【勝ちに行く美容 Vol.13】清潔魂
履き古したマノロブラニクより新しいプチプラのハイヒールの方がいっそ美しく見える時がある。
指から零れ落ちそうなダイヤモンドより、きゅっと笑った顔から覗く真っ白に光る歯が印象に残ることがある。
物には色々な価値があるけれど、それが価格と見合うとは限らない。
「美しい」ということについては特に。
日頃から私は、美しさには清潔感が欠かせないと定義している。
完璧なファッションも、不意についたシワや服に響いている下着のラインでその魅力が半減してしまう。
作り込んだネイルアートも、ささくれや乾燥とはひどく相性が悪い。
産まれたばかりの赤ちゃんは清潔の塊だ。
透明な白目から、むき卵のような足の裏まで。
そこからひとつずつ、歳を重ねると、積み重なる経験と引き換えにシワやくすみが増えていく。
それらと戦うには丁寧に丁寧に清潔感を加えていくしか無いのだ。
ファッション誌のモデルがいつだって美しいのには理由がある。
ヘアメイクアーティストが1時間たっぷりかけて施したヘアメイクに、スタイリストが丁寧にアイロンをかけた服をバランスを見ながら着せていく。
プロたちの丁寧な仕事が相まってモデルに完璧な清潔感をまとわせるのだ。
40代になって無限にある手入れ可能なパーツを前に心折れそうになる時もある。
肘、かかと、デコルテ、髪、どこも丁寧に手入れするのはとても面倒だけど、誰にでも平等にチャンスがある唯一の美容を使わない手はない。
産まれもった美しさ以上に大切な美容がある喜びを噛み締めて、毎日少しずつでいい、私に清潔を加えていこう。清潔魂を忘れずに生きよう。
【勝ちに行く美容】バックナンバー
奥村 真理子
「趣味は皮膚」というスキンケアマニア。 様々なスキンケアアイテムを実際に利用して事実をレポートするインスタグラムは、アカウント開設からわずか8ヶ月で20,000フォロワーを獲得。
株式会社PETTERSの取締役としてアパレル会社を経営、2児の母でもある。