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伝説的写真家の大回顧展「中平卓馬 火―氾濫」が東京国立近代美術館で開催

中平卓馬《「サーキュレーション―日付、場所、行為」より》1971年 東京国立近代美術館 ©Gen Nakahira

写真家 中平卓馬の初期から晩年までの軌跡をたどる待望の展覧会「中平卓馬 火―氾濫」が東京国立近代美術館にて2024年2月6日(火)~4月7日(日)に開催。これまで未公開の作品やカラー写真の重要作が多数展示される貴重な機会です。
本記事の最後に、抽選で3組6名様に当たる招待券のお知らせがあります。ぜひご応募ください。

  • 開催期間:2024.2.6 ~ 2024.4.7

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中平卓馬 プロフィール

中平卓馬ポートレイト 2003年
撮影:ホンマタカシ
©Takashi Homma

写真家 1938年東京生まれ。1963年東京外国語大学スペイン科卒業、月刊誌『現代の眼』編集部に勤務。誌面の企画を通じて写真に関心を持ち、1965年に同誌を離れ写真家、批評家として活動を始める。
1966年には森山大道と共同事務所を開設、1968年に多木浩二、高梨豊、岡田隆彦を同人として季刊誌『PROVOKE』を創刊(森山は2号より参加、3号で終刊)。「アレ・ブレ・ボケ」と評された、既成の写真美学を否定する過激な写真表現が注目され、精力的に展開された執筆活動とともに、実作と理論の両面において当時の写真界に特異な存在感を示した。
1973年に上梓した評論集『なぜ、植物図鑑か』では、一転してそれまでの姿勢を自ら批判、「植物図鑑」というキーワードをかかげて、「事物が事物であることを明確化することだけで成立する」方法を目指すことを宣言。翌年、東京国立近代美術館で開催された「15人の写真家」展には48点のカラー写真からなる大作《氾濫》を発表するなど、新たな方向性を模索する。そのさなか、1977年に急性アルコール中毒で倒れ、記憶の一部を失い活動を中断。療養の後、写真家として再起し、『新たなる凝視』(1983)、『Adieu à X』(1989)などの写真集を刊行。2010年代始めまで活動を続けた。2015年逝去。
1973年、自己批判を機に、それまでのプリントやネガの大半を焼却したとされていたが、2000年代初頭、残されていたネガが発見され、それをきっかけとして2003年には横浜美術館で大規模な個展「中平卓馬:原点復帰-横浜」が開催された。

日本の写真を変えた伝説的写真家 約20年ぶりの大回顧展

中平卓馬ポートレイト 1968年頃
撮影:森山大道
東京国立近代美術館
©Daido Moriyama Photo Foundation

日本の戦後写真における転換期となった1960年代末から70年代半ばにかけて、実作と理論の両面において大きな足跡を記した写真家である中平卓馬。その存在は森山大道や篠山紀信ら同時代の写真家を大いに刺激し、またホンマタカシら後続の世代にも多大な影響を与えてきました。1960年代末『PROVOKE』誌などに発表した「アレ・ブレ・ボケ」の強烈なイメージや、1973年の評論集『なぜ、植物図鑑か』での自己批判と方向転換の宣言、そして1977年の昏倒・記憶喪失とそこからの再起など、中平のキャリアは劇的なエピソードによって彩られています。しかし、それらは中平卓馬の存在感を際立たせる一方で、中平像を固定し、その仕事の詳細を見えにくくするものでもありました。
本展では、あらためて中平の仕事をていねいにたどり、その展開を再検証するとともに、特に、1975年頃から試みられ、1977年に病で中断を余儀なくされることとなった模索の時期の仕事に焦点を当て、再起後の仕事の位置づけについてもあらためて検討します。
2015年に死去して以降も、その仕事への関心は国内外で高まり続けてきました。本展は、初期から晩年まで約400点の作品・資料から、今日もなお看過できない問いを投げかける、中平の写真をめぐる思考と実践の軌跡をたどる待望の展覧会です。

「中平卓馬 火―氾濫」の見どころ

これまで未公開の作品を多数展示

中平卓馬《「街路あるいはテロルの痕跡」よりマルセイユ、フランス》1976年
東京国立近代美術館
©Gen Nakahira

近年その存在が確認された《街路あるいはテロルの痕跡》の1977年のヴィンテージ・プリントを初展示。昏倒によってキャリアが中断する前の、最後のまとまった作品発表となった雑誌掲載作13点です。2021年に東京国立近代美術館が本作を収蔵して以来、今回が初めての展示となります。また1976年にマルセイユで発表されて以来、展示されることのなかった《デカラージュ》など、未公開の作品も多数展示されます。

