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プロフィール
Fujikawa hinano
写真家 東京都出身。雑誌、広告、映画のスチール、ブランドのルックブックやWEBメディアでの撮影など、表現できる場を大切にしながら幅広く活躍中。日常と非日常の中にある曖昧さ、そして感情を丁寧に表現することを心がけている
言葉では伝えきれない感情を、レンズフィルターを通して表現する
写真は自分の好きを表す表現の一つで、撮影において私はいつも、“感情”と“日常と非日常の間”を写したいと思っています。練りに練ったコンセプチュアルなポートレート作品で表現したい時もあれば、何も考えずにふらっと散歩に出た時の、葉っぱが光っている瞬間に表現欲を感じることもあります。いずれにしても、言葉では伝えきれないものを写真で表現したい、という気持ちを持っています。
レンズフィルターとの出会いは、新しい表現の仕方を模索していた時でした。目の前の情景がフィルター効果に合致すると、同じシチュエーションでもまったく別の印象になるのが本当に楽しくて、夢中になってさまざまな効果のレンズフィルターを試しました。そうして使っていくほどに感じたのが、レンズフィルターは“効果がわかりやすく出すぎることがある”ということ。そのため基本的には使用せず、ここぞの時だけ使用するようになるのですが、その分つけたり外したりが頻繁に発生します。ところがNiSi Allure Softは、レンズにずっとつけていても違和感がないのです。全体的に柔らかい印象になっても、ピント部分のシャープな表現はしっかり残ります。また、ハイライトに反応してフレアが生じるため、一般的なブラックミストと違ってコントラストが弱まりすぎることもありません。慣れてくると構図やアングルで効果の程をコントロールできるようにもなり、本当に魅力的なフィルターでした。
比較してよりわかる—— Better Photos with a Filter
露出と影の落ち位置で表現を追求
光をよく観察し、味方につける
NiSi Allure Softは、程よい効果で、コントロールも可能。どんなシチュエーションにも馴染んでくれる
優しい描写が好きなので、コントラストは低めが好み。ただ、デジタルカメラで撮るとどうしてもコントラストが高くなってしまうことが多いです。とはいえ一般的なソフトフィルターを使うと、効果が出すぎてしまい浅いだけの写真になってしまいがちで…そのためいつも、編集で調整していました。その点、NiSi Allure Softは黒を残してくれつつ柔らかいコントラストの表現ができます。効果が過度なものではなく、ずっとレンズにつけていても違和感がなく、どんなシチュエーションでも馴染んでくれるところが魅力的だと感じました。NiSi Allure Softはハイライトの光の強さによって効果の出方が変わるので、自分でも効果や表現のコントロールがしやすいです。撮った瞬間に自分の好きな描写だと、撮っていて楽しさも増します。また、より想像力が掻き立てられる気がしました。
NiSi Allure Soft
シャープネスを落とし被写体をソフトに描写する効果と、光を拡散して光源の周辺にハレーションを生むグロー効果を得られるソフトフィルター。大きな魅力は、ソフトフィルターでありながらピントの芯がつぶれず、高いコントラスを維持すること。フレアはハイライトに反応して発生するため黒が締まり、柔らかさの中にもメリハリがある表現が可能。