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Everyday Life in Cinematic New York 今吉優衣|連載「旅を愛するフォトグラファーが“心に刻んだ異国の地”」第2回

数えきれない旅の記憶の中で、なぜか心に深く残る場所があります。それはきっと、風景の美しさだけでなく、その土地に流れる気配や人々との触れ合いが、自分の感覚と響きあったから。旅を重ねる4人のフォトグラファーが、忘れがたい異国の地を語ります。全4回の連載、第2回はポートレートやスナップを通して心象風景を表現する、会社員で休日写真家の今吉優衣さんが旅したニューヨークです。

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目次

プロフィール

今吉優衣

会社員/休日写真家 1994年生まれ、大阪府出身、東京都在住。カメラ好きの祖父からお古のカメラを譲り受けたことをきっかけに写真を撮り始める。会社員として働く傍ら、ポートレート、スナップ撮影を手がける休日写真家。
愛用カメラ:Sony α7C II、RICOH GR III
愛用レンズ:FE 85mm F1.8、FE 50mm F1.8

Everyday Life in Cinematic New York

NYは、“良い写真”の枠組みを取り去って、シャッターを軽くしてくれた

「ロックフェラーセンターから見たエンパイアステートビルディング。SNSでも見かける定番の構図を思い浮かべながら足を運ぶと、少年が2人窓枠に腰掛け談笑している場面に遭遇し、シャッターを切りました。スナップはイメージ通りに撮れることはほとんどないように思いますが、この日はイメージを超える1枚が撮れました」。

「ニューヨークといえば思い浮かべる人も多い自由の女神を、スタテンアイランド・フェリーから撮影。陸地からでは豆粒程度にしか見えないと、現地に行ってみてわかりました」。

「3ヶ月の滞在中、ほとんど雨が降らなかったニューヨーク。ソール・ライター好きの私としては少し残念な気持ちだったある日、午後から土砂降りに。ニューヨーカーは多少の雨では傘をささないと聞いていたものの、地下鉄が浸水するほどの降水量だったこの日も傘をささない人を見て、豪快なニューヨーカー気質を感じました」。

「休日のセントラルパーク。地下鉄でのスリに気をつけろとあれだけ言われているのに、芝生でスマートフォンを放り出してお昼寝をするニューヨーカーたちの姿は衝撃でした。本を読む人、ピクニックをする人、犬を散歩させる人、自由気ままに休日を過ごすニューヨーカーの姿があります」。

「たとえ道幅が狭くても、テラス席が設置されていることが多いニューヨークの飲食店。通行人が足をひっかけやしないかと見ていてヒヤヒヤすることも。天気の良い休日、ソーホーのテラス席でビールを飲むニューヨーカーは平和の象徴そのもの。3ヶ月の滞在を終え、いよいよ明日帰国という日の、とても印象深い1枚です」。

日常の中にもドラマのような場面はあり、撮るべきものはそこら中に溢れていると再認識

「アメリカと言えば“自由の国”ですが、ニューヨークは、良くも悪くもそのイメージを裏切らない場所。思い思いのスタイルで町を歩く人々、すれ違った人のブラウスが素敵なら褒めるし、カメラを持っていれば写真を見せてと声をかける、そんな日常が溢れています。仕事の関係で今年の夏に3ヶ月滞在したのですが、写真を撮るなら、観光地からは一歩離れて地図を見ず、ただ気の向くままにカメラを持って散歩をするのがおすすめです。私は日本でスナップ写真を撮り始めたころに感じていた『撮るべきものはそこら中に溢れている』ということをここで再確認しました。マンハッタンの中心地に滞在していましたが、家から少し散歩に出るだけでシャッターを切り続け、一日撮っていても、まだ撮りたい気持ちがおさまらない、そんな日々でした。日本にいると“良い写真”を撮りたいという気持ちを少なからず持ったまま、シャッターを切ることが多い気がしますが、ニューヨークという異国の地の雰囲気が、“良い写真”の枠組みを取り去って、シャッターを軽くしてくれたように思います。もともとソール・ライターに憧れ、彼が生きたニューヨークで写真を撮ることが夢でした。夏のニューヨークの解放感に満ちた雰囲気も素敵でしたが、再び訪れるなら、雪景色のニューヨークでスナップ写真を撮りたいと思っています」。

GENIC vol.77【旅を愛するフォトグラファーが“心に刻んだ異国の地”】
Edit:Satomi Maeda

GENIC vol.77

2026年1月号のテーマは「写真家が選んだ、最高の旅先」
どんな旅をしたらいい?
その答えは、As you like. お好きなように、自分らしく。ルートを持たない余白たっぷりの旅でも。行先を詰め込んだ時間割びっしりな旅でも。
だって、旅は表現だから。
さて、旅人でもある写真家たちが選んだ「最高の旅先」はどこでしょうか?何かがあなたの心を撫でたなら、そこは次の目的地かもしれません。
永久保存版、GENICらしい、新しい旅のガイドブックの登場です。
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