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台湾の写真家 陳尚平の日本初個展「静寂の輪郭 -Void and Breath-」が東京 青山で開催。音と沈黙、形と余白のあいだに漂う繊細な境界へのまなざし

台湾出身の写真家 陳尚平(CHEN SHANGPING)の日本初個展「静寂の輪郭 -Void and Breath-」が、東京 青山のNine Galleryにて、2026年9月15日(火)~9月20日(日)に開催されます。音と沈黙、形と余白のあいだに漂う繊細な境界へのまなざしを込めた「静寂の輪郭」をタイトルに掲げる本展では、「余白の瞬間」「静寂の輪郭」「息づかいの回帰」という3つの章を軸に空間を構築。長年制作を続けてきた4つのシリーズからモノクローム作品を中心に厳選して展示します。9月15日(火)にはオープニング・レセプションも開催。

Data

  • 開催期間:2026.9.15 ~ 2026.9.20
目次

プロフィール

陳尚平(CHEN SHANGPING)

写真家 台湾・台北出身、上海を拠点に活動する写真家・ビジュアルアーティスト。 Phase Oneフォトグラフィー・アンバサダー。国内外の個展やアートフェアに多数参加するほか、IPA、FAPA、MPA、500px Best 10など、国際的な写真賞で受賞・入選した。自然風景を主な題材とし、長時間露光や赤外線撮影などの技法を用いながら、静寂や時間、空間の気配をモノクロームの世界に表現している。近年はモノクローム表現を中心に、光が描く微細なグラデーションと、空間に漂う気配を写し取った作品を制作している。

ステートメントと解説、展示作品の一部をご紹介

「静律 13」

私の作品は、執着や葛藤を超えた「静けさ」を探し求めることから始まります。ファインダー越しに禅の本質へと問いを投げかけながら、内なる生命のかすかな揺らめきをたどっています。天地万物は、陰と陽のように互いを支え合い、繊細な均衡のなかに存在しています。その感覚は、安定した構図、力強い線、静けさを孕んだリズム、そして詩的な余白として、私の写真に表れています。一枚一枚の写真は、過ぎ去りゆく一瞬を留めると同時に、私自身の内面を静かに映し出す鏡でもあります。
山と雲、水面、光と影、私は自己と世界との境界が静かにほどけていく瞬間を追い求めています。そして、作品を通して鑑賞者が歩みを少し緩め、自然と静かに向き合う時間を持つことができれば幸いです。

── 陳尚平

「静律 03」

写真はその誕生以来、時間、そして一瞬をとどめる行為と深く結びついてきました。しかし、情報やイメージが絶え間なく行き交う現代社会において、あらためて「見る」という行為に立ち返り、光と影、静止と運動のあいだに生まれる静かな時間に目を向けます。
『静寂の輪郭』というタイトルには、音と沈黙、形と余白のあいだに漂う繊細な境界へのまなざしが込められています。ここでいう「輪郭」とは、単に対象の形を縁取る境界にとどまらず、東アジアの美意識においては、周囲の「空」や「間」との関係のなかで立ち現れる、存在のあり方を指しています。
本展では、「余白の瞬間」「静寂の輪郭」「息づかいの回帰」という3つの章を軸に空間を構築します。陳が長年にわたり制作を続けてきた4つのシリーズ──山水や雲海を精神的な場へと昇華させる「天地の間」、時間の痕跡や残像を捉える「静律」、植物の成長の軌跡を自然の書として読み解く「木々の直感」、そして雪原のミニマルな美と生命の芽吹きを描く「雪韻と生命力」──から、モノクロームを中心とした作品を厳選して展示いたします。異なるシリーズの作品同士が静かに響き合うことで、東京展ならではの新たな視覚的物語が生み出されます。
光と影、黒と白、そして余白によって構成される静かな画面。そこには、移ろいゆく自然の姿と、時間の流れが静かに刻まれています。本展を通して、日々の喧騒から少し離れ、目の前の風景と静かに向き合うひとときを感じていただければ幸いです。

── 陳尚平 個展「静寂の輪郭 -Void and Breath-」プレスリリースより

「静律 05」

「静律 10」

「雪韻と生命力 05」

「天地の間 18」

第一章 | 余白の瞬間

「余白の瞬間」は、見るという行為そのものが持つ純粋性に焦点を当てる。具体的な物語性や固定された意味をあえて削ぎ落とすことで、山肌の質感、移ろう雲、水の痕跡を、抽象に近い形態や層、リズムとして立ち上がらせる。
これらは単なる自然の描写ではなく、その「呼吸」を写し取ろうとする試みである。視線が画面をたどるあいだに束の間現れ、やがて消えていく均衡と調和がそこに捉えられている。
ここでいう「余白」は、空白や欠如ではなく、それは知覚が立ち現れるための場である。形と形、光と影、存在と不在のあいだに関係を結び、言葉になる以前の感覚や連想、詩情へと開かれていく。

第二章 | 静寂の輪郭

「静寂の輪郭」は、自然と時間のなかに立ち現れる構造や均衡、潜在する秩序に目を向ける。山の揺るぎなさと雲の流動、地平の広がりと大地の重みが、画面に静かな緊張をもたらしている。
作品の線や構造、空間の関係に対する作家の深い眼差しは、自然に秩序を与えるのではなく、そこにすでに流れるリズムと均衡を見いだし、写真という視覚言語へと昇華する。
「静寂」というものは、完全な静止を意味せず、「輪郭」もまた対象の外側をかたどる境界だけを指すものではない。二つの異なる力が交わり、抵抗しながら均衡を保つ状態こそが、作家の写真における静寂のあり方である。

第三章 | 息づかいの回帰

「息づかいの回帰」は、自然の外形から、時間や記憶、生命の循環へと視線を移していく。ここで描かれる風景は、単に観察される対象ではなく、個人的な経験や感情、深い思考が形を得る場となる。
作品には、過ぎ去った時間の痕跡がかすかに漂い、人と自然との親密でありながらも距離をはらむ関係が映し出されている。そこから浮かび上がるのは、私たちは世界との対話を通じて、いかに自らの居場所を見いだすのかという問いである。そしてその繋がりは、生命への敬意と、それを慈しみ守ろうとする意識をどのように深めるのだろうか。
「回帰」とは、特定の場所へ戻ることではない。人の営みと自然界とのあいだにもともと存在する結びつきを、あらためて見つめ直すことである。静寂のなかにも絶えず動くものがあり、万物は巡り、変容しながら、根源の息づかいへとゆるやかに還っていく。
モノクロームのイメージによって形づくられた本展では、時間の流れが緩やかに変わり、「見る」という行為そのものが静かに意識されていく。一つひとつの作品は、知覚が立ちとまり、ふたたびひらかれる瞬間でもある。光と形、余白の響き合いを通して、鑑賞者は自然のリズムに触れ、自らと天地万物とのつながりを静かに見つめ直すことになる。

※テキストはすべて個展「静寂の輪郭 - Void and Breath -」プレスリリースより

陳尚平 個展「静寂の輪郭 -Void and Breath-」情報

開催時期

2026年9月15日(火)~9月20日(日) 11:00~19:00
※最終日は17:00まで

オープニング・レセプション

9月15日(火) 19:00~20:00

入場料

無料

会場

Nine Gallery

  • 〒107-0061 東京都港区北青山 2-10-22 谷・荒井ビル1F
  • Google Map

行き方・アクセス

<電車>東京メトロ銀座線「外苑前駅」出口3から徒歩で約3分

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