スージー
編集者 1987年生まれ、東京都出身。趣味は喫茶店巡り、編み物、映画鑑賞、夫と遊ぶこと。珈琲は深煎り、プリンは固めが好き。スパイスカレーばかり食べている。夢は素敵な家を建てることと、愛の溢れる家庭を築くこと。noteにて恋愛エッセイの執筆も行っている。
愛用カメラ:FUJIFILM X-E2。愛用レンズ:フジノンレンズXF35mm Fl.4R。
いつだって、私たちには純喫茶がある
「2020年秋、 金沢の喫茶店『プラザ樹』。お店に入るとママが優しく迎えてくれ、『お庭がきれいだからぜひ見てきて』と大きな松の木の説明をしてくれました。青いクリームソーダと、深紅のビロードの椅子と、深緑の壁にウットリ」。
訪れた純喫茶の写真をSNSで発信しているスージーさん。
「私は昭和生まれなのでレトロなものを見ると幼い頃を思い出します。例えば純喫茶のプリンを見ると‶家族みんなで大きなプリンを食べたなあ”と、当時の愛しくて優しい思い出と結びつくんです。純喫茶の写真を撮ることは、そんなあたたかい気持ちをまた次に繋いでいくような面白さがあります」。
「2020年春、三軒茶屋の『喫茶店セブン』。三茶で時間を潰すのに、一番快適な場所です。行きつけのマッサージ屋さんまでの時間に立ち寄りました」。
おいしいものの写真は、気持ちをプラスにしてくれる
「2020年春、御茶ノ水の喫茶店『穂高』。出勤前にモーニングに立ち寄りました。トーストとコーヒー、このレトロさが大好き。どう撮影しても独特の良さが生まれます」。
「2020年春、大久保の喫茶店『ツネ』。この時期、職場に行くのは週に1~2回、しかも時差出勤だったので軽食を食べに。豆の敷き詰められたテーブルがかわいい」。
スージーさんにとって、写真の一番の魅力はその時のことが思い出せる、ということ。
「純喫茶で過ごした時の写真もそうですが、食べ物の‶おいしい写真”には、その場で考えていたことまでが記録されています。写真をきっかけに、愛しい気持ちや、悲しかったことを思い出せる。実は一年程前に非常に辛い経験をしました。その時のことはあまり思い出したくないのだけれど、不思議とおいしいものの写真を見ると‶あんなこともあったけど、今は幸せだからいいんだ”とプラスに考えられるんです」。
純喫茶を写真に残すことは、あたたかい気持ちを繋いでいくこと
「2018年春、本郷三丁目の『喫茶ルオー』。母校である東京大学の前にあり、思い入れのある場所です。と言っても、社会人1年目に喫茶店巡りを始めたので、学生時代に訪れたことはありません(笑)」。
「2020年秋、小田原の喫茶店『ケルン』。親友と遠出をした日、朝ごはんにホットケーキとコーヒーをいただきました。席を立った瞬間に目に入ったお揃いの食器が愛しくてパチリ」。
最近、素敵な新生活がスタートしたそう。
「2月末に結婚し、彼とのふたり暮らしが始まりました。特別な日ではない日常のワンシーンや、おいしく食べるお互いの姿、幸せだなあと思うその瞬間を、写真に残していきたいと思います」。
「2018年冬、横浜の喫茶店『純喫茶 モデル』で。レモンスカッシュと、かわいいコースターと、たまごサンドがひまわり柄のテーブルの上に。目に映るものが黄色ばかりで、なんだか元気をもらいました」。
GENIC VOL.58 【いと、おいしくて。】
Edit:Yoko Abe
GENIC VOL.58
テーマは「おいしい写真」。
口福を感じる料理やスイーツとの出会い、オリジナリティ溢れるフードの創作、こんなシーンには二度とお目にかかれないかもと思った瞬間。様々な表現者たちが繰り広げる “おいしい” の世界を召し上がれ。