傘を叩き弾ける雪の結晶
「街灯が道路を照らす中、降ってくる雪がキラキラしていてスローモーションのようでした。まるで星が降ってきているようだったので、ふわふわの雪の光がわかるように、傘と街灯の光を被せ逆光で撮影しました。傘にぶつかって弾けながら宙を舞い、光を浴びる雪の結晶。雨とは違う、雪が傘を叩く音。そのすべてをとても美しく感じました」。
土居夏実
カメラマン 香川県在住。
愛用カメラ:Canon EOS 6D MarkII、OLYMPUS PEN FT
愛用レンズ:Carl Zeiss Planar T* 50mm F1.4 ZS M42
跳ねる炭酸
「グラスに注いだ炭酸がパチパチと弾けて跳ねる様子が、踊っているようで可愛くて。注いでいる間はあまり弾けないので、二度注ぎしてシャッターを切っています。しぶきが写るよう、強めの斜光、背景はグレーで。注ぎたてのシュワシュワ、パチパチとした音を想像して、爽やかな気持ちになっていただけたら嬉しいです」。
奥はる奈
フードスタイリスト・フォトグラファー。
愛用カメラ:SONY α7R IV
愛用レンズ:Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA
種火が炎へと変わっていく時間
「手作りしたフェザースティックに、火打ち石で火花を飛ばし、火吹き棒で風を送り育てていく焚き火は、まるで人の一生を見ているかのよう。私は自分に置き換えて火を育てることが多いです。この写真を見て自分と向き合ってみたり、火の粉が舞う音が聞こえるくらい心穏やかにリラックスしてもらえたら幸せです」。
安永明日香
写真家、映像クリエイター、ライター 東京都在住。
愛用カメラ:Nikon Z 6II
愛用レンズ:NIKKOR Z 50mm f/1.8 S
GENIC vol.61 【五感を刺激する写真たち】
GENIC vol.61
テーマは「伝わる写真」。
私たちは写真を見て、何かを感じたり受け取ったりします。撮り手が伝えたいと思ったことだけでなく、時には、撮り手が意図していないことに感情が揺さぶられることも。それは、撮る側と見る側の感性が交じり合って起きる化学反応。写真を通して行われる、静かなコミュニケーションです。