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【#想いを運ぶ写真術:5】Harumi

自分なりの「作風」を持って、感性豊かに表現をするクリエイターたち。その作品からは、多くのものが伝わってきます。オリジナルの手法を持つ6人に、その表現に行きついた理由やテクニックを伺いました。
5人目は、モノクロで無機質な世界観を切り取る、Harumiさんです。

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Harumi

会社員。東京都出身。2014年Instagramを始めたことをきっかけに写真に興味を持ち、手軽に撮影、編集、シェアができるモバイルデバイスにハマる。Instagramを通じて撮影会や写真を共有する楽しさを知り、また進化するモバイルデバイスの面白さに魅了され続けている。iPhone6S発売時、Apple社“iPhoneで撮影”の広告に採用された。
愛用カメラ:iPhone XR

「モノクロ」でだから切り取れる無機質な世界観

モノクロはよりシンプルに表現できるのがいいところ

「床のラインに目がいくような構図を選び、逆光で撮影。地面のラインが強調できるように広角レンズを使用しています。アクセントとして自転車に乗る人を入れたかったので、自転車が思い通りの場所に来るのをひたすら待ちました」。

「撮影から編集まですべてiPhone XRを使って行っています。それは、いつでもどこでもだれでも撮ることができるからです」と言うHarumiさん。写真を撮るきっかけになったのはInstagramと出会ったことで、まず撮り始めたのは“壁”だったのだそう。
「壁をデザインのように切り取っている写真を見て、それに興味を持ったのがきっかけです。今でも壁の写真は別のアカウントで撮り続けています。スマートフォンで撮影をするのは、撮りたい!と思ったときにその場ですぐに撮ることから編集までが簡単にできるから。今ほとんどの人が持ち歩いているツールのひとつだと思いますし、何も難しいことがなく気軽に撮影を楽しむことができるのが魅力です」。
Harumiさんにとって写真とは?
「写真を通じて今までと違う人たちとの出会いもあり、世界が広がりました。写真を撮っていなかったらこのような出会いもなかったと思うので、人と人とを繋げるツールなんじゃないかな、と思います。これからも写真を通じて世界が広がっていけばいいなと思います」。

「友達とフォトウォークをしていた際に見つけた階段。アクセントが欲しかったので赤い傘を持ってもらいました」。

Q1 モノクロで表現を始めたきっかけを教えてください。

「影の形や建造物のラインなどが気になるので、そこをより強調させるためにはモノクロの方がわかりやすいと思い、モノクロで表現することを始めました。カラーよりも情報量が限られているので、私が表現したいラインや影などがわかりやすくキャッチーになるのではないかな、と思っています。よりシンプルになるのがいいところ。カラーで撮影をしますが、モノクロにするということを前提とした目線で撮っています。また、作品の中で、アクセントの一つとして人を配置することがあり、そのときはそこを際立たせるために色を残すことがあります。撮影前から色を残すと決めている場合は、赤(傘)を使用しています。モノクロに赤はやっぱり映えるからです」。

「フォトウォーク中に見つけた螺旋階段。いい階段がありそうな建物も注意深く見ています」。

Q2 撮る場所の選び方や、構図の考え方を教えてください。

「monochrome・minimal・shadows・architectureをキーワードに、自分がカッコいいな!と思ったものや気になったものを撮っています。写真を撮り始めたときに撮っていたものが壁だったので、その延長戦上で、無意識に影の形や造形物のラインを切り取る撮り方をしているかもしれません。それらを強調するために、なるべく画面にそれ以外の情報は入れないような構図を心がけています。基準はとくにないですが、とにかく気になる形(影、ライン)を探しています。階段のラインって素敵ですよね!中でも螺旋階段が好みです。出会うと“おぉ!”と感嘆します」。

「人がいない時間を狙って奥行き感を強調するように撮りました。ここはまだ出来たばかりで、たまたま通って発見し、感嘆しました。近未来的な無機質感と奥行きが最高!」

Q3 撮影時のテクニックやレタッチについて教えてください。

「iPhone XRを使用し、iPhoneのカメラのオリジナルの設定で撮り、レタッチの段階でモノクロに編集しています。使用アプリはSnapseedです。また、広角で撮影したいときのみTOKYO GRAPHERのiPhone用アタッチメントのWideレンズを使用しています。Snapseedでの編集は、画像調整でまず彩度をすべて落としてモノクロに。そこからシャドウで影を濃くし、コントラストを調整します。影やラインを強調させたいのでハイコントラスト気味になりがちなのですが、やりすぎないように注意が必要。夜に蛍光灯の下でレタッチをしていると、昼間見たとき予想以上に黒いことが多いです(笑)」。

影の形や建造物のラインの美しさに心を奪われて

「大阪へ遊びに行ったら絶対に撮りたい!と思っていた、コンラッド大阪の白い螺旋階段。ラインが美しいんです。ちょうどいい影が出ている時間帯でラッキーでした。螺旋階段のみの構図もたくさん撮りましたが、たまたま影のラインが出ていたことにより、螺旋階段から引いた構図で、影のラインも撮ることができました」。

Q4 Instagramに投稿するときに気を付けていることはありますか?

「なんとなくですがフィードの並びが真っ黒にならないように、白っぽい画像と黒っぽい画像を交互に並べるようにしています。撮影するときには画面がうるさくならないような、抜け感のある場所を選ぶことが多いです」。

Harumi Instagram(@harutin2)
Harumi Instagram(@tikori2)
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GENIC vol.61 【あの人たちの感性から学ぶ 想いを運ぶ写真術】
Edit:Izumi Hashimoto

GENIC vol.61

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私たちは写真を見て、何かを感じたり受け取ったりします。撮り手が伝えたいと思ったことだけでなく、時には、撮り手が意図していないことに感情が揺さぶられることも。それは、撮る側と見る側の感性が交じり合って起きる化学反応。写真を通して行われる、静かなコミュニケーションです。

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