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幸せのかたまり 井上知 | 連載 うちのねこ

気まぐれで、マイペースで、わがままで...そして、ただただ愛おしい存在。そんな愛猫と暮らす4名の写真家による、「うちの子」たちの写真をご紹介。どっぷりと猫沼に落ち、愛情を込めて切り取られた至福の愛猫ギャラリーです。全4回の連載、第1回は出張いえねこ写真家の「こむぎねこさん」こと、井上知さんです。

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目次

プロフィール

井上知(こむぎねこ)

出張いえねこ写真家 2016年から出張いえねこ写真家として活動。現在は雑誌の猫撮影や、勤め先のギャラリー撮影も担当。猫の保護活動も行っている。著書『こむぎねこ』(主婦の友社)、『こむぎといつまでも』(小学館)が発売中。
愛用カメラ:Canon EOS 90D
愛用レンズ:Canon EF28mm F1.8 USM

CAT DATA

ごま味(♀ 8歳)
怖がりだけど、優しくて食いしん坊。先代猫のこむぎが亡くなった翌年、真夜中の道路で倒れていたところを保護。現在里親募集中のまだら、しまくんとも同居中。

幸せのかたまり

猫を可愛く撮るために必要なのは、まずは猫愛。そして、信頼関係

「自宅の撮影部屋で撮ったごま味。つやつやの毛並み&くりくりのお目目が可愛い♡と、親バカ発揮(笑)」。

「先代の愛猫、こむぎ。生まれつき心臓が悪くて一緒に暮らしたのは4年と5ヶ月ほどでしたが、かけがえのない時間でした」。

「現在、我が家にいる保護猫のまだら。立って歩いているかのような姿がお気に入り」。

「自宅で物撮りをしていたら、ごま味が乱入」。

「カーテンレールの向こう側にいるごま味の影がきれいで、思わず撮影」。

「多頭飼育崩壊現場で撮影した、保護猫のかも吉。当初40匹ほどいた現場から1年以上かけて順にレスキューし、最後に残ったかも吉を撮影した思い入れのある一枚。今は里親さんの元で幸せに暮らしています」。

すべての猫の幸せを願いながら日常に溶け込む猫たちの姿を撮影

「猫を撮り始めたのは、2011年に愛猫となるこむぎを保護したことがきっかけ。こむぎを通じてたくさんの出会いがあり、写真の楽しさを知り、何気ない毎日の中にある小さな幸せに気が付くことができました。こむぎが亡くなった後に自分にできることは何かと考えて、多くの猫飼いさんも写真を通じて猫たちとの絆や繋がりが深まればと思い、"出張いえねこ写真撮影"を始めました。私が撮る猫の写真は、日常に溶け込む彼らの自然な姿と、風景の中にある幸せのかたまり、可愛さの極限がテーマ。猫を魅力的に撮る秘訣は、猫との信頼関係、気長に待つ忍耐力、熟練したおもちゃの手さばき、右腕の筋肉(左手におもちゃ、右手にカメラになるので)。でも、まずは猫愛があれば十分です。優しい飼い主さんがいて、安心してのんびり過ごしている猫ほど魅力的で可愛い子はいないので。保護活動をする中で外猫の置かれている環境の厳しさを知り、すべての猫が“いえねこ”になったらいいなと願いつつ、おうちの中でぬくぬく幸せに暮らしている彼らの姿を撮りたいと思っています。猫の撮影や保護活動を通じて少しでも多くの猫を幸せにし、誰かから前向きに思い出してもらえるような記憶に残ることが目標です」。

GENIC vol.74 うちのねこ
Edit:Satoko Takeda

GENIC vol.74

2025年4月号の特集は「It’s my life. 暮らしの写真」。

いつもの場所の、いつもの時間の中にある幸せ。日常にこぼれる光。“好き”で整えた部屋。近くで感じる息遣い。私たちは、これが永遠じゃないと知っているから。尊い日々をブックマークするように、カメラを向けてシャッターを切る。私の暮らしを、私の場所を。愛を込めて。

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