらいに自然光を使って撮ることが多いです」。

Rule03:時の移ろいを生きとし生けるものから感じる

「慌ただしい生活を送っていると、気づけばあっという間に時が経っていた、なんてことがよくあります。自分がどんなことをして日々を過ごすのかは自分自身の意思に委ねられていますが、自然は自分の意思とはまったく関係ないところで、変わらず時を刻み、季節を巡らせている。花や観葉植物を必ず部屋に置くこともそうですが、カメラを片手に散歩したり、季節の花を眺めたりして、自分の意思の範疇の外で生きるものたちの姿を見つめる時間を大切にしています」。

「春の初めに咲く、大好きなハクモクレン。どんな花も各々個性を持った姿が官能的で美しいのですが、特にがくやおしべ、めしべなどのパーツにぐぐっと寄って撮ると、より”生き物”ということを感じられる気がします」。

Rule04:つくり手の想いをそばに

「ガジェット、家電、ファッション、インテリア、工芸品など、デジタル・アナログ問わずにつくり手の真摯な姿勢やこだわりを感じさせるプロダクトが好きです。考えに考え抜かれて生まれたプロダクトを身の回りに置くことは、ストレスフリーなライフスタイルにつながります。特にファッションに関しては、実際に自分が身につけることで、服自体が持つ力が自分に自信をくれる気がします」。

「長年の友人でもあるAKIRA NAKAの服。着る側に戦いを挑んでくるような強さがあり、それを着こなせた時には力をもらえます」。

「朝のシャワー後に一息ついたら、お香を灯すのが日課。最近のお気に入りの陶芸家、megumi tsukazakiさんとビューティブランドSENNのコラボのお香立てと、数年前に購入した竹俣勇壱さんのトレー」。

Rule05:未来の視点を想像しながら、今の記録を残す

「『これは近い未来、どうなっているんだろう』『これを未来の人が見たら何て言うんだろう』なんて、少し先の未来の自分や誰かの視点を想像するのが好きです。SNSのためではなく、2021年の今日、今、心に留まった瞬間やモノを撮りためて残しておく。すべての写真をアーカイブにしていますが、たまに見返してみると、時間の経過を俯瞰として見ることができて楽しいです」。

「オリンピックには興味がなかったのですが、今しか撮れないものの代名詞だなと思い、積極的に東京2020の断片を撮りました。これは交通規制で閉鎖されている首都高の入口。”入口閉鎖中”の堅い文字と、空から降り注ぐ柔らかい光の対比がなんとも言えず、シャッターを切りました」。

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GENIC VOL.60 【写真家が撮る日常】
Edit:Satoko Takeda

GENIC VOL.60

特集は「とある私の日常写真」。
当たり前のようでかけがえがなく、同じ瞬間は二度とないからこそ留めておきたい日常を、表現者たちはどう切り取るのか。フォトグラファーが、クリエイターが、私たちが、それぞれの視点で捉えた日常写真と表現、そしてその想いに迫ります。

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