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M型カメラ誕生70周年を記念する節目に希少な逸品が登場
製造台数はわずか6台――1950年代のレアなブラックペイントのライカMP2
今回のオークションで、最大の目玉アイテムとして出品されるのは、1958年製造の「Leica MP2 black paint outfit」。「ライカMP2」は、試作品として27台製造されましたが、ブラックペイント仕上げが施されたのは、そのうち、わずか6台(シリアルナンバー:935507〜935512)のみ。「ライカMP2」は、「ライカM2」に改良が加えられた、プロフェッショナル仕様のモデルで、今回出品されるのはそのうちの1台(シリアルナンバー:935509)です。特製の電動モータードライブが組み込まれているのが特徴で、1秒間に3.5コマの撮影が可能。写真の歴史の中でもトップクラスの希少価値を誇ります。落札予想価格は、600,000~700,000ユーロ。
現存数の少なさからコレクターの間で人気が高騰
1930年代の希少なカメラ「Leica I Mod. A Luxus outfit」は、現存するのがわずか数台というライカの「ルクサス」のうちの1台(シリアルナンバー:48438)。製造時と同じデザイン・仕様で残っており修理された形跡もありません。特殊なレザー外装と金メッキが施された外観が目を引くアイテムです。落札予想価格は、300,000~350,000ユーロ。
ライカのカメラ用アクセサリーとしては、非常に珍しい「E. Leitz New York Leica Gun RIFLE」も今回出品されます。このアイテムには、もともと野生生物を撮影するために開発された、銃床が含まれます。この銃床は、野生生物写真の分野を代表する写真家のひとりであるアッティリオ・ガッティから、インスピレーションを得たそう。ガッティは、1922年から13回にわたり、探検隊を率いてアフリカを訪れ、野生生物を初めて写真に記録したヨーロッパ人のひとりです。専門家によると、このようなライフル型のアクセサリーの製造台数は、15点もないとのこと。シリアルナンバーが「119」であるこのアイテムには、カメラ本体の「Leica IIIb」とレンズの「Telyt 5/40cm」も含まれます。予想落札価格は240,000~260,000ユーロ。
ズミルックスレンズのプロトタイプがチャリティーアイテムに
“スチールリム”の「ライカ ズミルックスM f1.4/35mm」は、1961年の発売当時、世界で最も明るい広角レンズでした。このレンズはその後、35年以上にわたって、いくつかのバージョンが発売されました。今回のオークションに出品される「Summilux 1.4/35mm Steel Rim prototype」は、復刻版として2022年に登場した「ライカ ズミルックスM f1.4/35mm」(コード:11301)の試作品として数本製造された中のひとつです。「0000030」という特別なシリアルナンバーが付いているほか、リムの部分は通常の販売モデルにはない仕上げになっています。こちらはチャリティーアイテムとして出品され、その落札金はオーストリアのチャリティー番組『リヒト・インス・ドゥンケル』に全額寄付されます。予想落札価格は6,000~7,000ユーロ。
第44回Leitz Photographica Auction 情報
開催日時
2024年6月8日(土)11:00〜(中央ヨーロッパ夏時間)
会場
ライツ・パーク(ドイツ・ウェッツラー)
※事前入札はオンラインまたは書面で受付。
※オークション当日は、会場入札のほか、ライブオークションサイトまたは電話でのリアルタイム入札も可能。