カラー写真の重要作を一挙に展示

中平卓馬《「氾濫」より》1969年頃
東京国立近代美術館
©Gen Nakahira

1974年に東京国立近代美術館で開催された「15人の写真家」展の出品作《氾濫》が、ちょうど半世紀ぶりに同じ会場で再展示されます。カラー写真48点組で構成される幅約6メートルの大作で、キャリア転換期における重要作です。
存命中最後の重要な個展「キリカエ」(2011年)に展示されたカラーの大判プリント64点も展示されます。

雑誌から読み解く、中平卓馬の試み

『アサヒグラフ』や『朝日ジャーナル』など、キャリア前半の1960年代から1970年代前半にかけて発表された作品の掲載誌を多数展示。当時、社会にイメージを流通させる手段として重要な役割を担っていた雑誌。写真がどのように流通するかについて常に意識的だった中平卓馬が、同時代の社会に対して、写真を用いて何を試みようとしていたのか、その実態に迫ります。

展覧会構成と主な展示作品

初期から晩年にいたる中平卓馬の仕事を、5つの章でたどります。とくに2~4章では、1977年に不慮の昏倒と記憶喪失により中断した中平卓馬の仕事がどこへ向かおうとしていたのか、そこにいたる70年代の展開が詳しくひもとかれます。

第1章 来たるべき言葉のために

中平卓馬《夜》1969年頃
東京国立近代美術館
©Gen Nakahira

第2章 風景・都市・サーキュレーション

中平卓馬《「サーキュレーション―日付、場所、行為」より》1971年
東京国立近代美術館
©Gen Nakahira

第3章 植物図鑑・氾濫

中平卓馬《「氾濫」より》1971年
東京国立近代美術館
©Gen Nakahira

第4章 島々・街路

中平卓馬《「街路あるいはテロルの痕跡」よりマルセイユ、フランス》1976年
東京国立近代美術館
©Gen Nakahira

第5章 写真原点

中平卓馬《無題 #437》2005年
東京国立近代美術館
©Gen Nakahira

中平卓馬《無題 #470》2010年
東京国立近代美術館
©Gen Nakahira

企画展「中平卓馬 火―氾濫」情報

開催日時

2024年2月6日(火)~4月7日(日)
日・火~木10:00~17:00
金・土 10:00~20:00
※入館は閉館30分前まで
休館日:月曜日(2月12日、3月25日は開館)、2月13日(火)

観覧料

大人 1,500円
大学生 1,000円
高校生以下、18歳未満 無料
※上記料金で入館当日に限り所蔵作品展も観覧できます

会場

東京国立近代美術館
〒102-8322 千代田区北の丸公園3-1

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行き方・アクセス

<電車>
東京メトロ東西線「竹橋駅」1b出口から徒歩で3分
東京メトロ東西線・半蔵門線、都営新宿線「九段下駅」4番出口から徒歩で15分
東京メトロ半蔵門線、都営新宿線・三田線「神保町駅」A1出口から徒歩で15分

企画展「中平卓馬 火―氾濫」チケットプレゼント情報

企画展「中平卓馬 火―氾濫」の入場券を3組6名様へプレゼント。Instagram、XまたはThreadsのいずれかから応募してください。

その1)Instagramアカウントで応募

GENIC公式Instagram @genic_magをフォローし、「中平卓馬 火―氾濫」展のストーリーズに「応募します」とコメントしてください。

※プレゼント応募のストーリーズは、ハイライト「読者プレゼント」に表示されています。

ストーリーズ(ハイライト)はこちらから
@genic_mag Instagram

その2)Xアカウントで応募

GENIC公式X @genic_web をフォローし、「中平卓馬 火―氾濫」展の投稿をリポストしてください。

@genic_web X

その3)Threadsアカウントで応募

GENIC公式Threads @genic_mag をフォローし、「中平卓馬 火―氾濫」展の投稿にいいねまたはコメントしてください。

投稿者: @genic_mag
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応募締め切り

2024年2月21日(水)23:59

当選のご連絡

各応募締め切り後、厳正なる抽選を行い、GENIC公式アカウント(Instagram @genic_mag X @genic_web Threads @genic_mag)よりDMにて、当選者の方にのみに2月22日以降に直接ご連絡を差し上げます。
※お届けは日本国内に限らせていただきます。
※SNSアカウントを非公開にしている場合、いいねやコメントを確認することができないため抽選対象外となります。

たくさんのご応募、お待ちしております!

  • 【お問い合わせ先】
  • 東京国立近代美術館
  • 050-5541-8600(ハローダイヤル)
  • www.momat.go.jp
  • 【プレゼントキャンペーンお問い合わせ先】
  • ミツバチワークス
  • www.328w.co.jp

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