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富士宮の自然を満喫!冬の田貫湖E-BIKEネイチャーツーリングへ/伊佐知美の「つながる・友達作り旅」Vol.3

今まで様々な移住者にインタビューしてきた『移住女子』の著者・伊佐知美さん。2021年夏には、GENICの連載コラム「旅するように移住」の番外編として、「移住」をテーマに静岡県富士宮市を訪れていただきました。今回はその続編。「つながる」をテーマに伊佐さんが冬の富士宮市を訪れ、魅力的な富士宮観光を楽しんだり、前回インタビューした移住者のayameさんを再び訪ねたり、新たに友達になりたい!と思っていた人にも会ってきました。 伊佐さんが「何度も行きたくなる」という富士宮市の魅力を、3回にわたりたっぷりお伝えします。
第3回は、富士山周辺をメインフィールドにした、様々なエコツアーを展開する「富士山ネイチャーツアーズ」代表の岩崎仁さんに会い、電動自転車に乗ってここでしか出会えない自然と触れ合え学べる、E-BIKEネイチャーツーリングに参加してきました。

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富士山の自然に触れてみたい

富士宮市の魅力を語る上で、欠かせない富士山との距離の近さ。富士山が見られる場所は日本中に数多くありますが、富士宮市から見る富士山の迫力は、その距離感ゆえに頭ひとつ抜けているように感じます。

そんな富士宮から見える富士山、最初は眺めているだけで大満足だったのですが、そのうちに「富士山の自然の魅力を学んでみたい」という気持ちがふつふつと湧き上がってくるようになりました。

なぜなら、富士宮市で出会った自然を愛する人たちが、口々にこうおっしゃるから。「日本には様々な自然フィールドがあるけれど、富士山周辺の自然はやっぱり特別。富士山は日本で一番標高が高い山で、かつ日本最大の火山でもあるから、ここでしか触れ合えない自然がたくさんあるんだよ」と。

さらには、こうも。「もし富士山の自然に興味を持ったら、『富士山ネイチャーツアーズ』に参加してみるといいよ」。

「富士山ネイチャーツアーズ」とは?

富士山ネイチャーツアーズは、「富士山の知られざる魅力を発見するための小旅行」をテーマに、様々なエコツアーを催行している富士宮市の会社。

多い年には、年間20万人以上が登山する富士山。けれど、富士山という自然フィールドの魅力は、じつは「登る」以外にもある、ということを教えてくれるのが富士山ネイチャーツアーズです。

たとえば登頂以外にも、富士五湖を代表とする湖群や、度重なる噴火の爪跡が色濃く残る火口群、植物の極限の世界である森林限界点、「天地の境」と呼ばれる広大な砂礫地など、自然との新しい素敵な出会いが隠れているんだそう。

そしてその会社の代表を務めるのが、富士宮市の自然といえば、の代名詞のような人物・岩崎仁さん。なんでも、昼間はネイチャーガイド、夜間は富士宮市街地のバー「ルーツ&フルーツ」のバーテンダーとして活動中で、彼の自然愛あふれる楽しい話を目当てにバーに訪れるファンも多いのだとか。

これは気になる。ぜひお近づきになりたいぞ......!ということで、今回、岩崎さんのネイチャーツアーを予約することにしました。

田貫湖の日帰りE-BIKEネイチャーツーリングに参加

早速やってきました、冬の富士山ネイチャーツアー!

今回は、冬の富士山の自然の魅力にたっぷり浸れるという、田貫湖を舞台とした「富士山E-BIKEネイチャーツーリング」に参加します。担当ガイドは、もちろん岩崎さん。

「今日のフィールドの田貫湖は、富士山麓に残された数少ない湿原の一つ『小田貫湿原』が観察できる場所です。写真好きの方には、ダイヤモンド富士の撮影スポットとしても有名ですね。
E-BIKEに乗って田貫湖をゆっくりと半周しつつ、富士山の豊富な湧き水をたたえる『陣馬の滝』を目指し、同じルートを戻ってくる3時間ほどの半日コースを楽しみましょう!」。

冬の富士山の魅力を探しながら、田貫湖を駆け抜ける

「田貫湖周辺は、森と湿原が同じフィールドにあるので、多様な野鳥が観察できる人気のスポット。その上、冬は世界中から渡り鳥がやってくるんです。双眼鏡をお貸しするので、ぜひ覗いてみてください」。

その言葉通り、双眼鏡を覗くと、「カルガモ」や「オオバン」「キンクロハジロ」など多様な渡り鳥が、それぞれの群れを作って湖で休んでいるのがわかりました。遠くから見ているだけだと「鳥がいるなぁ」としか思わないのに、よく見ると、複数種の渡り鳥がいるんですね……!

ネイチャーガイドさんと一緒に自然を歩く醍醐味を早くも感じます。

「富士宮市の自然の魅力は富士山が作り出した多様性。日本一の高低差の中に宝永火口のような火山や、裾野に広がる広大な森林など、様々なタイプの自然が楽しめます。ここ田貫湖での野鳥観察もその一つ。氷河期の噴火の際に降り積もった火山灰が、湖や湿地の形成に大きな役割を果たしています。水鳥がこうして羽を休められるのも実は富士山の恵みなんです」。

なるほど、美しい風景が形成される背景にすら、富士山の恵みが関係しているのですね……!

