ヨシノ ハナ
ヨシノ ハナ 1996年生まれ、東京都出身。東京造形大学デザイン学科写真専攻卒業。元フォトグラファーの父の影響で写真を始め、雑誌やファッションブランドのルックなどでも活躍。各方面から注目を集める写真家の一人。
❝あまり好きじゃなかった東京が、 最近、愛おしく感じる。❞
当たり前が当たり前じゃなくなった2020年春。
「日々平穏に暮らしていたことがどんなに幸せだったのか、改めて感じる。
東京はつい新しいことに気を取られがちになる場所だけれど、変わらない景色・場所をもっと大事に、そして守っていきたい」
シャッターは反射的に切る。ヨシノさんは、常に「私」というフィルターを通して撮る意味を考えている写真家だ。
「被写体は全て感覚で選んでいます。撮る相手と相談することも多いですね。鏡以上に被写体を魅力的に写し出していきたいと思っているんです」
東京は自我がないと、自分がいなくなってしまうところ。
生まれ育った場所だからこそ、東京という都市をあまり好きになれなかったそう。
「自我が強くないと自分がいなくなってしまうところだなとよく考えます。でも、外出自粛が続いたこの春は、当たり前だった東京の街並みが愛おしく感じられて。そういう意味でも常に考えさせられる場所ですね」
❝写すものの魅力を引き出し、心動かす写真を。❞
ポストコロナの世界で、彼女はどんな写真を撮っていくのだろう。
「観た人の感情を揺り動かす写真をもっとたくさん撮りたい。日々成長できたらと思っています」
GENIC VOL.55【女性写真家が切り取る東京】
Edit:Yoko Abe
GENIC VOL.55
テーマは「TOKYO and ME 表現者が撮る東京」