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「ポーランド」不思議な感覚に包まれた滞在 モロイユウダイ|連載「旅を愛するフォトグラファーが“心に刻んだ異国の地”」第3回

数えきれない旅の記憶の中で、なぜか心に深く残る場所があります。それはきっと、風景の美しさだけでなく、その土地に流れる気配や人々との触れ合いが、自分の感覚と響きあったから。旅を重ねる4人のフォトグラファーが、忘れがたい異国の地を語ります。全4回の連載、第3回は鎌倉を拠点に旅をしながら撮影・執筆を行う、フォトグラファーのモロイユウダイさんが旅したポーランドです。

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目次

プロフィール

モロイユウダイ

フォトグラファー 2000年生まれ、神奈川県出身・在住。2023年、大学を卒業後に新卒で映像制作会社に入社。2024年よりフォトグラファーに転身。トラベルフォトから取材・インタビュー撮影などを手掛ける。
愛用カメラ:Mamiya RB67、FUJIFILM GA645、GFX 50R
愛用レンズ:smc PENTAX 6×7 90mm F2.8

不思議な感覚に包まれた滞在

シャイな人が多い国民性か、どこか日本と似たような空気を感じる。

「目的地に辿り着けず、コルチンという初めての街で迷子に。このあたりからカメラが壊れ、クラクフ滞在中のホテルとコルチンの景色が偶発的に重なりはじめた。すれ違うはずの情景が出会っていることに、写真の面白さと旅らしさを感じる。その後は予備のカメラを使って撮影を続けた」。

「オルシュティンを散歩していたら見つけた名前のない丘。ここで出会ったポーランド人のトーマスには、琥珀のネックレスをプレゼントされ、高校生の少女レナにはカメラの使い方を教えた。すべてが突発的なものだった」。

「当時、アウシュヴィッツ強制収容所に入る人たちが歩いた道。悲惨な歴史を持つこの場所で青空が広がっていることに、強い違和感を覚えた。収容所では写真を撮ることに抵抗感を持ちながら、それでも展示物を見つめる人など、反射的に撮ってしまうものだけを自分に許容していた」。

「ポーランドに住む友人宅のオブジェクト。冬のポーランドは雨と曇りが毎日のように続く。家に引きこもっている間はずっと窓を見つめていた」。

「クリスマス当日、西陽に照らされたクラクフにある建物。街中には家族や恋人、友人と散歩をしている人が多く見られた。反射的にこの写真を撮った後に、とんでもなく辛いカレーを食べたことは忘れないだろう」。

現地でのコミュニケーションから、いくつもの写真が生まれた

「この地を訪れたのは、幼馴染の友人が生活をしていたこと、そしてアウシュヴィッツ強制収容所を訪れたかったから。ヨーロッパならではのエネルギッシュな様子を想像していましたが、訪れてみるとどこか日本と似た空気を感じました。シャイな人が多い国民性や公共交通機関内の静けさなど、身体に馴染みやすいことが多かったからかもしれません。それでいて街並みの美しさはヨーロッパの中でも秀でており、滞在中はずっと何か不思議な感覚が自分にまとわりついていました。また他のヨーロッパの国よりも、日本人に関心を持つ人が多かったので、訪れる機会があればぜひ現地の人とコミュニケーションを試みてほしいです。今回セレクトした中にも、そんなコミュニケーションから生まれた写真がいくつかあります。名前もないような丘で、出会った男性に琥珀のネックレスをもらったり、アウシュヴィッツ強制収容所の残酷な歴史に触れたり。ポーランドという国は、ほかのヨーロッパの国々と比べ、個人的に心を揺さぶられる頻度が多い場所だった気がしています。だからこそ、もう少し時間が経ったらポーランドを再訪したい。そのときに今度は何を思うのか、それを確認しに行きたいと強く感じた場所です」。

GENIC vol.77【旅を愛するフォトグラファーが“心に刻んだ異国の地”】
Edit:Satomi Maeda

GENIC vol.77

2026年1月号のテーマは「写真家が選んだ、最高の旅先」
どんな旅をしたらいい?
その答えは、As you like. お好きなように、自分らしく。ルートを持たない余白たっぷりの旅でも。行先を詰め込んだ時間割びっしりな旅でも。
だって、旅は表現だから。
さて、旅人でもある写真家たちが選んだ「最高の旅先」はどこでしょうか?何かがあなたの心を撫でたなら、そこは次の目的地かもしれません。
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