【表現者たちが撮るおいしい写真 #4】べく

誰かと何かを食べる時、そこには五感で感じる交流が生まれる。
一人で何かを食べる時、気がつけばその時間までもがとっておきになっている。だから、「おいしい」の解釈は面白い。
「表現者たちが撮るおいしい写真」#4では、フォトグラファーである、べくさんの思う「おいしい写真」を見せてもらいました。

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べく

フォトグラファー 地元広島を拠点に、歩いて目にする何気ない景色や日常の中にある癒しを優しく写し出すほか、スイーツを中心にフード撮影も手掛ける。
愛用カメラ:FUJIFILM X-T2
愛用レンズ:XF35mmF2 R WR、XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OIS

“おいしい”は楽しい日常のひとこま

「パンくずをあえて入れたのは、デザイン感があっていいと思ったから」。

可愛くて癒される見た目を いかに日常の一部として切り取るか

何気ない日常を温かく表現した風景写真が人気のべくさん。
「外の日常だけでなく、家の中の日常も撮りたいと思ったのがフード写真を始めたきっかけ。単純に見た目が可愛いのでスイーツを撮ることが多く、味を想像しながら撮るのが楽しいです。私にとって写真とは生きていく上でのモチベーションですが、楽しい日々の記録でもある。だからただおいしさだけを表現するのではなく、いかに楽しい日常の一部として切り取るかを考えていますね」。

ファストフードやコンビニスイーツなどの身近なものを被写体にすることが多いべくさん。単純に自分が食べたいものを選んでいるそう。
「前ボケを使うことで、シンプルすぎず、ドーナツを目立つように。前ボケの入れ方にこだわって、距離や角度に気をつけました」。

「ランチに行ってオーダーしたもの。たまたま崩れてしまい、友人にこの状態でも上手く撮れるかと聞かれたので挑戦!」。

「マクドナルド」は全体的にポップなところが被写体としての魅力。
「これから食べようと手に取る瞬間を撮って、日常感を出しました」。

べくさんのアイコンにも登場する「ダース」。
「大好きなお菓子で、特にホワイトチョコがお気に入り。癒しを取り入れるイメージでしたが、チョコを取ろうとする瞬間を斜めに撮ることによって、静かな印象に動きが加わるのが面白いと思いました」。

BEC’S PHOTO GRAPHY TIPS

【やわらかい自然光を使ってマニュアルフォーカスで】
風景はオートで撮りますが、フードの場合はズレてしまうことが多いので、マニュアルフォーカスを使って一番見せたいところにピントを合わせて、部屋の電気は消したり、カーテンで光を柔らかくしたりして、自然光で。プロップを使って、可愛くお洒落な雰囲気に仕立て上げます。

ときめきを感じるのは食べかけ

撮っていて幸せを感じるのは、見た目に癒されるもの。
「食べかけの写真が大好きです。何も手を付けていない状態よりも、”おいしい”を表現できると思います。フード写真は歩くと見えるものが変わる風景とは違い、机の上に固定されているもの。被写体との距離感を大事にしながら、その時間、空間を楽しむぞ!といった気持ちで撮っていますね」。

ナイフとフォークを添えたのは、きちんと食べる感じがなんだか面白そうという軽い発想で。
「チョコパイを切った際にできたカケラが良い味を出してくれました」。

コンビニスイーツは食べかけで、立体感を表現。
「コップやティーポットで奥行きを出して、全体がシンプルになりすぎないように」。

「カフェで友人が飲んでいたドリンク。青色のソーダ、赤色のストロー、うっすら見えるレモンの黄色によって、グラスの中にビーチがあるように見えて撮ったもの」。

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GENIC VOL.58 【表現者たちが撮るおいしい写真】
Edit:Yuka Higuchi

GENIC VOL.58

テーマは「おいしい写真」。
口福を感じる料理やスイーツとの出会い、オリジナリティ溢れるフードの創作、こんなシーンには二度とお目にかかれないかもと思った瞬間。様々な表現者たちが繰り広げる “おいしい” の世界を召し上がれ。

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