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【“好き”を極める表現:3】Shota

好きだからシャッターを切り続け、好きだから自分らしい表現を追求し続ける。そんな“好き”を極めた7人の表現者たちが辿り着いた独自の世界観にフォーカス。見る人の心を動かすトキメキを宿した作品とその想いに迫りました。
第3回は、ノスタルジックかつアニメチックな表現が話題のフォトグラファー、Shotaさんです。

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Shota

フォトグラファー 兵庫県出身。大学生のときに撮影したアニメのような世界観の写真が、SNSで話題に。この春、写真集を発売。Instagramのプロフィールのハイライト「Preset」にて、プリセットを発売中。
愛用カメラ:Canon EOS 9000D、Sony α6400、iPhone 14 Pro
愛用レンズ:EF 24-105mm F4L IS USM、Tokina atx-i 11-16mm F2.8 CF

日常の中にある幻想的な瞬間を

東京・須賀神社の階段。「『君の名は』の聖地と言われている場所で、そのシーンと同じ画角になるように撮影」。

京都。「人生を変えてくれた、と言って過言ではない一枚。スーパーの駐車場の雪が解けて、水溜りになったところでリフレクション撮影。まるでウユニ塩湖のような光景が駐車場に広がっていることを心から美しく思って撮ったのですが、この写真が話題となり、たくさんのお仕事をいただけるようになりました」。

兵庫。「実家に帰った際は、自転車に乗っていろいろな場所へ撮影しに行きます。夕焼けが綺麗な田んぼ道に自転車を入れたことで、より田舎感が出て気に入っています」。

「いつも通り」「当たり前」の中にもワクワクする光景がある

「もともと、新海誠監督の世界観が大好きなんです。背景美術の鮮明さなど、『なんでもない日常風景がこんなにも美しいのか』と感じ、自分もそんなアニメチックな世界観を写真で表現してみたいと思いました。普段は通りすぎてしまうような、ごく当たり前の何気ない風景も視点を変えてみると絶景が広がっていたり、『なんかいいな』という瞬間に溢れています。そんな“当たり前”の風景を魅力的に切り取るために必要なのは、構図や光の向きなどを考えるということもありますが、何よりも楽しむことが一番」。

京都。「なんとなく『となりのトトロ』に出てきそうな、ジブリ感たっぷりの場所」。

滋賀・沖島。「琵琶湖に浮かぶ有人島。よく晴れた青空に、船着場のさまざまな物の色がアクセントとなっている光景に惹かれて」。

その場所や、その季節だからこそ味わえるものを感じながら撮る

「写真を撮っていると、いろいろな音が聞こえてきます。車の音、風が吹いて木々が揺れる音、鳥の鳴き声、人の声...。そういった音に耳を傾けて、その場所やその季節だからこそ味わえるものを感じながら撮ります。
撮影時に具体的に気をつけているのは、電線や標識を入れること。あくまで私自身の考えなのですが、それらを入れることによってアニメチックな雰囲気を出しやすくなります。また、同じ空模様は二度となく、その時にしか見られない瞬間を残したいという気持ちで、必ず空を入れます。空は心を映すという言葉が好きで、その時の心情によって見え方や感じ方が変わる、不思議な力を持つ空の魅力に惹かれています。
色味が鮮やかで、どこかノスタルジックな雰囲気があるのが自分らしい写真だと思っているのですが、絵を描くのが好きだったことがルーツかもしれません。水彩絵の具の鮮やかな色味で描く現実の世界がとても綺麗だと感じていたことが、今の写真の色味に繋がっている気がします。今後は全国をまわり、観光地だけでなく日常の風景をたくさん撮りたい。そして、日本の方だけでなく、世界の方に向けても、日本の魅力を伝えたいと思っています」。

Shota Instagram
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GENIC vol.66【“好き”を極める表現】
Edit:Satoko Takeda

GENIC vol.66

GENIC4月号のテーマは「撮らずにはいられない」。
撮らずにはいられないものがある。なぜ? 答えはきっと単純。それが好きで好きで好きだから。“好き”という気持ちは、あたたかくて、美しくて、力強い。だからその写真は、誰かのことも前向きにできるパワーを持っています。こぼれる愛を大切に、自分らしい表現を。

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