ハービー・山口
写真家、1950年東京都出身。23歳で渡英、10年間の在住中に劇団員を経て写真家になる。
「人の心をポジティブにする写真」をテーマとし、アーティストから市井の人々までを幅広く撮影、モノクロームのスナップ・ポートレイトというスタイルで多くの作品を残してしている。その清楚な作風を好むファンは多く、もっとも親しまれている写真家の一人である。写真の他、エッセイ執筆、ラジオのパーソナリティー、さらには布袋寅泰のアルバムには作詞家として参加したこともある。写真集、写真展多数。2011年度日本写真協会賞作家賞受賞
ハービー・山口がカラーで撮影したいと思った光景
写真家として50年以上活動しているのですが、私のスタイルとしてほとんどをモノクロームで撮影してきました。モノクロが持つ特徴として、光、構図、人々の表情が色彩が無いことで強調されるのですがカラーで撮らねばと思う時が2回ありました。
一回目はロンドンに住んでいた1980年前後、パンクロックの後に台頭してきたニューロマンティックスというムーブメントが起こった時です。化粧も衣装も華やかで、音楽的にはシンセサイザーを多用し、未来感溢れる洒落たサウンドが特徴でした。彼らが集まるクラブに行くと、暗闇の中に身を委ね、色とりどりの照明に浮かび上がって踊り、佇む彼らの姿は、どこか深海魚の群れの如くで印象的でした。
彼らの撮影にはカラーフィルムを使いました。
そして二回目はここ数年のことです。髪の毛の色についての規制が学校や企業、行政によって緩くなってきました。黒一色の髪から解放され、色を染めることで自己表現ができる様になってきたのです。自分に似合う色に染めて生活することで、より自分らしく自身が持てる様になったという声も聞かれます。そうした彼らの色や姿に目を奪われることがしばしばあり、カラーで撮影したいと思ったのでした。被写体を探すと、髪の色に加え、素朴な風景の海や空も実にフォトジェニックに迫ってきました。身近な東京でも全国各地に行っても、光と人々の表情と色が織りなす光景は、なんと美しくドラマティックでしょうか。
未来に向けて生きていく若者やカップルの表情、仕草が特に印象的なんですね。
その一方で世界を見渡すと、コロナ禍が一段落したと思った矢先、至る所で戦争です。
こんなに美しい光景が溢れているのに、同じ人類によって作られた理不尽さも多過ぎて、小さな幸せも
ままなりません。今までの人類が成し得なかった国境や主義、格差を超えた人類の和という美しい虹が、いつか世界中の空で見られる日が来ることを祈ろうではありませんか。
ハービー・山口
写真展 ハービー・山口「Tokyo Color_x」情報
開催日時
2024年1月13日(土)~3月10日(日)12:00~18:00
休廊日: 月・火(祭日は開廊)
入場料
無料
会場
SUPER LABO STORE TOKYO
〒101-0064 東京都千代田区神田猿楽町 1-4-11
行き方・アクセス
<電車>
東京メトロ半蔵門線、都営地下鉄新宿線・三田線「神保町駅」A5出口から徒歩で5分
JR「水道橋駅」東口から徒歩で8分
写真集「Tokyo Color_x」情報
価格:6,930円(税込)
サイズ:W22 x H23 cm
ページ数:88 ページ(79イメージ)
仕様:上製本、カラーオフセット印刷
部数:限定1000部
発売日:2024年1月13日
ISBN:978-4-911112-06-9
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- SUPER LABO
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