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【This is my Journey. 我が旅をゆく。:3】ミズカイケイコ

好きなものがある。好きな旅がある。好きな写真がある。
自分なりの視点で旅を追いかけ、自分らしく旅を表現する4名のフォトグラファーに、こだわりの詰まった「我が旅」を紹介していただきました。
3人目は、フォトグラファーのミズカイケイコさんです。

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相棒VOLVOと。まだ見ぬ景色を探しに

カメラも車も。道具って気持ちにまで影響を与えてくれる

青森県・十和田湖にて撮影。
「車が寝室で、タープがキッチン」。

青森県おいらせ町にてLeica R7で撮影。
「ダッシュボードに置いてあるのは、撮影させてもらった方から頂いた家庭菜園のトマト。撮影のお礼に野菜やお米をいただくことがあります。物々交換の旅ができたらいいな」。

福島県いわき市にてCONTAX T3で撮影。
「一晩一緒に過ごした野良犬との別れ際の1枚。車に乗せて欲しそうな目をしています。20年前のことだけど、その頃は保健所に連絡すると殺処分されてしまう可能性が高かったため、連れて帰らなかったことを今でも後悔しています」。

静岡県富士宮市にてPENTAX 67で撮影。
「暗闇の中、自分の頭につけたヘッドランプに浮かび上がるVOLVO240。月がない夜は真っ暗だということを、旅に出て初めて知りました」。

茨城県・霞ヶ浦にて雨上がりの水たまり。Rolleiflexで撮影。
「車を置いて歩きまわります。車はスピードが速すぎるので」。

北海道・野付半島。
「霧の中どこまでも続く桟橋」。

制限なく自由に動けることが自分の撮影スタイルに合っていた

「今から20年以上前に、東京から北海道根室市にある友人の実家まで、私の車で一緒にキャンプをしながら帰省したことがあります。日本地図を広げて、温泉マークがあるところに立ち寄りながら、テント泊で2週間くらいかけて往復しました。車での長旅は初めてだったんですが、交通機関の時間や宿の場所の制限がなく自由に動けることが自分の撮影スタイルに合っていたので、その後はひとりでテント泊をしながら旅をするようになりました。あるとき、熊が来るんじゃないかと思って夜怖くて眠れなかったことがあったので、テントをやめて車中泊での撮影旅スタイルに切り替え。そのタイミングで、荷室が190cmの完全なフルフラットになり、足を伸ばして寝られるVOLVO240に出会いました。240での旅は"どこで何を撮る"ということを前もって決めていません。せっかく旅に出るのだからまったく知らない世界を見てみたいからです。"できるだけ行先やルートを決めない"、"偶然や直感を大切にする” をルールにしています。自分のフィルターは固定観念や思考のクセ、思い込みのようなものと言い換えることができると思うんですが、写真を撮るときにどうしたらそういった無意識に持っているフィルターを外すことができるか、ということを意識しています。VOLVO240を愛して止まないのは、タフなこととシンプルで飽きのこないデザインだから。走りは安定しているけどキビキビは動けないので、"お先にどうぞ~"とゆったりした気持ちで走るようになりました。カメラもそうですが、道具って気持ちにも影響を与えてくれるんです」。

ミズカイケイコ

フォトグラファー 東京都出身。写真家 平間至氏に師事。独立後、多くの雑誌や広告、TVCMの撮影に携わる。定期的に行き先を決めず旅に出て、車で寝泊まりしながら出会った人々や風景の写真を撮影している。写真集に『IN THE HEADLIGHTS』(赤々舎)、『240』( 自費出版) がある。2023年10月14~22日には写真展『IN THE HEADLIGHTS』 を北海道根室市で開催した。
愛用カメラ:PENTAX 67、Sony α9 II、FUJIFILM GFX50S II
愛用レンズ:Leica Summar 50mm f2、smc PENTAX67 75mm f2.8、GF80mm F1.7 R WR

ミズカイケイコ Instagram

Information

出典: Amazon

VOLVO240に車中泊しながら、直感と偶然を頼りに進んでいく旅での出会いをまとめた写真集。
『IN THE HEADLIGHTS』(赤々舎)

Amazon: 『IN THE HEADLIGHTS』

GENIC vol.68【This is my Journey. 我が旅をゆく。】
Edit:Izumi Hashimoto

GENIC vol.68

10月号の特集は「旅と写真と」。 まだ見ぬ光景を求めて、新しい出逢いに期待して、私たちは旅に出ます。どんな時も旅することを諦めず、その想いを持ち続けてきました。ふたたび動き出した時計を止めずに、「いつか」という言葉を捨てて。写真は旅する原動力。今すぐカメラを持って、日本へ、世界へ。約2年ぶりの旅写真特集。写真家、表現者たちそれぞれの「旅のフレーム」をたっぷりとお届けします。

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