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移住にまつわるお金の話/伊佐知美の「旅するように移住」Vol.7

様々な移住者にインタビューした『移住女子』の著者であり、自身も現在、沖縄・読谷村に移住中の伊佐知美が送る連載コラム。移住に向いてる人、向いてない人、お金や仕事のことなど、気になる話を15回にわたってお届けします。
「"いま"この街で暮らしている意味って、なんだろう?」そんな疑問を持っている方の背中をポンッと押す、“最新の移住”コラム。
第7回は、移住にかかる費用、補助金制度について紹介します。

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連載コラム:伊佐知美の「旅するように移住」

目次ページはこちらです。

移住にまつわるお金の話/伊佐知美の「旅するように移住」Vol.7

移住しよう!と思ったら、実際、お金ってどれくらい必要なのでしょう?

もちろん移住にかかる費用は、移住する土地への距離や家財の量、移住前後での自動車の必要性、とりまく環境など、状況によって大きく変動するもの。

とはいえ、目安を知っていると準備がしやすい! ということで、今回は移住準備費用と移住後の生活費の大まかな傾向、移住に関連した国や自治体の補助金制度についての紹介を。

移住にかかるお金は大体どれくらい?

一般的に、移住準備のためのお金として発生し得る内容は、以下だ。

・引っ越し代
・住居費用
・自動車購入費
・その他(移住前の下見費用、家具・家電購入費など)

「特定非営利活動法人 日本ファイナンシャル・プランナーズ協会」は、小冊子「FPが教える!『地方移住』で気になるお金の話(2018年)」で、 移住にかかるお金の例として、以下を挙げている。

  ・地方都市に夫婦2人で引っ越した場合の総額:「74万円」

ううっ、リアルな数字……!移住って、お金がかかるのね。

参考:東京都から沖縄県に一人暮らしの女性が移住した場合

ちなみに、n1のサンプルになってしまうけれど、東京都内から沖縄県に移住した私の実際の移住費用は以下だった。

・引越し代 0円
・住居費用 14万円
・自動車購入費 0円
・その他 26万円
・合計 40万円

住居費用は、選んだ沖縄の新居が、敷金・礼金なしの物件だったため安価で収まった。

引越し代が0円の理由は、珍しいケースになるが、移住前が旅中心の暮らしで東京でもシェアハウスに住んでいたため、家具家電を一切所有しておらず、荷物が手持ちのスーツケースのみだったため。

自動車購入費が0円の理由は、こちらも多少珍しいケースだが、車は購入予定だったけれど、現地で知り合った人がちょうど沖縄本島から本州へ転職で引っ越すタイミングだったため、無料で譲っていただけたからだ(なんというラッキー……)。

そのかわり、家具家電を一切持っていなかったので一通り買い揃える必要があり、また、東京都と沖縄県を複数回往復しながら新居を探していたため、下見のための交通費がかさんだ。

このようにケースによって移住準備費用は上下する。

移住したら家賃は安くなる?

移住後のお金についてもふれておこう。移住に関するお金の話の中で、よく「移住したら家賃が安くなる」と言われる。

総務省の「統計でみる都道府県のすがた(2019年)」調査を見てみると、民営賃貸住宅の家賃の指標値(1ヵ月3.3平方メートル当たり)は、東京都が8,562円なのに対し、北海道は3,709円と半額以下。

もちろん東京郊外よりも、福岡や仙台の中心部の方が家賃が高いということもあり得るので、一概に「移住したら絶対に家賃が安くなる!」とは言えないが、選ぶ地域によっては家賃相場が安くなるのは事実のようだ。

実際、家賃に関しては、移住関連取材で何度も驚かされた。たとえば、北海道に移住した女性の家を訪れたら、庭付きの一軒家に住んでいるにもかかわらず、家賃は月々7,000円。「年間合計でも84,000円。東京都内の家賃の1ヵ月分にも満たないのでは……?」と金額差に愕然とした。

また現在の私自身の家賃は、東京都内に住んでいた頃とさほど変わらないが、同価格帯なのに、部屋のスペックや環境……つまりはいわゆるQOLが爆上がりした。具体的には、新築、マンション並みの設備、十分な広さ、窓から見える自然の景色が美しい、など。

移住によって家賃相場が変わるほか、自治体が任意で募集する「地域おこし協力隊」として採用されると、自治体によっては部屋や自動車が支給されることもある。ほかにも、移住希望の街に何度も通ううち、住み込みの仕事や、ネットに出ていない物件を安価(たとえば一軒家で月1〜2万円など)で紹介してもらえたりと、家賃に関しては抜け穴もある。

そういえば私も、知人から、ネットにまったく出ていない空き家を紹介いただいたことがあったな〜……。残念ながら住むには至らなかったけれど、素敵なおうちだった。

光熱費はむしろ上がることも!

移住すると、生活費も俄然安くなります!と言いたいところですが、実際は、日本全国どこで暮らそうとも、生活費はそこまで大きく変わらないのが現実な気がする……。

もちろん、農業や家庭菜園が盛んな地域では、野菜のおすそ分けをたくさんいただいて結果食費が安くなったり、水が豊かな地域では、水道が組み上げ式のため水道代がかからなくなったりすることもある。

(ちなみに、ものすごく余談ですが、沖縄県には「島バナナ=誰かの家の庭でできたバナナ」をおすそ分けする素晴らしい風習がある。小ぶりですが、甘くてさっぱりしていて、ものすごくおいしいです……。写真は私の家の敷地内で成長する島バナナの図。ごくり)

ただ、たとえば東北や北海道は冬場の暖房代がかさみがちだったり、逆に沖縄県は気温や湿度対策で冷房費用が多くかかったり、都市ガスが選べずプロパンガス一択のため、ガス代の基本料金が高くなったり……と、光熱費に関しては、エリアによってはむしろ上がる可能性があるということは、事前に知っておいて損はなさそう。

移住希望地が見つかったら、お得なスーパーや光熱費について、地域の人に聞いてみるといい。

移住関連の補助金制度もぜひ活用を

移住に関するお金の話で言うと、ぜひ知ってほしいのが、国や自治体のさまざまな移住関連の補助金制度。

たとえば、「地方創生移住支援事業」は、東京圏から別地域に移住した場合、移住支援金として最大100万円が支給される制度。さらに、その土地で地域に根ざしたテーマで起業すると、さらに最大200万円が支給される「地方創生起業支援事業」もある。

また、移住後の家賃や住宅購入やリフォーム費用を、自治体が補助してくれる例も。

・新潟県小千谷市:移住後の家賃補助として月20,000円を支給
・福岡県添田町:移住者向けに、新築一戸建てを月35,000円で提供
・北海道網走市:移住後の住宅購入に際して、リフォーム資金を最大500万円補助
・鳥取県岩美町:移住後の住宅修繕費用を最大200万円補助 など

これらの補助金制度は、各自治体サイトや、「ニッポン移住・交流ナビ JOIN」などで検索できる。

「自力で移住を実現するぞ」と意気込みすぎず、世の中にさまざまある移住関連制度をうまく利用して、快適な移住手段を見つけてもらえるといいな!では、今回はこの辺で。

次回のテーマは「家さがし」です。

伊佐知美

これからの暮らしを考える『灯台もと暮らし』創刊編集長。日本一周、世界二周、語学留学しながらの多拠点居住など「旅×仕事」の移動暮らしを経て沖縄・読谷村に移住。移住体験者の声をまとめた『移住女子』の著者でもある。

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