そのほかにも、冬によく咲く山茶花(さざんか)など椿の品種も見かけました。冬の田貫湖周辺は赤い実をつける木が多く、その実を渡り鳥がついばんだりしていることなど、ルートを進むたびに、自然に関する知識を少しずつ教えてもらいました。

そして、落ち葉が綺麗な小道を抜けると、先ほど岩崎さんがおっしゃっていた『小田貫湿原』が近づいてきました。

運がよいことに、この真っ直ぐな道に辿り着いた時にちょうど雲が晴れ、青空が広がる最高のシチュエーションに。360度自然に囲まれた環境で、じっと黙って空の抜け感を味わっていると、湿原で暮らす鳥や虫たちの声がたくさん聞こえてきて、田貫湖周辺の生態系の豊かさを改めて感じます。

湿原を越えると、今度は川が見えてきて、折り返し地点である「陣馬の滝」に到着しました。

「陣馬の滝は、富士山麓の湧水と上流からの水が合流する珍しい滝の一つです。冬は水量が減りますが、夏は主瀑以外にも幅広く滝が流れ、溜まり池で泳ぎ始める人もいるほどの水量になります。
また湧水は飲み水としても使用できるので、観光客の方はもちろん、地元の方も汲みにきているのをよく見かけますね。ちなみに、伊佐さんの足元にある石は、富士山が噴火した時の溶岩が固まったものですよ」。

わぁ!この岩が、かつて溶岩だったもの……!こんな近くに噴火の跡が見つけられるんですね。なんだか地球の神秘の塊のような気がして、パワーをもらえるんじゃないかと思ったので、ついつい触れてしまいました。

岩崎さんと巡るからこそ出会えた自然の思い出を持ち帰る

岩崎さんと巡るネイチャーツアーは学びが多く、撮影したい魅力的な風景も目白押しだったため、3時間の所要時間はあっという間。

帰り道は、富士山が綺麗に見える田貫湖のビュースポットに立ち寄って、ゴールのスタート地点まで戻りました。

じつは、ツアー開始前は「3時間もE-BIKEを漕いで、体力は大丈夫かな?」と少し不安だったのですが、電動自転車であるE-BIKEのツーリングは想像以上に快適でした。途中の坂道もスイスイと進めたので、私のように体力に自信がない人にもオススメできます(笑)。

次に富士宮市に来たら、別の季節のネイチャーツアーに参加したり、バー「ルーツ&フルーツ」に飲みに行ったりして、また岩崎さんに会いたいなと思いました。岩崎さん、ありがとうございました!

富士山ネイチャーツアーズ 基本データ

<TEL>0544-22-3454
予約はHP(https://roots-fruits.jp/)から

満喫した富士山の思い出を、おみやげにするなら「文具の蔵 Rihei」へ

富士宮市街地の商店街にある人気の文房具店「文具の蔵 Rihei」。このお店の人気商品は、富士山や富士宮市の特産物などをイメージして作られた、オリジナルの万年筆インクです。

私が手に取ったのは、岩崎さんとのネイチャーツアーで見た鮮やかな青空を思い起こさせる「富士山Blue」の万年筆インク。文字を書くたびに、気持ちを上向けてくれそうな爽やかな色合いが素敵です。

また、Reheiはあひるの「がー太店長」がいることでも人気のお店。この日は、お店奥のスペースで気持ちよさそうに水浴びをしていました。運がよければ、お店の中をゆったりと歩くがー太店長と一緒に、文房具を選ぶ時間が過ごせます。

文具の蔵 Rihei 基本データ

<TEL>0544-27-2725
<営業時間>9:30~18:30
<休業日>年中無休
<駐車場>あり

行き方・アクセス

<電車>JR身延線「富士宮駅」から徒歩で約12分
<車>新東名高速道路「新富士IC」から約15分
東名高速道路「富士IC」から約20分

伊佐知美の取材後記

ayameさん、深澤道男さん、岩崎仁さんと、それぞれ異なる富士宮の魅力をたっぷりと教えてくださる人物に出会えた2度目の富士宮市滞在。

じつは、まだまだ行ってみたい場所がたくさんあります。次に行く時は、誰か友だちを連れて、今まで訪れた好きな場所を案内しつつ、新スポットや新アクティビティを楽しめたらいいなと密かに思っています。今度はどの季節に行こうかな。

観光・ワーケーション・移住など富士宮市情報はこちらから

富士宮市観光協会サイト
富士宮市ワーケーション特設サイト
富士宮市移住・定住ポータルサイト

何度も行きたくなる富士宮/伊佐知美の「つながる・友達作り旅」

伊佐知美

これからの暮らしを考える『灯台もと暮らし』創刊編集長。日本一周、世界二周、語学留学しながらの多拠点居住など「旅×仕事」の移動暮らしを経て沖縄・読谷村に移住。移住体験者の声をまとめた『移住女子』の著者でもある。

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