naok
会社員 1987年生まれ、北海道出身。2018年に大阪へ転勤したことをきっかけに、関西観光のためにデジカメを購入。翌年からTwitterへの写真投稿を始め、SNSと写真撮影に魅了される。コロナ禍の影響で都市での撮影比率を下げ、風景撮影にも力を入れている。
愛用カメラ:Sony α7R Ⅳ、Leica Q2 monochrome
愛用レンズ:Sony FE 16-35mm F2.8 GM/FE 24-70mm F2.8 GM/Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA
alone
見た後に“余韻”を感じる写真を残したい
「人がほとんどいなくなった終電前の大阪・新世界を一人歩く男性。街頭で背中が照らされるその構図や、街灯のかかり方が完璧だったためシャッターを切りました」。
SNSで見たストリートフォトに刺激を受け、自身も撮るようになったというnaokさん。
「街中や風景の写真においてポツンと人を配置する構図はSNSで人気の写真でありますが、私は単に絵として映えるということだけではなく、見た後に余韻が残るものということを意識しています。aloneというのは一人という意味と、孤独という意味を合わせた表現です。街中で感じる孤独感や哀愁を切り取ってみると、美しさと同時に共感を感じます。私自身、この共感を求めてaloneという題材で撮影しているのかなと思っています」。
「早朝の大阪駅のベンチで一人休憩する老人に、スポットライトのように斜めに朝日が差している構図が美しかった。そこにある哀愁に惹かれました」。
孤独の先にある哀愁を切り取ってみると、そこには美しさと同時に共感が待ち受けている
「夜明けの大阪・十三駅前の商店街。街灯が掃除をしている人を導くように照らしている。掃除をしてくれる人の美しさを表現したかったんです」。
「夏の北海道・旭川駅で。爽やかな夏の空と、ポツンと一人佇んでいる背中に哀愁を感じて。特に空と景色を組み合わせた風景写真に惹かれます」。
「朝日を浴びた背景と、パーカを着た影のある男性が通りかかる、その対比に早朝の街の美しさを写し出したかった1枚」。
路上では主に光に注目しているんだそう。
「夜明けから早朝、深夜の時間の光や雰囲気が好きなので、その中で偶然見かけた瞬間が多いです。撮影には大まかなイメージを持って出向きますが、基本的にセットアップ(人物配置やライティングなど)で撮影しないようにしています。自分の想像力には限界があるので、出会い頭や、その場での気づき、そこで感じた雰囲気などに合わせてシャッターを切ることを大切にしています。中でも哀愁を感じる人の後ろ姿に魅力を感じます。そこに街灯や西陽がスポットライトのように当たっているシーンを撮影したいです。ただストリートフォト=記録としてその場所で撮っていることを大切にしたいので、人にフォーカスしすぎないということと、ハイコントラストにして抽象化しすぎないことは意識しています」。
GENIC vol.63 【街の被写体、それぞれの視点】
Edit:Megumi Toyosawa
GENIC vol.63
GENIC7月号のテーマは「Street Photography」。
ただの一瞬だって同じシーンはやってこない。切り取るのは瞬間の物語。人々の息吹を感じる雑踏、昨日の余韻が薫る路地、光と影が落としたアート、行き交う人が生み出すドラマ…。想像力を掻き立てるストリートフォトグラフィーと、撮り手の想いをお届けします。